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第1章:5話 俺と光と黒塊の正体

俺は家から飛び出した。

いくあてを考える前に足が動いた。


取り敢えず家から離れたい...!!!


どこに向かうわけでもない。ただ、家から離れていく。

もう、深夜11時。暗がりがこれほどまでに怖いことなんてなかった。

取り敢えずよく知った大通りを目指して駆けていく。


「はぁッ...はぁッ...」


普段動いていないだけあって、全然足が追い付かない。

気持ちだけ前に出て、体はそれについていくだけ。

それでも、懸命に手足を動かす。


...光を、灯りを...


大通りにつくと、次は人の多いファストフード店へ向かう。

この時間はたむろしている学生が多い。

普段はただの目障りな鬱陶しい存在としか思わなかったが、

今回ばかりは不良どもに感謝せざるを得ないな。


「ふッ...」

店内を想像し、少しだけ安心感が沸く。



...



「いらっしゃいませー」

店内に入り、ホットコーヒーを頼む。

灯りがあり、人がいる。もう、気がだいぶ楽になった。


...

「うちのババぁがよおー??」

「マジでぇー??」

「ギャハハハハハハッ!」


やはり騒がしい店内。

ゆっくりと席に腰かけ、一口。

...ああ、温まる...。

半分くらいを飲み終わり、ある程度冷静になる。



...取り敢えず状況を整理しよう。


...あの黒い塊、一体何なんだ??

その疑問とともに出てくる、もう一つの疑問。


...あのUSB、悟が俺に渡したものだよな。

USBとあの黒い塊に関係があるのはどう考えても明らかだ。

それなら、悟が言っていた、面白いものって、アレなのか...??


仮にアレが悟の言っていた、

「面白いもの」で、

人間に害をもたらさないものだとして考えてみよう。

すると、悟は面白い3D映像が作れたから、

俺たちに見せたかった、ということになろう。

話せたのはAI技術...??そういうことになるのだろうか。

しかし、納得できない点がある。

それは、USBを差し込んだ時に表示された大量の警告メッセージ。

あれはパソコンがウイルスに感染したということで間違いないだろう。

とすると。

「面白い」3D映像を友達に見せるために

わざわざ人のPCにウイルスを感染させるだろうか。

やっぱりこの仮定、どう考えても難しい。



とすると濃厚なのは...

「なるべく考えたくないな...」

少し気が沈む。

しかし、そうもいっていられる状況ではない。


...

...

...悟が


...悟が俺たちを騙し、あの黒塊を出現させるのに利用した

悔しいがそう考えるのがもっとも考えやすい。

はじめから俺たちを騙していたのであれば、

PCを感染させるのに躊躇する必要はない。

「面白いもの」といったのは、

俺たちにあのUSBを使わせるための方便。

あいつからメールが送られてきて、

その返信に対して何も返してこない点にも納得がいく。

さらに極めつけは、あの黒い塊が悟の名に反応したことだ。


...ただ。


「...悟...?」


俺と悟と優希は、3人とも大学からの付き合いで、

特別長くつるんできた中、というわけでもない。

...しかし。俺たちは入学から今まで、

一緒にバカやってきた中だ。

授業中にも悟を二人でいじったり、

平日真っただ中に三人で居酒屋を巡ったり、

三人で駅前でナンパをしたことだってある。

失踪するまでの1年半、楽しい時を過ごした仲なのだ。


「...疑いたくはない」


同時に、事実から推察される結論は疑いようはない。


目的は分からない。しかし、どうやら悟は、

俺たちを利用したようだ


「悟...」


コーヒーをまた一口。

感傷に浸りたいが、考えるべきことが多すぎる。

心の整理は、後に回そう。


...


悟。


そういえば。あの黒い塊!

悟の名に反応したあとに、

俺が悟の情報を売ろうとしたとき、

妙な反応を示した。


確か...

「やはり何もわかってないじゃないか」


...

悟が関係していることには間違いない。

しかし、この反応はなんだ?

それまでは、黒い塊は、俺の悟の話に興味があるような様子を見せていたはずだ。

それならば、悟のことを掘り下げようとした俺の判断は間違っていないはず...。


...もっと単純にしよう。

あの黒い塊は

・悟の名には反応した

・悟の情報は欲さなかった


...あれがAIだとすれば、悟の情報に興味がないはずがない。

自分が生み出されたUSBの持ち主が悟だからだ。


とすれば...


...ん?名前に反応して、情報に反応しない...?



...ああッ!!ああああああああああああああああああああッッ!!!!!



悪寒。

気づいてしまった。

その条件に当てはまる存在に。

暖房の効いた店内で寒気を感じる。

ああ、なんてことだろう...

こんな、こんなことって...


正気を保ちつつ、動揺しながら核心に迫る。




...あいつは



...あの黒い塊は




俺の友人、悟だ!!!!


ここまで読んでいただきありがとうございます。

文章の書き直しをするかもしれませんが、

ストーリーに影響はございません。

ご了承ください。

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