第52話:デスヘイム山頂の皇帝。あの…あれ鳥ですか?
あれは…鳥?
王都を出てのんびりと新天地に旅立つカスミ達。
「プーニンに可愛いバック買ってあげたですよ。ミミちゃん。」
「や~可愛いわ~。ウチはブレスレット買うたんです。」
「ポールよ。王都の古びた店に赤と青が混じった魔法石を見つけてな…これなんだが。」
「これは美しい。赤と青が競り合っていて…まさしくレア物ですね。」
パーティメンバーが王都の買い物を楽しんだ話題がいっぱいです。えっ?僕?…フッフッフッ!実はイワンさんに全員のあれをたのであるのだ。新天地に着いてからの…サプライズ!だから決して…決して!仲間外れじゃないからね!
王都から約1日半、野宿して帝都を越えた辺りから遠くに山々が連なる山脈が見えた。山脈の真下には薄暗い深緑な森が広がっていた。
「あれが山脈だね。」
「おっきいです。」
「これはなかなか。」
「あの森物騒やわ~。」
すると少し先に集団の姿が見えた。あれは…確か帝都冒険者ギルドにいたゼフさんに似た体格で力勝負した…
「主、何やら集団の様です。」
ゼフさんに似た体格の男が気付き寄ってきた。
「おお!貴殿はいつぞやの…確かカスミだったか?」
「お久しぶりです。ガンマさん。」
帝都にいたガンマ=ガルと出会った。話を聞くとガンマ=ガルが帝都の最後尾を担当して山脈に入る入り口で先に行っているシャルアやリリィと合流する予定なのだとか。
「ギルドマスターが離反状を出してから帝都は混乱しておる。早急に軍を編成しても2、3日はかかる。」
「その間に僕達が山を越える方が」
「貴殿は何も聴いておらんのか?あのデスヘイム山頂の皇帝を。」
「デスヘイム?山頂の皇帝?って何です?」
「そちらのギルドマスターは随分と無用心だな。」
ア、アムロスさーん!貴女は何を僕に言わなかったんですか!まさかのウッカリですか?山に皇帝がいるの?
するとさっきよりも大所帯な数の…ってかなり多いな!軽く2千人以上いるよ!これ皆さん離反者!?あっ!イワンさんとゼフさんがいる。
「おっ!カスミ!来やがったかぁ!」
「あ~ら!カスミちゃん!」「カスミちゃん~お久~」×2
後の三人は余計だな。魔界に帰れ!
「ゼフさん!スゴい数ですね!」
「俺達は後からついてくるのんびり組だぁ。お前達はあっちだぁ!」
後からついてくる?のんびり…組!?なんだ!嫌な予感がするんだけど!
すると聞き覚えの声がした。
「おお!カスミ。久しぶりじゃの」
赤一色のゴスロリ幼女のシャルアが現れた。
「あの~シャルアさん。これは?」
「今からワシの赤い特攻組があやつの白い安全組の進む道を作るのじゃ。カスミ等は赤組に決まったのじゃ!」
特攻!?ちょ、ちょ、ちょいと待て!!
「シャルアさん!僕達は何も聴いてないないですよ!」
「もしかすると鳥帝が出るやも知れんからのぉ~。お主達は鳥帝の撃退を頼むぞ。」
いやいや!話を聞いて~!
「シャルア。説明もしないで。すみませんカスミさん。」
ここでようやく話が分かる方が現れたか。早く説明を!
「この山脈の山頂には鳥の皇帝が根城にしています。以前はシャルアと王都の先代ギルドマスターで安全な道を築けたのですが、かなりの時が過ぎたので…鳥帝がどの辺りまで縄張りを広めているか不明ですので離反の筆頭の私達が先陣をきり安全な道を作る予定なのです。もしも鳥帝が現れた時には撃退か討伐してもらおうとカスミさん達に依頼する願いです。」
「あの鳥帝は意地っ張りでのぉ、撃退した場所は滅多に近寄らんのじゃ。理由は分からんが。」
成る程。用は用心棒をしてくれとの事だな。その鳥帝とはいかほどに強いのか興味あるな。
「カスミさん!困った時はお互い様です。」
ユリアさん。別に困っては…なくもないか。現に赤組だし。
「マスターは正義感が溢れてますから。」
ポール。僕はヒーローじゃないよ。しがない冒険者だよ。
「師匠、ウチは…白組に行っても…」
ダメだ!僕だって白組に行きたいんだよ!行ったらデコピンだよ。
「ミミリー大丈夫だ。主なら撃退など生ぬるいと感じて討伐してしまうだろ。さすれば名声も思うがまま。」
ミラージュ!名声なんて要らないの!
「ほぉ!カスミは豪快じゃの。ちなみに鳥帝は不死鳥と呼ばれるくらい討伐は難しいのじゃ。」
不死鳥!フェニックスですか!まさかのファンタジー感がすんごい!
カスミの気持ちがワクワク感と変わり赤組に加入して赤い特攻組約500人で出発する事に…って多くない?
デスヘイムと言う場所に現れるモンスターは平野に比べると一回り強い感じがする。
だが帝都の冒険者も果敢に討伐していく。さすがは数の力か?いや一対一で倒せてるから違うか。
ちょうど真ん中にいたシャルアとリリィに話す。
「帝都の冒険者達は強いですね。ここの敵も強いはずですよね。」
「当然じゃ!帝都の冒険者の試験はワシの攻撃に耐えるのが前提なのじゃから。」
笑っているシャルアに対してリリィは冷静だ。
「しかしカスミさんのパーティも強いですね。特にあの物質族の二人。」
リリィの視線にちょうどポールとミラージュが戦闘を行っていた。
「我が道を阻むなら容赦はせん!水爆撃!」
「あなた達の強さは理解しました。わたくしの敵ではありません。」
圧倒するように敵を倒す。パーティ皆(サンタユリアを除く)には自由に戦えと言ってあるがポールとミラージュは別格の様だ。
「僕の右腕と参謀ですから。」
「うむむ!あの鏡の奴はワシより魔力が強いのじゃ!」
流石はパンパイアだ。魔力を見切ったのか!
「はっ!疾風正拳突き!」
ミミリーは危なげなく敵を倒す。
「あの獣人族の女性も動きや技が早いです。」
「弟子ですから。まだ甘さがありますが。」
大して年齢も変わらないカスミが大人ぶる。
「カスミよ!なかなか精鋭じゃの!ひとりくらい貰っても構わんか?」
さらにと受け流してユリアの方を見る。
「皆スゴいです。ねぇプーニン。」
「プニププニ!」
ユリアに抱き抱えながら短い腕を組み頷くプーニン。
プーニンよ…別にお前が鍛えた訳じゃないんだから。何ですかその師匠的なポーズは!
モンスターを討伐しながら進んで行くとバサッ、バサッと空から聞こえてくる羽ばたく音。
「鳥帝が現れました!」
リリィが指差すと…5、6メートルはあるデカイ鳥が視線を写す。ただ全身がボウボウと炎に包まれた状態で。
「あの…あれ鳥ですか?」
「まさしく不死鳥の鳥帝です。」
悠然と鳥帝は冒険者を見ていた。
次回:余の名前を言ってみろ。焼き鳥だ!違う!焼き討ちじゃ~!
予告:はい、神です。カスミちゃんも人族では規格外?プププ!
次回もよろしくね。




