第47話 昼下がりの破壊者と強大な敵との前哨戦
ソニックが既に大事件に巻き込まれているという話です。
史郎が亡くなって数ヶ月が経ち、家族に元気がなくなったソニックと桜は緑や子供達を連れて、ダウンタウンのシビック・センターを中心に買い物に出かけた。家族サービスとして1日遊ぶ予定である。菜月も緑や子供達に
「何か買ってあげる。」
と車を出し、皆で買い物をしていたその時だった。Row DTLA付近で銃声が聞こえ、メーシーズ・プラザで昼食を摂っていたソニック一家だったが、この騒ぎで子供達が震えている。ソニックが様子を見に行くと、犯人はスキッド・ロウに住むジャンキー達で、ダウンタウン界隈で拳銃を持って無差別に人を襲い、金品を奪っていた。間もなく警官隊がやってくるも、ダウンタウン全体が戦場になるのを恐れてソニックが動き出した。菜月が
「それならあたしも行く。」
と言ったがソニックは
「菜っちゃんアカデミー賞取ったばっかだろ。ここは兄ちゃんに任せろ。それより桜ねーちゃんと緑さんと子供達を車で逃がしてくれるか?」
と頼んだ。
犯人はダウンタウンのあちこちに散らばっており、ソニックは
(目に付く奴らから片付けるか・・・)
と2本の警棒を取り出し、一番近くにいたジャンキーを捕まえ両腕をへし折り、尋ねた。
「おい!オメーら何人でやってんだ!?」
犯人は口を割らないが、ソニックは犯人の足下に「Volt」をお見舞いし、爪先を粉砕すると、犯人は
「さ、35人です!こ、殺さないで!」
と命乞いをする。この犯人を側にいた警察官に引き渡し、再びダウンタウンに戻る。すると、デパートの5階付近から再び銃声が聞こえる。そのデパートにひっそり入るソニック。非常階段から5階へ駆け上り、上から見渡す。下の階には警官隊がネゴシエーターを連れて説得していたが犯人は聞き入れない。ソニックは
(・・・こいつらクスリやってんだぞ。素直に聞き入れる訳ねーだろ?)
と思いながら、近くにいたファッションモールの店員に事情を聞く。どうやら犯人は人質を取って立て籠もっていると言う。ソニックは店員に
「今逃げられる奴は逃げろ。出来ねーのは隠れてるか地面に伏せてろ。俺が何とかすっからよ。それと、ここにあるハンガー何個か貰ってくぞ。後で弁償すっからよ。」
と木製のハンガーを10組借りた。ソニックは耳を澄ます。撃鉄の音で犯人の位置が解るソニックは、28人の犯人の存在を確認。さっき倒した1人を入れてほぼ過半数である。目検で確認出来る犯人にソニックは借りたハンガーをブーメランの様に次々と投げていった。ソニックの投げたハンガーは横や上に大きく旋回し、10人の犯人達の背後からそれぞれ後頭部に命中したハンガーで倒れていった。。転がった拳銃を回収する警官隊が
「何者だ!」
と拡声器を使い叫ぶと
「Sonic Los Angelesだよ!俺の家族サービスの邪魔してんじゃねー!」
と怒鳴り散らす。人質を取った犯人の1人が現れて
「おい!こいつの命がどーなってもい・・・
と話している間にソニックはその犯人の頭上にあった照明を警棒を投げて落とし、仕留めた。その間に人質の救出をする警官隊。更に拳銃で発砲しながら逃げようとする他の犯人達だが、ソニックが買い物客目がけてばら撒いた直径5cmの板に弾丸が全てひっつき、他の犯人達は取り押さえられた。だが、残り6人の犯人がソニックのいる5階の天井から発砲してきた。ソニックは交わしながら側にいた者達にポケットから取り出した直径5cmの板を渡し、その6人の相手をする。ソニックは犯人に告げる。
「おい!オメーら!俺がやってんのはケンカなんてちゃちなモンじゃねー。殺し合いだ!もし俺を殺せなかったらオメーら全員確実に死ぬぞ!」
と脅すと、6人は焦りながら拳銃で発砲してきた。交わしながらソニックは対面の2人を互いの流れ弾で自滅させ、側にいた1人を警棒で容赦なく殴打。一階中央に通じるスペースに叩き落とす。更にもう一人を頭上のシャンデリアを「Jet」で千切り、落下させる。残った3人の内1人は警察に逮捕されたが、逃げようとした1人を自転車屋のタイヤに「Jet」を乗せ投げつけ、両脚を切断させた。最後の一人をソニックが捕まえ、警棒で殴打しながら5階から1階に通じるスペースに落とそうとする。犯人が
