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107 愛してるゲーム

「「愛してるゲーム!」」


愛してる……ゲーム……?


「何それ……」

「えっとね、今、流行っているってつむぎちゃんが」


津城さんんんんんんん!?

何を吹き込んでいるんですか!?


「つむぎちゃんって生徒会の?」

「そうだよ、風華ちゃん」

「あの小動物みたいな子ね。理解した」

「美華〜、小動物なのはわかるけど直接言わないであげてね〜」


ま、それはね。


「話は戻るけど、その愛してるゲームのルールって……」

「えっと、隣の人に愛しているって言って、笑ったり照れたりしたら負けだって」


え、ウソ……。

つまり。


飛華に堂々と愛してるって言えるってこと!?


そういうことだよね!?

だけど、愛してるっていうだけ、だったらかなりヌルい気が……。


「とりあえずやってみよ〜」


陽華の一言で私達は円になる。とりあえず年齢順で並んである。

だから私の右には陽華、左には夢華がいる。……発案者が両隣にいるっていうのもなかなか不利な気がするんだけど。


「愛してる」

「愛してるよ」

「きゃあ〜! 風華からそんなセリフが聞けるなんて〜」


あ、美華テレた。


「美華ちゃん、脱落」

「稜華、愛してる」

「うん。愛してる」

「飛華ちゃん、めちゃくちゃ愛してる」


え?


「それってあり!?」

「それって?」

「その……愛してるの前に他のセリフをつけるのは……」

「ありだよ〜。ちなみにこんなのもあり〜」


こんなの?

すると、陽華は夢華と鼻がくっつきそうなぐらい近づいて。


「……大好き。愛してる」


え、これ破壊力ヤバない?

聞いている方も胸焼けがしそうなんですけど。


「こんなのもあり〜」


マジすか。

このゲーム、ナメない方がいいかもしれない。かなり、かなぁ〜りヤバい。飛華とかがやり始めたらものすごいことになる気がする。主に破壊力が。


「つまり、『愛してる』と似たニュアンスならオッケー、身体接触もあり、っていうこと?」

「だいたいそんな感じだよ」


……ヤバい。このゲーム、やばい。

津城さん、なんていうゲームを布教したの!?


「じゃあ、仕切り直して始めよう〜」


ポーカーフェイス、ポーカーフェイス……。


「……風華、世界一愛してる」


うぅ……心臓へのダメージがデカい……。飛華からのそのセリフは私に向けて欲しかった……。


「美華、誰よりも愛してるっ!」

「……ほんと?」

「ホントだよ。美華も知っているでしょ?」

「……そうだね。だけど、信じられないなぁ」


砂糖吐きそう……。


「じゃあ、どうしたら信じてもらえる?」

「自分で考えて。私が望む風華を」


なんか、双子だけの世界ができてる……しかもめちゃくちゃ甘いピンクの世界。

しばらく考え込んだ風華は何かを考えついたように、人の悪い笑みを浮かべた。






「はい、風華ちゃん、失格〜」

「え!? なんで!?」

「笑ったじゃん」


あ。

人の悪い笑みを、浮かべてた、から……。


「あ! やっちゃった……。ね、せめて今考えたセリフだけでもやらせて!」

「だめ〜。再戦もやるからその時にしてね〜」


というわけで、風華は脱落。

5人に絞られた。


「……陽華」

「何〜?」


神妙な顔で陽華に向き直った美華。陽華の手を取ると、ゆっくりとその手を包み込んだ。


「今夜は月が綺麗ですね」

「あ、そうだね〜」

「ですが、貴女の方が美しい」


……プロポーズかっ!


「ありがと〜」


そして受け流すんかい!


「稜華〜」


は〜い!


「私、ダンジョン攻略でゲットした高級素材あげる〜」

「ホント!?」


いいの!?

嬉しいですっ!


「ありがと!」


ラッキ〜。こんなことがあるなんて。ホント、今日はツいて……。


「稜華、失格〜」

「笑ったね、今」

「そうだね、美華。稜華、可哀想に。素材で釣られて笑ってしまうなんて」


ああああぁぁぁぁぁ……。

やっちゃった……風華に続いて笑って脱落だなんて……。


「稜華」

「何……」


私は今、悲しいです。


「ドンマイ!」

「……風華も」


まぁ、1番最初に脱落したのは風華なんで? 風華には勝ったと言っていいでしょう、うん。


「じゃあ、再開するよ? ……飛華ちゃん」

「ん〜?」

「大好きっ!」


夢華は勢いよく飛華に抱きついた。

ヤバい、可愛い×可愛い=尊いだ……。


「わっ……」


予想していないタイミングだったので飛華を下敷に倒れる。


「飛華ちゃん……。あれ? えっと、この後なんて言うんだっけ……」


は!?

