18話
「拓也様、あそこに見える建物がこの街一番の鍛冶職人がいる武器屋です」
アリスは、武器屋とシンプルに書かれている建物の看板に指をさして言う。
僕は、昨日のことでアリスに案内をしてもらっている。
「で、あっちに見えているのが、デザートを売っている店で、昔の勇者が教えたといわれているケーキがあるんですよ。私もお母様と一緒に何回かいったことがあってとても美味しいんですよ」
ケーキがあるのか、昔の勇者ナイス!甘いものは好きだし、家でも自分で作って食べていたしな、久しぶりに作りたくなってきた。ケーキが作れるならどこかに材料があるはずだよな、冒険者登録して、依頼でお金を稼いだら、市場とか見ていこうかな、市場の場所は、アリスにでも聞けばいいし、
「あの~」
「ん、どうしたの?」
「なんだか私ばかりが話をしていて、拓也様が楽しんでいないような気がして」
アリスは申し訳なさそうな顔をした。
「そんなことないよ、アリス。案内してくれるだけでも助かっているのに、なんか気をつかわせてごめんね」
「あ、いえ、実のところ、元は私がお爺様に案内をさせてほしいと頼んだのですから」
「そうだったの」
「迷惑だったでしょうか」
アリスは、目元を潤わせ、上目づかいで見てきた。
う、美少女の上目づかいがここまで強いとは、地球で女の子と面識があまりない僕には、耐えられない。
「迷惑じゃないって、それに、アリスみたいな美少女に案内されたら、誰だって喜ぶと思うよ」
「そんな、美少女なんて」
両手で顔を隠しているが耳が真っ赤になっている。その横で、僕たちの会話を聞いていたのか、近所のおばさんみたいな人たちが、若いっていいわねと、言っているのが聞こえる。正直、僕も恥ずかしい、
「さぁ、いこう」
「た、拓也様!て、手を」
僕は、アリスの手を引きこの場を去った。
「あぁ、拓也様が私の手をにぎっている。これがお母様が言っていた恋人の証なのでしょうか」
引いてるとき、アリスが何か、言っているのが聞こえたが、あえて聞かないことにした。




