表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/150

103 海の中

鼓膜に響く、けたたましい音。

薄く目を開けば、暗い世界が映る。

……なんで、めざまし……というか、ここは……。


「おはよ」

「ん……おは、よ……」


そしておやすみ……。


「いや、寝ないで!?」


そう言われましても〜。


「ほら、稜華ちゃん、早く起きて! 出発する前にある程度目を覚さないと!」


出発……?

今日は何も用事が……あるっけ?


「ここ、ダンジョンだから〜。というか、なんで私たち、ダンジョンの中で呑気に寝ているの〜」


最初に寝たのは双子で、その次が陽華と夢華でしょ。

というか、みんな鳥さん食べた後寝ちゃったから、あの鳥に睡眠作用でも入っていたのかなぁ……。ただ、食べて眠くなっただけかもしれないけど。


「……じゃあ、10分後、先に進むよ?」


りょーかい!

10分。普通に考えれば長い時間。だけど、今ばかりは短い。だって、寝起きだから。目を覚まして、すぐに魔法を発動できるようにしなければならない。

大きく伸びをした後、体を動かす。

かなりの運動量だったからか、既に筋肉痛になりかけている。だけど、筋肉痛は、まぁ……しょうがないよね? 魔法で治しちゃ意味がないし。


「それじゃあ、行くわよ〜」


おおー!

そうして、気合を入れたのはいいものも。21階層からはなぜか水深が深くなり。海に潜ることとなった。

陽華が球体の盾で私達を囲ってくれて呼吸もできる。だけど。


「え、ウソ……」


なんでこんな天敵がいるの!?

あたりはにいるのは魚の大群。


「なんで……」


こんなダンジョンの中に魚がいるなんて、聞いてないよっ!! なんで地下なのに海水が! 

おかしい!おかしいよね!?

結構内陸のくせに、地下ダンジョンは海へ繋がっているわけ!?

ホント、信じられない! いや、信じたくなんてないんだけど!


「わぁ、稜華ちゃん、ご立腹……」


悪かったですね。


「じゃあ、サクサク攻略しちゃう〜?」


そうしましょう。

こんな魚の中にいるなんて嫌です。断固拒否!


「美華、さっきみたいに強行突破するの?」

「私は別にそれでもいいよ、風華。だけど、私、魚も食べたいんだよね」


知るかっ!

私は放浪時代に痛い目に遭ってるんですよ、魚で!


「まぁ、魚は高級だしね。私的にはなんで稜華がそんなに魚嫌いなのかが知りたい……」

「聞く? 聞きます?」

「キレ気味に言わない」


ホント、辛かったんです。


「私、小さい時、他の国に行ってたじゃん? その時、たまたま魚を食べる機会があったの」


臨海部に町があったから1番ネックな輸送な問題もクリアしていた。


「で、初めての魚に心躍らせていたわけ」


誰もこんなことになるとは思わなかったと思う。


「食べた時は良かったよ。あんまり美味しくなかったけど。だけど、その翌日!」


なんと!


「食中毒になって三日三晩、苦しんだの!」


ホント、この気持ちを誰か察して!


「だから魚は天敵!」


むしろ、これ以外にどういうんだ? っていうぐらいです。


「あ、そう……」


いや、ほんと辛かったんだからね!?


「じゃあ、私達はお魚食べるから、稜華ちゃんはさっきの鳥でも食べていればいいんじゃない?」


夢華ぁ……。

私だけ仲間はずれみたいに言わないで……。これはこれで悲しい……。


「ねぇ、強行突破しない!?」

「稜華がそんなことを言うなんてね〜」


早くこの魚地獄から脱出したいんです!


「じゃあ、行くよ!」


はい!


「強化魔法!」

「補助!」


今度はタイミングバッチリだね。

私も自分に情報強化をかけ、先を走る姉妹を追いかける。

ものすごいスピードで21階層を抜けると、そのままの勢いで25階層まで突っ走った。


「……で、こいつは何?」


冷ややかな声が出てしまったのもしょうがないだろう。

やっと抜けられた〜って思っていたのに。なのに。


「なんなの、これ!?」

「ボス級の魔物でしょ、どう考えても」


あ。

……。

………。


「情報ばく……」

「稜華、ストップ!!」

「飛華、なんで止めるの!?」


これは私の敵だ!

滅さずにどうするというの!?




