第二幕 第六場
おっぱい王国の町中を駆ける兵士達。その中には馬丁のフェレナンドと従者のキュルトヘンもまざっていた。
フェレナンドは足を止めるとキュルトヘンに言った。
「キュルトヘン」お城の方角を指し示す。「俺はこっちを探してくる」
キュルトヘンは足を止め振り返った。
「わかりました。それじゃあ僕はこのまま、この辺りを探してみます」
こうしてフェレンドと分かれたキュルトヘンは、巨乳姫マンスロートを探し求め町中を駆け巡る。そしてキュルトヘンが町の酒場にさしかかった時、不意に誰かに呼び止められた。
「キュルト君」それは女の子の声だった。
キュルトヘンが顔を向けると、そこにいたのは酒場で働く女の子グレーテルだった。
キュルトヘンは足を止め息を喘がせた。
「……グレーテル」
グレーテルは微笑んだ。
「ひさしぶりだねキュルト君。どう——」
「ごめんグレーテル。今はかまってる暇はないんだ」
キュルトヘンは走り去ってしまう。
「あっ、キュルト君……」
グレーテルはキュルトヘンの後ろ姿を見つめ、しょんぼりとしてしまう。
「せっかくあえたのに」
誰かがグレーテルの頭に手を置いた。
「意中の彼氏は忙しそうだね」
グレーテルが振り向くと、そこにはバニーガールの格好にローブを羽織った女が立っていた。
「マルタさん」
グレーテルは顔を赤らめた。
「私は別にキュルト君のことが好きとか、そういうんじゃないですからね」
「あらそうなのかい」
マルタはくすくすと笑う。
「でもあの子ったら、巨乳姫の従者になって以来、忙しそうだよね。そのせいであの子と遊べなくてさみしいんだろ?」
「別にさみしくなんかないですよ」
グレーテルは強がってみせた。
「今日も一人楽しく冒険してたんだから」そこではっとした表情になる。「そういえばその時に、変な人を見ましたよ」
マルタは顔をしかめる。
「あら嫌だ。変質者?」
グレーテルは首を横に振る。
「違うよ。なんか動物達を引き連れてて、えーと……そうそう。動物達の劇団だとかなんとか言っていました。たしか座長さんはクレープスって名乗ってましたよ」
「そいつはあれだ。巨乳姫の結婚の祝いに呼ばれたティーア劇団だね。動物の劇団として有名だよ」
マルタはそこで言葉を切ると空を見上げる。
「さてさて、そろそろ日も落ちてきたね。店を開ける準備をするよ。手伝ってちょうだいグレーテル」
「はい、わかりました」
グレーテルはマルタとともに酒場の中へと入っていく。




