40話
「なんだこいつは!!」
誰かが大声を上げた。その声の先は、ロンが倒れている所だった。
「どうしたんですか」
周りの冒険者もなんだなんだ、と集まってきた。
「こいつを見てくれよ」
そういって仰向けになっているロンを壁越しに座らせる。
「誰?こいつ」
「ロン?なのか」
「えー、うそー」
そのロンの顔は、さっきのようなイケメンの顔ではなく、痩せたような顔をしているというかまったくの別人だった。
「こいつが本当の顔だったのか」
「ん、どういうことだ?拓也」
「あっ、ドンさん」
「おう、決闘でお前とロンが条件をつけてやっていたじゃねか、それでこいつを起こそうと思ったら、これだよ。あとドンさんはやめろドンでいい、敬語はいいって他の冒険者にもいってんだが、皆敬語をつかうんだよな、悪気はしないけどそれより、拓也こいつが本当の顔ってのはどういうことだ?」
ドンさ、ドンが、聞いてくる。レベル差もあるのか若干威圧がかかっているような、ほんとは、あんまり自分のスキルは知られたくないけど、
「実は、僕には鑑定スキルがあり相手のステータスを見ることができるんですよ」
「鑑定スキルだと!!」
「ドン、声が大きい。あんまり知られたくないことなんですよ」
「す、すまね、鑑定スキルを使える奴はあんまいなくてレアスキルだっていわれているからよ。つい驚いちまった」
「まぁ、いいです。それで僕がロンに鑑定スキルを使って見たところ気になったスキルがあったんですよ」
「気になったスキル?」
「はい、そのスキルは固有スキルで【理想変化】体の一部を自分が思っているどおりに変えられる、と言うスキルなんです」
「理想変化、なるほどなそういうことか、でもなんで今そのスキルの効果が切れたんだ?」
「たぶんですけど、僕との決闘で魔力を使い果たし、気絶したことにより効果が切れて元の顔に戻ったんだと思います」
「そうか、ともかくだ、お前すげな、さっきの魔法といい鑑定スキルどうだ俺のパーティーに入る気はないか」
俺のパーティーはおもしろいぞと誘ってきた、レベル50でランクA冒険者達のパーティー確かによさそうだけど、
「すいません、うれしい誘いですが断らせてもらいます。僕には」
ちらっとアリスを見る。きょとんとしていて話についていけていないようだ。
ドンも僕のことが理解できたようでそうか、といってそれ以上は誘ってこなかった。
「誘いは断れちまったが、なにか困ったことがあれば、俺のところにこい、力になってやるぜ」
「はい、その時は」
がっちりと握手をする。
「そういえば、ロンのことはどうするんですか?」
「そこんとこは、ギルドマスターにまかせんだよ、俺の仲間がもう報告しにいっている」
あのギルドマスターにまかせていいのか不安だが、そんなことを思っていると訓練所の出入り口が騒ぎ出す。
「・・・ドン、ギルマス呼んできた」
「おう、ありがとうな、ミーナ」
魔女帽子を被った青い髪をしている女の子がドンに話しかける。それから、ちらっと僕を見てきた。
「・・・私、ミーナ、よろしく」
「えっ、あっ、拓也です」
「・・・ん、拓也、拓也、拓也」
僕の名前を連呼しながらどこかにいってしまった。なんだったんだ?
「驚いたな、ミーナが自分から、あいさつをするとはな」
ドンがなにかつぶやいているが、聞こえない何言ってるんだろう。それとなんでアリスは頬を膨らましてこっちを見ているんだ?
「お前ら邪魔じゃー、見えんじゃろう」
あの小さいギルマスの声が聞こえた。本当に不安しかないが、この状況をこのギルマスはどうするんだろう。




