第45話 ミサイルを撃つ豚と赤面する豚
ようやく平和を取り戻したソニックに更なる敵が現れます。
『臨時ニュースです。PM16時15分、西方から飛んできた謎の飛翔体がカリフォルニア沖300km付近で突如2つに割れ、太平洋上に落下しました。』
2010年代中期から、ソニックや菜月の祖国である日本では、このようなニュースが頻繁に報道されていた。
【北朝鮮の核ミサイル発射】
の報道である。日本海沖はそのミサイルの残骸が次々と落とされ、漁師達は魚を捕れなくなり、時には日本列島を通過し太平洋に落ちるという事件が繰り返されていた。この報道は菜月が日本から帰国した後からアメリカでも報道されていた。このアメリカのプレジデントは、そんなミサイルの国のリーダーを「Locketman」と挑発する。ソニックは
「ったくガキのケンカかよ。この国もこんな奴に投票するなんて地に落ちたな。」
と呆れている。ソニックがこのアメリカに来てからもう20年になるが、歴代の大統領達はソニックに対してリスペクトを持っていた。第2次ロス暴動の時は名前を与えられ、9・11の時は互いに信頼しやるべき事をやり、前任者はハワイやアラスカまでの渡航を許可してくれた。だが今回は会った事すら無く、むしろソニックを軽蔑していた。理由はソニックが移民だからである。このニュースを観ながらソニックの子供達がある質問をする。
「お父さん。このミサイルの国の人達ってご飯食べられない人多いんでしょ?でもなんでこの人太っているの?」
子供達は学校の授業でハンガーマップの勉強をしていた。隣の日本や韓国はきちんと食べられているのに不思議でしょうがなかったのだ。ソニックは
「食いもん独り占めしてる悪い奴らさ。この国は他所の国の人を誘拐してるって話もある。そーいう大人にはなるんじゃねーぞ。」
と子供達に説明する。ソニックは、日本からはるばるやってきた老夫婦の演説を聞いたことがある。その老夫婦はその国に子供を誘拐され、未だに返してもらえないと泣きながら話していた。ソニックやWatts Towersと仲間達、LAの住民達にも響いており、
「俺達に何が出来るのか。」
と皆考えていたが、現在のプレジデントは自分の利益しか考えない。まさに北の豚野郎と同じ穴の狢である。ソニック達Watts Towersは、
「あの国制圧するとしたら何日で出来ると思う?」
「2週間もありゃ十分だろ。」
「いや、10日で釣りくるな。」
「でも人質取られた状態だからな。」
と話してはいるが、彼らはFBIに未だに監視されている。実現には至っていないのである。そんな時、アメリカ西部で事件が起こる。
それは、ソニック達Watts TowersがLAのロス・アンゼルス港でのライブ中の出来事だった。ソニックの住むトーランスから程近いこの港の西側から、殺気を帯びた不気味な気配の飛行物体が目視出来た。明らかに見慣れているジャンボ旅客機や米軍の戦闘機ではない。第一羽根が付いてない。ゼブラやタンクが
「おい!またテロかよ!」
「まさかこのLAのビル群に突っ込む気じゃねーだろーな?」
と騒ぎ出す。オーディエンスも
「おい!マジでこっち飛んで来んぞ!」
と一時パニックになるが、ソニックは
「まあ、落ち着けよ。オメーら、全員耳塞いでろ。特大のお見舞いすっからよ。」
と2本の警棒を出し、ジョイントさせてその飛行物体目がけて強烈で目にも止まらない巨大な「Jet」を炸裂させる。すると、その飛行物体は消えていった。そして
「終わったぞ。続きやろーぜ!」
と言ってライブを再開した。
後片付けを終え、家の近くなので歩いて帰るソニックと史郎。帰り道に電機店のモニターにニュースが流れていた。
『本日PM16時15分、西方から飛んできた謎の飛翔体がカリフォルニア沖300km付近で突如2つに割れ、太平洋上に落下しました。ただ今アメリカ軍により調査中です』
ソニックは
(もしかしてさっきのアレか?)
