第48話 決戦の地へ Sonic Los Angeles 見参!
ソニック達Wattstowersが遂に本当の敵と戦う三部作です。
(オメーら。今こそ決戦の時だ。気ぃ引き締めて行くぞ!)
2025年6月6日。ダウンタウンからリトルトーキョーの間でデモ行進が行われた。警察や海兵隊が鎮圧しようと衝突していた。そこに現れた1台の大型トレーラー。
《ゴトン!ゥオン!ブオン!オン!パーッ!パパッ!ゴトン!・・・プシュー・・・》
中から出てきたのは「Sonic Los Angeles」だった。彼らは3ヶ月前からこの地でライブを行う許可を取っていた。
そのライブから遡る事2時間前。桜は普段より多い食料を買い込んでいた。車の免許を取ったばかりの誠剛と、次男健勇にその食料の買い出しに手伝わせた。家にいた真優と愛弥は
「どうしたの?!ママ。そんなにいっぱい。」
と驚くほど。後ろで誠剛と健勇、そして小学生の海豊まで運ぶのを手伝ってへばっていた。
「これからパパが戦いに出て、明日の朝に帰ってくる気がするからご馳走作って待ってたいの。」
とにっこり笑顔を浮かべながら料理に取りかかっていた。
時は戻りソニック達Watts Towersは、イースト・テンプル・ストリートとアラメダ・ストリートに挟まれた退役軍人病院の前にあるスクランブル交差点の前にステージ型大型トレーラーを駐車し、向かいの駐車場と空き地にオーディエンスを入れてライブを行う許可をもらっていた。背後にはリトルトーキョーや、かつて桜達を救出するためにソニックが破壊した倉庫群がある。このダウンタウン周辺はWatts Towersがぐるりと囲んでいる。ソニック達Watts Towersの庭とも言えるこの通りにデモ隊が通り、それを鎮圧するために警官隊や軍隊が入り乱れて、ソニックの演奏を邪魔しだした。ソニックは凄まじい殺気を放ちながらシャウトする。
「おい!ここは俺らが3ヶ月も前から許可取って押さえた場所なんだ!そんな物騒なもん置いてお前らも混ざれよ。」
「オーディエンスの邪魔だ!オメーら後ろ回れ!こいつら俺らに金払って来てんだからアリーナ譲れや!」
アメリカに来てもう30年以上経っているソニックは、この日の為に散々修羅場を潜ってきた。今まさに下らねー世の中をぶっ壊す為にここにいる。Watts Towersも同じ思いだ。
(何言ってんだ?こいつ。)
と警官達が催涙ガスを浴びせるも、ソニックが振り下ろしたエレキギターが
《キーーーン!ギュン!斬!!!》
と「Jet」で斬り裂かれ吹き飛び、周囲を左眼の鋭い眼光で睨み付け、これを合図にライブがスタートした。オーディエンス達はイースト・テンプル・ストリートとアラメダ・ストリートを次々と越え、彼らを押しのけソニックのいるステージ前まで押し寄せた。その間に付近の建物にいる人々もライブに混ざり、建物の窓から身体を出しながら「Sonic」の効いた曲を味わっていた。いつもの「Sonic Los Angeles」のライブ同様の光景であった。この周囲を巻き込む感覚が楽しみたくて、ソニックはいつもLA中を歩き回り、気に入った景色を求めていた。そんな事はお構いなしにデモ隊は暴れ回り、警官達は催涙ガスや閃光弾を浴びせる。ソニックが長年愛したLA の街を汚しにかかった。しかし、ソニックが放つ「Jet」で、催涙ガスが吹き飛び、「Combat」で閃光弾が無力化する。
《キーーーン!斬!!!ズバン!!!》
《ダダッ!ダッ!ダッ!ダッ!ダダン!》
次第に「Volt」でデモ隊が静かになり、
《カッ!バリッ!ドーーーン!》
「Magnet」でオーディエンス達の中に引き寄せられる。ソニックは
《キッ!グイン!グッ!》
「どーだよ?楽しいだろお?」
とニヤリと笑う。だが、警官隊や軍隊は収まらなかった。ソニック達Watts Towersやオーディエンス、沈静化したデモ隊を攻撃してきた。するとソニックが演奏していた重厚なリズムを鳴らしていたエレキベースを交代し、ドラムに代わった。さっきから暴徒達と一緒に
《ボオッ!ボオッ!》
と雄叫びを上げていた熊襲太鼓が炸裂した。ソニックが長いドラムスティックを腰から2本抜くと、西側を行進していたエドワード・R・ロイバルビルのデモ隊から
「待ってたぞ!熊襲!早く叩いてくれよ!」
と声が飛ぶ。
《ゴッドーン!カカッ!ボオッ!ゴオッ!》