「美味しそうなお魚じゃない!」


……知らねええええええぇぇぇぇ!!!!!

この()()()()で跳ねている魚のどこが美味しそうなの、ねぇ!?

誰か教えてくれます!? いや、教えてくれなくていいけど!


「と言うわけで、稜華は見てて! そうだよね、美華」

「そうだよ風華。稜華は見学でお願いっ!」


……いやいや。


「普通に、さっきの鳥さんより強いんじゃない?」


だってここ、25階層だよね?

さっきの鳥さんより、絶対強いよね?


「……稜華、お魚、消滅させないって約束できる?」

「……飛華がそう言うなら」

「じゃあ、お願いね。……お魚を消滅させたら、私、怒るから」

「分かった。……作戦はさっきの通りに?」


飛華が怒るなら……仕方ない。魚は諦めよう。


「じゃあ、お魚大作戦、行くよ〜」

「「「「おおー!!」」」」

「……はぁ〜い」


流石に協力しないという選択肢はないです。私達は運命共同体なので。


「二重結界!」

「情報付与」


さぁ、後は叩きのめす時間だぞ?


「稜華、貴女は攻撃するんだったらBランク魔法までね!」


……了解〜。


「焼き魚!」


いや飛華さん、そんな魔法、ないですって。


「ホント、いい感じに焼くのは難しいのよ」


知るかって!

もういいです。陸を跳ねる魚はもう見たくないです。


「情報停止」


魚はピタリと止まり、落ちる。

その寸前、陽華が結界を作ったらしく、地面に叩きつけられることはなかった。

うん、衛生的。


「それじゃあ、素材を……」


ハッ! そうだ! 素材!!

そう!鳥であれ、魚であれ、素材が出る!

ただ情報分解しちゃったら、素材は出ない……。すっかり忘れてた……。

うん、素材は重要だよね!


「稜華、いつも魚系の魔物とかはすぐ倒しちゃうでしょ? だから貴重だと思うよ」


なるほど。確かに。私、魚系の素材はほぼ持ってないです。

つまり、臨時収入に等しいってわけですよ!


「分かったらさっさと解体しようよ、美華」

「そうだね、風華。解体が終わったら焼き魚パーティーだね」


うええぇぇ……。

鳥ならまだしも、魚を食べるんですか……。


「稜華は食べなくても大丈夫〜。……その分、私の取り分も増えるし〜」


そ、そうですか……。




**




「それじゃあ、次の階層に……」


みんなが魚を食べている間、私は干し肉となった鳥さんをチビチビと食べ。やっとこさ出発だ。


「また次は別の雰囲気になるのかな〜」


そうじゃないの?

だって、あの魚、ボス級でしょ。

次は海鮮じゃないほうが……。


「あ、足がたくさんある」


え?

私がその先を覗くと。


「きゃあ〜!!」


飛華が盛大な悲鳴をあげる。……きっと飛華にとっては嬉しいんだろう。

だって、こんな海鮮、私には食べたくも思えないだろうけど、飛華にとっては嬉しいだろうね。


「なんなの、これ!!」


え?

足がたくさんあるし……イカとタコだよね、多分。


「美華、私、これは食べたくないかな……」

「風華、私もだよ……」


え?


「私もコイツはいらないかな〜」

「私もだよ、陽華ちゃん」


なんで?


「なんで魚は良くてコイツらはダメなの!?」

「逆に稜華は食べたいの?」

「いや、全く」


「よし、強行突破しよう。稜華、消しちゃってもいいよ」

「え、そしたら素材が残んないじゃん」


さっき言ってくれたでしょ?


「え? ボス級だけで良くない?」


あ、確かに。


「じゃあ、また強行突破……」

「え? 飽きない?」


……。

それを言われても……。


「じゃあ何か新しい方法、思いつくの?」


思いつきませんね〜。


「むしろ、全部倒しちゃう?」


いいの?


「飛華、いいの!?」

「もう、めんどくさいし全部倒さない?」

「面白そう! ね、美華」

「そうだね、風華!」

「そろそろダンジョン攻略も終わりだろうし……」


私達、もう30階層前まで来ているし、途中寝たしね。


「じゃあ、レッツゴー!! ……あ、ある程度は防御とかもよろしく!」


飛華……結局自分が魔法をたくさん放ちたいだけでは……。

〜飛華がバンバン魔法を放っています。しばらくお待ちください〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