と思いながら史郎と帰路に着く。
家に帰ると桜と緑が
「ニュース観た?あれってこっちに飛んできたらしいよ。」
と話す。史郎が
「あれならさっきこいつが真っ二つにしたよ。」
と軽く話す。今晩トーランスに帰省していた菜月が
「ええ!あれって兄ちゃんが壊したの?」
とびっくりする。するとソニックは
「菜っちゃんがアメリカ来る時に葵ねーちゃん言ってたろ。兄ちゃんミサイル撃たれたって死なねーよ。心配しなくても皆は俺が守るよ。」
と話す。子供達は目を丸くし、しばらくソニックをきょとんと見ている。桜が
「これがパパの力なのよ。でも大丈夫。皆を守るために使うから安心してね。」
と説明する。目の前ではなかったが、子供達にとって初めて見る「Sonic」だった。
後日、その飛行物体が北朝鮮から放たれたミサイルであることが判明する。そのミサイルはあの時「Sonic」によって縦に開きになって太平洋に落ちていたという。ソニックは自ら言わないが、結果的にソニックはこのLAをミサイルから守った事になった。葵が電話で
「あれ、あんたがやったんでしょ。あたし達には解ってるからね。」
と言われたが、ソニックは
「姐さんが菜っちゃんにミサイル撃たれても死なねーっつーから実演したまでよ。マジでミサイルだとは思わなかったけどな。」
と笑って返した。だがソニックは内心怒っていた。
(あんの豚野郎!この街まで標的にしやがったのか!)
と。以来欧米諸国や日本、韓国等は北朝鮮に経済制裁を加えた。それでも未だに北朝鮮は懲りずに日本に向かってミサイルを発射しているという。日本にいる塚原社長や他のミュージシャン、手島達「Try Flyers」は
「もう日常茶飯事だよ。すっかり慣れたわ。」
と呆れている様子。それからしばらく経ったある日、その北朝鮮の一族が東南アジアで何者かに襲われて殺害されたというニュースが入った。後日テレビで観てみると、手口はまるで「ガキの悪戯」とも取れるようなやり方だった。それはまるでついこないだソニックの末の息子がソニックに対し後ろから目隠しをしてふざけていたのと同じ光景のようにも思えた。
(こんなんで人殺せんのか・・・あのミサイル撃った豚野郎は何処までガキなんだ?)
と呆れかえっていた。
話は変わり、このLAより南にあるメキシコ国境では、不法移民やアメリカへの密輸、密入国を防ぐために国境の壁の建設が行われていた。そんな中、ソニックは現プレジデントに初めて出くわす。サンティエゴでライブ中のソニックに難癖をつけてきたのだ。
「おい、こんな所で何やってる?」
と偉そうな態度にソニックは
「見ての通りライブだよ。」
と返すが、プレジデントはオーディエンス達を見て
「こいつら移民じゃないのか?」
と喧嘩腰に言い放つ。オーディエンス達は
「ふざけんな!この街の住民だぞ!」
とぶち切れるが
「お前らスペイン語話してるじゃないか!」
と完全に差別するような発言にソニック達Watts Towersが次々とキレだした。
「テメーも移民の子孫だろ!」
「この国はオメーの私物じゃねーだろが!」
「こんな壁速攻でぶっ壊すことも出来んぞ!」
「大体オメーは先住民の村で頭下げて通ってんのか?俺らはやってんぞ!彼らに住まわせてもらってんだからな!」
「テメーはKKKの回しモンか?ショッカーのボスなら今すぐ退治してやろーか?」
この光景はまるで20年前にソニック達Watts Towersが暴動を起こした時と似たような感覚だった。しかも今回は公衆の面前で誰しもが始めからソニック達Watts Towersに味方した。一国の主ともあろう者が民衆を非難したからだ。近くで国境の壁を建設した者達も手を休め
「あのよー!俺らもこんな下らねー仕事やってらんねーんすけど!」
と作業を放棄しソニック達Watts Towersに味方した。
「おい!次の選挙はぜってーオメーに投票しねーからな!」
と有権者までも敵に回したプレジデントは赤面し、すごすごと帰って行った。この出来事は後々世界中を揺るがす大事件へと繋がっていくのである。
この辺りから、ソニック、若草家、Watts Towers同時に不幸なことが起こる。
ソニックが久しぶりに「Sonic」を音楽に乗せずに放ってしまいます。
ここからソニックは本格的に腐った世の中に対する戦いに身を投じていきます。




