表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
21/76

第三幕 第一場

 おっぱい王国のお城のとある一室で、黒いドレスを着た黒髪の小さな女の子がにっこりと笑った。

「すごいでしょうお父様」


 女の子にお父様と呼ばれたのは、若かりし頃のおっぱい王国の王様だった。「な、なんたることだ」

 そう嘆くと頭を抱えて膝をつく。


 二人のいる部屋の中央にはテーブルがあり、その上には花瓶が置かれている。花瓶からは巨大な植物のツルらしきものが天井へと伸び、そこから四方の壁へと広がって、バラによく似た巨大な赤い花をいつくも咲かせていた。


 女の子はうなだれる王様の顔をのぞき見る。

「お父様。私もお母様みたいに——」


「マレーン!」

 王様が険しい表情で女の子の両肩を掴んだ。

「どうしてお前は……」


「お、お父様?」女の子は戸惑っている。「どうしてそんな怖い顔をしているの?」


「残念だよマレーン」


「えっ?」


「お前はもう存在してはいけないんだ」

 そう言った王様の目からは涙がこぼれ落ちた。


 次の瞬間、目の前の光景がぐにゃりと歪み始めた。コーヒーにミルクを入れるかのごとく、世界が渦巻くようにして歪み、混ざり合っていく。


「誰か誰か助けてよ!」女の子は泣き叫んだ。「ねえ誰か!」


 歪む世界。もはや原型はなく、どこが上でどこが下かわからない。女の子は宙に浮くかのようにたゆたう。


「起きろ!」

 どこからともなく怒鳴り声が聞こえた。

「起きるんだ! 早く——」


 黒髪で肌着を着た少女が目を覚ますと、そこはおっぱい王国の台所奥にある食料庫だった。


 少女のまわりには、いかつい顔をした兵士達がヤリをこちらに突きつけて構えている。


 兵士の一人が叫んだ。

「いいかげんに起きろ賊め!」


「……夢か」

 少女はそうつぶやくと立ち上り、兵士達を睥睨する。

「私は賊などではない。おっぱい王国第二王女マレーンである。お前達、今すぐに風呂と着替えの準備をしろ」


「お前が第二王女だと」とある兵士が言った。「こいつはとんだおもしろいジョークだ」

 少女の小さな胸にヤリを突きつける。

「おまえが本当に巨乳姫様の妹なら、貧乳姫様と呼んでやらないといけないな」


 兵士達があざけりの笑い声をもらす。


 少女は舌打ちをした。

「まったくどいつもこいつも人の胸を馬鹿にして。お仕置きが必要のようだな」

 目つきを鋭くさせてある言葉を口にする。

「ブリックレーブリット」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