「た、助けてくれー!」
と命乞いするが、ソニックの怒りは止まらない。周囲の買い物客を見渡し
「おい!こいつらが止めろって言ってオメーら止めたか?助けてって泣いてる奴に対してオメーら助けたんか?!言い訳なら地獄で聞いてやんよ。俺も天国行けねー人生送ってっからな!」
とその犯人と一緒に5階から1階に通じるスペースに一緒に落ちた。2人はそのスペースにあったキッズエリアへ落ち怪我はなかったが、マウントを取ったソニックは容赦なくその犯人を今度は素手で殴打した。止めに犯人の顔面に「Burst」で焼き殺そうとしたところを警官達に止められ、事件は収束した。そして
「おい!俺にカメラ向ける奴らとドラッグやってる奴らは問答無用でブッ殺すからよ!」
と言い放つソニック。
いつもの何気なく過ぎていった筈の休日を、この昼下がりの破壊者達に台無しにされたソニックは、側にいた警官達に
「おい!オメーら!また俺の前で職務怠慢決め込むつもりか?あれから20年以上経ってんのに全く変わってねーなオメーら!」
と怒鳴り付け去って行った。固まる買い物客と店員。下を向きながらも職務を全うする警官隊達。そして、ソニックを敵に回したらどうなるか恐怖した犯人達。休日の昼下がりに久々に「Sonic」を目の当たりにしたLAの住民達は
「やっぱ世界一敵に回したくねー奴だ・・・」
と語っていた。
因みにソニックが買い物客を守るために投げたり渡したりした直径5cmの板は、ソニックの仲間であるGTと、ソニックの義兄ジャムが共同開発した特殊な電磁石である。まだ試作品だが、表は弾丸を強力な磁場で吸い寄せ、裏は同じく強力な磁場で跳ね返す物で、電力操作により磁場の強弱を返還し、銃火器を無力化出来る優れものである。Watts Towersのロッキー、ディアブロ、ゼロヨンとベックやNYのジャンボ・マックスも開発に加わっており、認可が下りたら全米の女性や子供達の防犯グッズとして売りに出そうとしていた。今回ソニックはこの試作品のおかげで被害を最小限に食い止めた。
一旦桜達を車で家まで送り、戻ってきた菜月が
「あれ?もう終わったの?」
と見かけたソニックに尋ねると、
「ああ。もう大丈夫だ。今日は菜っちゃんいてくれて良かったよ。皆逃がしてくれて有り難うな。」
と涼しい表情で語る。だが菜月は
「見たかったなあ。兄ちゃんの戦ってるとこ。」
と残念がっていたが、ソニックは
「こーいうのは真似しなくていいの。兄ちゃんまた桜ねーちゃん達に怒られちゃうよ。菜っちゃんは嫁入り前なんだからよ。」
と菜月を嗜めた。
ソニックは帰り際に
(この国のジャンキー達まだいるんだろーなあ。昔のエデンの時と未だ変わらねー世の中だなあ。その内またこの街で暴動起きるような気がする・・・)
と不安になっていた。
家に帰ると、桜や子供達が何やら距離を置く。
(やべーな。また怖がらせたか?)
と思っていると、子供達は一斉にソニックに抱きつき、大声で泣いた。皆心配していたのである。家長の史郎が亡くなったばかり。ソニックもいなくなったらどうしようと不安になっていたのだ。桜は
「皆あの時の菜っちゃんと変わらないんだよ。本当に心配したんだから!」
とソニックを叱る。菜月は
「大丈夫だよ。お姉ちゃんが皆守ってあげるからね。」
とフォローした。菜月には子供達の気持ちが痛いほど解っていた。9・11の際、ソニックが何ヶ月も家に帰って来れなかった事を思い出していた。だからこそ菜月は自ら強くなろうと決心したのだ。
だが、この事件はこれから始まるソニックの決戦の前触れでもあった。ソニック達Watts Towersは、これから世界中を揺るがす大事件の当事者として世界中に歴史を刻むことになる。
今回の話はあくまで前触れです。
次回の三部作でソニック達Watts towersは遂に本来の目的だった決着をつける事になります。




