第二幕 第四場
二つの連なる山、おっぱい山。そのおっぱい山の年中緑に覆われているゼムジ山には、魔法使いのリンクランクが住んでいた。リンクランクの住み処はゼムジ山にある洞窟奥の開けた空間にあった。そこにはいくつものたいまつの火が揺れ動き、家具調度品を明るく照らしながら、不気味な陰影を壁に踊らせていた。
リンクランクの住み処である洞窟の天井から、はしごがするすると下りてくる。それを伝って下りてくる長いヒゲを蓄えた老人。それは魔法使いのリンクランクだった。
リンクランクははしごを降りると言った。
「ブリックレーブリット」
その瞬間、はしごは一瞬で消えてしまう。
リンクランクは長いひげを手で梳きながら、洞窟の片隅に目を向けた。そこには壁から伸びる鎖によって、両手を掲げるようにして拘束された寝間着姿の少女が座っていた。少女の胸は大きく、寝間着の胸部を風船のように膨らませて、ぴったりと張り付いている。
少女は寝息を立てて眠っている様子だった。その少女はまぎれもなく巨乳姫マンスロートだった。
「お帰りなさいませご主人様」
そう言って現れたのは、ピエロの格好をした悪魔の小人だった。
リンクランクは満足げな笑みを浮かべた。
「よくぞ巨乳姫をさらってきてくれた。ワシは嬉しくてたまらんぞ。礼を言うぞ悪魔よ」
「礼など無用でございますご主人様。私はあなた様に召還されし悪魔。あなた様は私のご主人であり、私はその忠実なしもべ。あなた様の命令を忠実に実行したまでのことです」
「うむ。やはり貴様を召還してよかったぞ」
リンクランクはそう言うとマンスロートに歩み寄る。
「巨乳姫は寝ておるのか?」
「はい。先ほどまで泣き叫んでいましたゆえ、しかたなく薬で眠らせておきました」
リンクランクはマンスロートの顔にかかった金髪の髪の毛を払いのけると、そのやわらかそうな頬を撫でた。
「なんという上玉。しかも胸もでかいときた。これは楽しめるぞ」
そこで舌なめずりをする。
「そしてワシの野望がまた一歩実現へと近づく」
「せんえつながらご主人様。あなた様の野望とはいったい何でございますか?」
「おっぱい王国を征服し、それを足がかりとして世界征服を行う。そのためにも」リンクランクはそこで言葉を切ると、マンスロートの顎を掴んでその顔を持ち上げた。「この巨乳姫が必要なのじゃ」
そう言うと高笑いをする。
リンクランクの笑い声が洞窟内に響き渡るなか、悪魔の小人はそれを無言で聞き続けた。




