47話
「そうだった、ハンスさんに呼ばれているんだったけ」
お風呂から上がった僕はすぐに着替え、ハンスさんが待っている書斎室に向かった。
「すいません、待たせちゃって、話ってなんですか?」
書斎室に入ると、ハンスさん以外にレナードさんとエリアさんもいた。
「おお、拓也殿、待っていたよ。どうじゃった今日のお風呂は、疲れが吹っ飛んだじゃろ」
「は、はい、とてもよかったです」
途中、神様も入ってきたけど
「そうか、わしも後で入ろうかな、お風呂の水は、まだ温かいじゃろ」
「・・・・・・」
すいません。お風呂の水はもうぬるくなっています。
「さって、お風呂に早く入るために、拓也殿を呼んだわけを言おうかの」
「あ、はい、それでなんですか?」
「実はじゃ「実はね」むっ」
ハンスさんがしゃべろうとすると、エリアさんがそれを遮るように話してきた。
「この前アリスがね、拓也君と一緒に王都やいろんなとこにいって旅をしたいって言ってきたのよ」
「アリスがですか、僕は別にいいですけど、仲間ですし、でもアリスは、貴族です。それも公爵家の子が旅をしたいっていったら」
「他の貴族が黙っていない。そうだな拓也君が思っている事は」
レナードさんが変わって話す。
「はい、それに、貴族っていうと、やはり婚約者とか政略的結婚?とかあるんじゃないんですか?アリスは特に可愛い女の子ですし、目をつけている貴族はたくさんいますよね」
「あら、拓也君がうちのアリスのことを可愛いって言ってるわね、あとでアリスに伝えなきゃ」
いや、大事なところはそこじゃないですよ?というか、なぜレナードさんもうっすらと笑っているんですか不気味ですよ?
「うむ、そうじゃのう、確かにアリスに結婚の申し出を送ってくる貴族は多い」
あ、よかった。ハンスさんはしっかりと僕の話を聞いてくれえていたみたい。
「やっぱりですか、そのあたりはどうなんですか?」
「大丈夫じゃ、この家は、自由恋愛じゃからな、アリス自身が、認めた相手と恋愛または結婚していいと言っておる」
「そうなんですか?まぁ、貴族の結婚の申し出が多いと聞いたのできっと、相手もできているんですよね、そうなると、僕と一緒に旅なんて無理じゃないですかね」
そういうと、ハンスさんがにやりっと、不気味な笑みを見せる。いや、ハンスさんだけじゃなく、エリアさんも見せた。レナードさんは、ちょっと微妙だけど、二人と同じように見せているのだろう。
元々、無表情な面だったのでなれてない?とにかく、レナードさんは、不気味な笑みではなく、さわやかな笑顔を見せている。ま、まぁ、レナードさんにしてみたら、確かにこれはこれで不気味なのかもしれない。
「拓也殿、そのことだが、アリスはその申し出すべてを断っているのじゃ、今でも、何通かは来るがやはり断っている」
「えっ!どうしてですか?」
「まぁ、今だったら、第一は好きな人ができたからじゃろうな、第二は、貴族の政略結婚に縛られたくないからじゃろうな」
第一は、好きな人って誰だろうって思うけど、縛られたくないからか・・・
「はー、とりあえず、ハンスさん達が何を言いたいかわかりました」
「そうか」
「はい、でもその前にもう一度、本人に確認を取りますね」
家族と離れるのはさびしいと思うからね。
「そうか、まぁ、結果はわかっているけどのう」
「そうですか、では、失礼します」
僕は、そう言って書斎室を出た。