この熊襲太鼓の威力に負け、警官隊と軍隊は攻撃を止めた。止めたと言うより固まってしまったとでも言うべきなのか?更に、背後にいた退役軍人病院の傷病兵達が、警官隊や軍隊に向かって
「ソニックの言うとおりだぞ!神なんていやしねー!誰も助けちゃくれねーぞ!」
「俺達はそんな戦いで大事なもんを全て失っちまったんだ!こいつらの求めている居場所さえもな!」
「夢も希望もない人生なんて最悪だぞ!お前ら目え覚ませよ!」
「お前らいい加減無駄な争い止めろ!皆この世界に住む人間じゃねーか!」
「大体お前らは何のために戦っているんだ?政府の飼い犬じゃねーか!」
と泣き叫ぶ傷病兵達。その場にいる全員がその悲痛な言葉の数々に武器を下ろした。
その頃、桜は黙々と料理を続けていた。緑や茜、葵と菫、菜月までも駆けつけた
「ソニックがまた戦いを始めた。迎えてあげよう。」
と言いながら、茜と葵が
「・・・全くしょーがないわね。あいつの事だからお腹すかせて戻ってくるでしょ。」
と呆れた顔で桜を手伝う。菜月が
「兄ちゃん。大丈夫なの?」
と心配するが、菫が
「いいのいいの。いつものことだから。菜っちゃんも手伝って。」
と6人で亡き史郎の後を継ぎ、一家の主であり戦士であるソニックの為に溢れんばかりの料理を作って待った。次第に子供達は眠りにつくも、6人は眠らずに遠くから聞こえるソニックの爆音に聞き入っていた。桜がこの家の部屋から出てもう30年振りの特大の「Sonic」だった。窓香達も菜月が暮らす家でまた眠らずに聞いていたそうだ。
夜になっても「Sonic Los Angeles」のライブは続き、デモ隊も警官隊も軍隊も武装解除してその爆音鳴らす「Sonic Los Angeles」の世界に吸い込まれていった。そしてソニックはこの時のために温存しておいた「Burst」をその場にいた全員に食らわす。
《ボワッ!ボッ!ゴッ!ドッ!メラッ!ドカン!ゴオー!》
このイースト・テンプル・ストリートとアラメダ・ストリート、更にダウンタウンとリトルトーキョー一帯が「Sonic Los Angeles」のライブ空間となり酔いしれていた。周囲の建物の屋上に陣取っていたWatts Towersが、夜になると照明を付けたが
「このスカイライトに当たっているのはステージにいる俺達じゃねー。俺達の曲聴いてるこの夜空の下にいるLAの住民達とオメーら全員だ!」
と、街中や夜空にスポットライトを次々と当てまくった。興奮するオーディエンス。いつも通りのソニック達Watts Towers。まるで挑発するようにがなり吠え歌った。その瞬間、音速で切り裂くジェット気流のような「Jet」がイースト・テンプル・ストリートを斬り裂き、熊襲太鼓の力で増幅した「Volt」を遠くの方から身体に音を通じて稲妻のような電流を浴びせた。
《ビカッ!ゴン!ドーーーン!ドコン!バン!!!》
オーディエンス達が電撃を浴びてビクンと奮え、ビリビリ感じていく。目の前の者全員に「Burst」を浴びせると、一気にヒートアップ。
《ゴオッ!ボワッ!ドドッ!メラッ!ボッ!バドン!》
このイースト・テンプル・ストリートとアラメダ・ストリート、更にダウンタウンとリトルトーキョー一帯内をぐるりと囲んでいるWatts Towersが挑発する。オーディエンスの数名が
「Please!Please!」
「Come on!Come on!」
「もっと聴かせてくれ!」
「次々鳴らしてくれ!」
「早く早く!ずっと聴いていたいぜ!」
ソニックはあのエデンのライブと同じ事を実に30年ぶりに目の前の全員に言い放つ
「オメ-らの身体から何か熱いもん湧き上がってくるだろう?解放してみろ、ほら、解放してみろよ!我慢してんじゃねーよ!脱いでもいいんだぞ!全部さらけ出して楽になれ!ここは自由の国アメリカなんだぜ!」
夜明けが過ぎ、朝になっても演奏を止めない「Sonic Los Angeles」。この汚れた革命児はいつまでもCombatMarchを続ける。そして遂に
「腐った世の中を引っかき回している張本人の尻尾」
が見えてきた。
2025年実際に起きたデモ行進にソニック達Wattstowersを絡めています。
因みに一部内容はソニック達Wattstowersが初めてエデンでライブを行った際のデジャブです。