なんでこうなった!?


「えっと、えっと……」

「夢華、脱落」


そっと飛華が夢華の口元に指を近づけると、夢華はカァっと赤くなった。


「夢華、脱落〜」


うん、夢華にしかできないような可愛さを最大限に引き出していました。……最後のセリフド忘れがなければ、ね。


「飛華ちゃん、破壊力高すぎだよぉ……」


それな。


「「夢華、ドンマイ」」

「もうちょっとだったのに……」


ガン無視ですか、そうですか……。私達のような敗者には目が向かないと。かなし。


「じゃあ、続けるよ?」


残っているのは飛華、美華、陽華。次は飛華の番だ。


「美華、愛してる風華のどんなところが好き?」

「え? 決まってるでしょ? まず、可愛くてカッコいい。見てよ、このショトカ! めっちゃカッコよくない!? 流石私の風華!」

「そ、そうだね」


飛華、引かないであげて……。


「次に優しい。いつも憎まれ口とか叩いているけど、根はめっちゃ優しくて心配性でッ!」


あ〜、はい。もう聞き流しますね。


「いつも一緒にいるのっ! 私の半身だよ!?」


まぁ、間違ってはいないよね。双子だし。


「風華がいなかったら私……私っ!」


私、何を聞いているんだろう……。


「風華、愛してるっ!」

「はい、美華、アウト」


愛してるってめっちゃ満面の笑みで言いましたもんね。

飛華の策略にみんな引っ掛かっていくっていう……。


「風華〜!風華のことをもっと語りたかっただけなのに……!」

「じゃあ、後で聞かせてくれる?」

「うんっ!もちろんだよっ!」


わぁ……風華、ガンバ……。風華にとったら嬉しいのかもしれませんけど。


「ついに一騎打ちだね、陽華」

「そうだね〜。負けないから〜」


のほほんと言われても説得力が……だけどその天然的な感じで飛華をまでを打ち破ってしまうのか……?


「私の番だね〜。じゃあ、いくよ〜」

「いいよ」


陽華は10秒ほど目を閉じた後、ゆっくりと目を開く。


「飛華、私、終業式の日に麗羅先輩と話してね〜」

「どうしたの?」

「……話した〜」


う、うん。そうなの?


「ほ、ホントだよ〜? 麗羅先輩と話して〜」


というか、今思った。

愛してるの『あ』の字もないって。いや、『あ』の字ぐらいはあるけど、『い』ぐらいから怪しくなっているよね……。


「そうなんだ。……で、陽華は、私のことは見てくれないの?」


ちょっと上目遣いで陽華を見る飛華。

……やっぱ飛華の破壊力はヤバいね。


「え? そ、それは〜」

「陽華は、私のこと、好き?」

「も、もちろん! 好きだよ〜」

「どれくらい?」

「えっと……これくらい?」


かなり大きく身振りをした陽華。焦っていますね〜。


「……それだけ?」


そのセリフはずるいぃ……。


「それだけなの? 陽華の気持ちは」

「ち、違うよ〜」

「じゃあ、どれくらい?」

「……えっと……無限大〜?」

「……嘘っぽい」


飛華、自分で聞いといてそんなこと言うなんて、魔性ですね……。


「じゃあ、どう答えればいいの〜?」

「……美華も言っていたよ? 自分で考えてって」

「だけど私、双子達よりは……」

「愛が軽いの?」


すごい畳みかけ……。


「そんなわけじゃ〜」

「じゃあ、私のこと、嫌い? ……私の目を見ていって」


じっと陽華の目を見つめ続ける飛華。……アツい。


「あ……あい、してる……」

「照れたね。私の勝ち」


勝者、飛華。

恐ろしい攻撃力でした……。


「飛華、強すぎだよ〜!」

「フフッ、ありがと」


その余裕の笑みを分けてほしいッ……!


「というか、みんな全然愛してるって言わなくなかった!?」


それな。

愛してるゲームの由来はどこにいった!? って感じ。しかも言わなくってもゲームが続いて行くからかなりユルイ、よね。……勝敗は勝気の強い人が多いから厳しいけど。


「じゃあ、リベンジ戦、やるよ」

途中から笑ってはいけないゲームになっている件について。

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