第59話:難関依頼書受けさせて頂きます。理由あり。
ゼフさん半端ねぇ!
新たな町の誕生を堪能したカスミ達。
町の興奮が覚め上がらぬ中、より濃密に喝采する場所があった。
【冒険者ギルド本部・ランク昇格本部】の地下闘技場。
「これよりEランク昇格の能力模擬戦を始めます!」
「あんたを超えてやる!」「若造が粋がるな!」
絶賛地下闘技場で連日の様にランクの昇格を目指して多くの冒険者がランク上位者に果敢に立ち向かっていた。
その騒々しい中、いびきをかきながら壁に持たれて寝ている男がいた。
「ゴガァ~、ゴガァ~。」
「おい見ろよ。あの髭を生やしたジジイ。呑気に寝てるぜ?」
「俺達が必死にランク上げしてるのに…ちっ!」
その人物を知らずに悪態をつく若き冒険者達。すると先程取り仕切っていた女性が起こしにきた。
「すみません!出番ですよ!起きて下さい。」
「ゴガァ⁉ん~そうかい。」
頭をポリポリかきながら闘技場内に入って行く。
「あのじいさんやる気ねぇよな。」
「全くだよ。」
するとかなり図体の大きく筋肉質な大男が大剣を携えて闘技場内に入って行く。
「これよりSランクの昇格模擬戦を始めます。」
「へっ?×2」
始まると同時に大剣を避けて手に持っていた棍棒を腹部に叩き込み大男を気絶させる。
「その程度のぉ実力で上がれるかぁ!」
すると絶句していた2人に近づきニヤリとしながら言った。
「上に上がって来るなら歓迎するぞぉ?」
2人組の冒険者は血の気が引く程青い顔をしていると鉄筋野郎所属のラムがこちらに話しかけた。
「リーダー、カスミの奴が珍しく来てるぞ。」
鉄筋野郎と言えば冒険者の中では有名なSランクパーティの集まりにして高ランクの冒険者…自ずと髭を生やした男の素性がわかる。
「ガハッハッハッ!冷やかしに行くか。」
鉄筋野郎のリーダー、ゼフ=ガンドロフは今でも強者である。
冒険者ギルドに行く前、タマゴハウス3階テラスーーーーー
1人イスに座りながらカスミは考えていた。その内容は…
「ユリアとデートしたい…。」
カスミの内なる気持ちがポソッと言葉に出た。
最近掃除や訓練やでユリアとラブラブな関係が離れてる気がする…否!そうなんだろ。あれほど美人で純真なシスターと距離が縮まないのは恋愛対象ではないのでは考えてしまう。これは恋愛奥手の僕には試練かもしれない。
「やはりあの計画を実行しよう。」
カスミはタマゴハウスを離れ未だに歓声が外に漏れる冒険者ギルド本部に到着した。
「フゥー。俺は有名人でもなければ救世主でもない×5…よし。」
カスミはゆっくりと冒険者ギルド本部に入って行った。以前の王都や帝都の冒険者ギルドより広々とした、品のあるクラシックな作りが視界に入る。すると何人かの冒険者のチームやパーティがいたがよく知らないので真正面にある受付に向かう。
すると妖精族のフィーネさんではない少し背の低い妖精族の男の子がいた。頭と背中に触角と羽がある。カスミを見るなり眼を細めて話す。
「冒険者ギルド本部・昇格本部にようこそ。ご用件は依頼ですか?昇格希望ですか?」
「依頼を受けに来たよ。飛びきり難関な依頼を2件程頼みたい。」
「…あんた正気なの?冷やかしなら帰ってくれ。」
「冷やかし?何故に?」
「あんたどう見てもEランクでしょ!それに高いランクならそれなりの装備で来るでしょ!」
ガミガミと怒られるカスミ。目立ちたくないのに…怒っちゃうよ。
「Eランク?僕はS2ランクだよ。」
「そうやってウソつく冒険者がいるんだよ。あっ、ちょうど先輩が来たから覚悟しろよ!先輩!」
受付の奥からフィーネが現れた。
「先輩!そこの冒険者がウソを」「あら、カスミ君じゃない。久しぶり。」
「久しぶりに来ちゃいました。フィーネさん。」
すると妖精族の男から言葉が止まる。
「実は久しぶりに依頼を受けに来たよ。」
けろりとフィーネに話す。
「そう言えば紹介がまだだったはね。彼は新人のノイン。そしてこの方が冒険者S2ランクのヨシノ=カスミ君よ。」
「どうも失礼しました!!!!!」
ノインは90に曲げて謝罪したのであった。
ちなみにフィーネさんは飛びきり難関の依頼を頼んだ。するとフィーネから2枚の依頼書を見せられた。
「この北と南に馬の皇帝と猿の王が近隣の村に多大な被害を発生させてるの。難度はSS級クラスだけど…やるの?」
カスミは少し考えるとうなずきながら答えた。
「この依頼!受けさせて頂きます。2枚とも。」
それを聞いたノインは…
「えええぇぇぇぇええええ!!!!!」
驚きに響き渡るノインはフィーネからうるさいと仕置きをされたそうな。
次回:それぞれの試練。カスミの約束。
予告:ハロー。神様ですよ。カスミちゃんはもう有名人だね~まさに化け物級だよ。プププッ。
次回もよろしくね。




