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第11話 RELIVE➁ 襲名「Sonic Los Angeles」

ソニックが超能力の力を使わずに世の中と戦う話の後編となります。

 1週間後、ソニック達Watts Towersはルディとニールに連れられ法廷へ向かう。胡散臭い大人達。そこで裁判官に1人ずつ尋問を受ける。ニールも入れて54名。裁判官や警察は、白人の自分達の正当性を主張するような誘導尋問で、ソニック達Watts Towersに罪を擦り付けようとした。ルディや傷ついて歩けない筈のニールが俺達の間に入って説得してくれたが、ことごとく却下される。まるでマウントを取るかのような大人達。俺達が正義だ!神だ!権力者だ!と言わんばかりの素振り口ぶり。


(日本にいた時とまんま変わらねー!俺をはめた時や菜っちゃんのテディベアをバラバラにした時と同じじゃねーか!)


とソニックは思う。


何でもかんでも言い訳をし、煙に巻くこの大人達にソニックが遂にぶち切れた。


「俺らはレイプされそうになった女の子達を助けただけだ。それの何処が悪なんだ?」


「大勢の男達に襲われて傷ついた女の子達より、白人ってだけで犯罪許されてる連中がそんなに可愛いのか?」


「大体あいつらはジャンキーだぞ!何で取り締まらねーんだ?」


「俺達が殴った警官や兵隊もほとんど黒人か褐色の奴らだったよな?オメーら白人はその汚ねー椅子にふんぞり返ってるだけかよ?」


「挙げ句の果てにオメ-ら味方まで撃ったよな?俺の仲間が確認したが、その警官はあんときの犯人と一緒に撃ったそーじゃねーか!」


「こいつらだってそうだ!人種とか肌の色で区別して、学校に行かせなかったそーじゃねーか!こいつらはどーやって生きていけばいいのかわからねーんだ!金稼いで生きるって術すらわかってなかったんだぞ?それじゃ俺達はどーやって生きればいいんだ?そりゃ人から物奪うことしかわからねーだろ?働くって発想がねーんだからな!悪いのは権力を傘にこいつら迫害してるテメーらじゃねーか!」


「親や大人達だってそーだ!俺達ガキ共をテメーの都合でおもちゃにしやがる!俺達はそんなおもちゃにされるために生まれてきたっていうのか?」


「俺達の中には戦争行って身体の一部もがれた奴だっている。お前ら権力者のためにな!」


「狂ってるのは俺達じゃねー!オメーらだ!こいつらも、あの時の娘達も、社会的弱者の奴らは、お前らにとっちゃ皆犯罪者なのか?」


「それに、女の子達襲った奴らは逮捕したのか?ここ来るときに何人も見かけたぞ!馬鹿面下げてヘラヘラ笑いやがって!ここの警察はアクビでもしてんのか?」


「あいつら全員白人だから見逃したっていうのか?白人至上主義もここまで来りゃただのアホだな!」 


「オメーら全員アメリカ人じゃねーのか?俺がこの国に来た時、そーとしか思ってなかったぞ!」


このソニックの猛講義に、白人の裁判官達は赤面し、まるでガキのように逆ギレしようとしていた。


「この黄色い肌のクソガキが!」


という表情が簡単に見て取れた。その裁判官がこれからソニック達に反論しようとしていたその時、大勢の騒ぐ音が裁判所の周囲から聞こえてきた。裁判所の周囲には、プラカードや旗を持った大勢の民衆がぐるりと取り囲んでいた。あの時いたギャラリー達と、勇気を持ってここに来たあの時の女の子達とその家族だった。


「あたし達が証人です!彼らは悪くない!」


「犯人の顔なら知ってるぞ!ダウンタウンにたむろしてるギャングだ!」


「あんたら警察はまたこの街で暴動おこすつもりなのか?!」


「職権乱用もいい加減ににしろよ!」


「いちいち人種や肌の色で犯罪者を区別するな!」


「白人だったら何でも許されるのか?差別も大概にしろ!」


「お前ら全員許さないからな!」


「3年前、うちの子供達もお前らに殺された・・・ただ道を歩いてただけなのにな!」


「俺の友達も無実の罪を着せられて刑務所に収監されている・・・あいつ毎日泣いてるぞ!」


「俺の親もだ!家族の幸せを返せ!」


どんどん暴かれる司法と警察の不祥事。遅れてここに数名の別の人物達が姿を現す。合衆国最高裁判所の一団だった。この第2次ロス暴動の知らせを受け、ルディが呼び寄せていた。彼らが裁判官達に命令する。


「この一連の騒動は我々が引き継ぐ。直ちに席を譲りなさい。」と話す。


その最高裁判所の主導の下、裁判は仕切り直された。彼らは先程までいた裁判官達とは違い、ソニックやWatts Towersの話を真摯に受け止め、更に裁判所を囲んだ人々の話もきちんと聞いた。そして、判決が下り次第報告する、と場を締めた。


何か釈然としないソニック


(何で裁判官が別の裁判官に黙らされてるんだ?この国は、この社会はどうなってるんだ?それに、自分達と同じ思いの人達がこんなにいたなんて・・・ただのギャラリーだと思ってたけど、彼らも俺達と同じように圧政に虐げられていたのか)


ともやもやしていた。


 時を経て、ソニック達Watts Towersの判決が下った。結果は勝訴だった。警察や裁判官は裏で何やら危ない連中と繋がり、何かをやっていたらしいとドクターが説明した。ソニック達Watts Towersがこの腐った社会に風穴を開けた。


 この騒動後、ワッツ・タワーに物々しいSPをぞろぞろと引き連れた男達がこの街に現れた。アメリカ合衆国大統領、カリフォルニア州知事、そしてロス・アンゼルス市長が揃ってやってきた。傍らにはルディやニールもいた。彼らは話す。


「すまなかった。私達が君達の問題解決に尽力する。何か出来ることがあればいってくれ。」


ソニックはWatts Towersと相談しながら彼らに話す。


「まず、俺の仲間達に教育を受ける権利が欲しい。きちんと人として男として大切なことを学びたい。」


「それと、こいつらの罪を何とかして欲しい。俺もこいつらも大切な事を誰からも教わらず、問答無用でいろんな大人達に迫害されてきて、どーしたら生きていけるかわからずにやってた事なんだ。その点は理解して欲しい。」


続けて


「俺は名前が欲しい。みんなからはソニックって呼ばれるけど、名字が欲しい。日本の名前じゃ人殺しの名前になっちゃうんです。」


ソニックは彼らに自分が何でこの国に来たのか丁寧に説明した。そして市長から


「それならLos Angelesの名前を付けたらいい。その代わり、Los Angelesの名前を付ける以上、もう半端なことは絶対に許されない、このLos Angelesの象徴になるような生き方をしなさい。」


そして、その名を使用する条件としてソニックは、


「これから君達にはFBIの監視を受けてもらう。普通に生活していれば問題ないが、再び暴徒と化したときには厳重に処罰する。」


という事と、ソニックには日本での前科がある為


「日本への帰国、渡航、滞在期間は10日。日付変更線を越え、日本領域内に入った時点でカウントする。日本への帰国の際は、アメリカの各機関及び国際機関と手続きを取り、各機関から選抜された総勢10名と行動を共にし、指示に従う事。それに反し、時間を越えれば禁固刑とする。」


つまり、ソニックはよっぽどの事以外では日本への帰国は許されないという事。そしてソニックは日本での音楽活動はCD等のセールスしか認められない、日本でのライブ活動等2度と出来ない事を意味していた。それでもソニックは満足だった。アメリカで出会った大切な仲間とずっと一緒にいられるからである。そしてソニックは、ニールとFBIからある物を贈呈される。伸縮式の警棒である。この街では法に触れる為持ってはいけない物だが、その意味は、


「君は拳銃も刃物もこの街やこの国で絶対に持ってはならない。もし自分や仲間がピンチに晒された時、この2本の棒を使って皆を守るために使うこと。」


と言い渡された。


 こうしてソニックは「名無し」から「カタメ」、「カタメ」から「Sonic」、そしてこの日から「Sonic Los Angeles」と名を改め、この先生きていくことになる。


 その後何年かすると、ソニックやWatts Towersは全員UCLA で学ぶ事になる。鉄治とイミダス、ドクター、エディ、ボス、ゴブ等大学を出た者が中心となり、彼らは必死に勉強した。ノートがないので地面や壁に捨てられたマジックやスプレーで書いて覚えた。その地面に書いたもの、それは世間から見たら汚い落書きに見えるが、彼らWatts Towersや、その町に今住む者やこれから移り住む者にとっては貴重な知識を得る為の大切な教科書となっていくのである。そこでも相変わらず差別を受けていたが、ソニック達Watts Towersには全く動じなかった。


「俺達には目標がある。親のすねかじってるお前らとは背負っている物が違うんだ!」


という覚悟を持って勉強していたため、相手にしなかったのである。彼らは大きく成長したのだ。そしてそこで得た知識や教養は、ソニック達Watts Towersが作り出す音楽活動に多大な影響を及ぼし、成功の糧になっていったのである。


前科を持ったソニックが改名し、移住することは本来ないと思いますが、割愛させていただきます。

また、ソニックのビザ更新についても今後省かせていただきます。LAでは長い棒を所持する事は禁止されている為、ニールやFBI 等他の機関から贈呈された特例になります。

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