表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

第1章:2話 俺とポケットと照れ隠し

「あいつ、どうやってUSB置いたんだ?」


...今日は月曜日。

週末は計算機室は開いてない。

そして計算機室が開く今日はメンテナンスで開かなかった。

しかし、悟はUSBを計算機室に置いてきた、という。

それも今日の昼のメールで。


「単純に金曜日に置いてきたんじゃないのか?

それしか考えられないけど」


優希が言う。

確かにそれしか考えられないのだが、

行動を起こして三日後にそのメールをすることに違和感はある。

どうなっている...?


ともかくUSBは一応回収しておきたい。


「あの!!すみません!!」

去っていく警備員を呼び止める俺。

声が届き、警備員はだるそうに振り返る。間に合った。


「計算機室に忘れ物したんですけど

...USBありませんでした?」


ほんとは忘れ物なんかじゃないが、

他の人のというと対応がめんどくさい。


「忘れ物ー?あー、そういや...」


警備員がポケットを探る。

取り出した手には2つのUSBが握られていた。


「...あー、それです、それです」


「ったく...まあでも見つかってよかったわ」

雑に俺にUSBを渡す。

「気をつけろよ」

再び去っていく警備員。


うち1つを優希に渡す。

「お、あったのかUSB、

まあここのパソコン使えねえし、

各自家で見るか」

「...帰るぞ」

「え、おい...。...まあいいけど。

せっかちだな理亜は」


やっぱりおかしい。

怖いのはUSBがちゃんと計算機室に置かれていたことそのことじゃない。



あのUSBが警備員のポケットから出てきたことだ。



警備員に、いつ拾ったかなんて、

俺がUSBを自分のものというていにしている手前聞きにくい。

しかし、実際いつ見つけたのかなんて予想が立ってしまう。


...警備員が金曜に拾った忘れ物を、

ずっとポケットに入れておくなんてことが

あり得るだろうか。


週末をまたいで平日だ。

学生が金曜に本当に忘れていたら、

今日月曜日に警備員に落し物があったか聞くよりは、

落し物センターにUSBをとりにくるはずだ。

そんなこと警備員だってわかっているはずだし、

それなら拾ったら少なくとも次の月曜日の朝には

落し物センターに届けるはずだ。

...やはり、あのUSBは今日置かれ、

今日見回りにきた警備員に拾われたのだ。




速足で去る。ついてくる優希。

完全に目が覚めてしまった。

「おい、どうしたんだよ?」

優希に説明するのはためらわれた。

そう思いつつも考えすぎかもしれないと思ったからだ。

続ければ現実的にはありえない結論に至ってしまう。


行方不明だった悟が急に計算機室に忍び込み、USBを置いた、


など誰が信じられよう。俺自身でも疑っている。


「...あー、わり、腹痛くて...早く帰りてえんだ」


「そうか、まあ用事も済んだしな。トイレにでもいけよ」

優希がトイレを指さす。

いや、それでも不気味なんだ。

早く帰らせてくれ...

「...あー、違う、そういう感じじゃなさそうなんだ

...早く帰って寝たらよくなりそう...」


「散々寝てまだ寝るのかよ...まあお大事にな」


「ああ...」



二人別々の方向を向き、帰宅する。


...ああ、今日は気持ち悪い日だ。

悪夢をみて、無駄な恐怖を味わって。

手の中で握った小さな機械がいやに気持ち悪いが、

どうしてか離さずにいられない。

他のことを考えよう。

取り敢えずRPGのラスボスの攻略法でも考察するか。


バスに乗り込み、じっと考える。


まず初手で全員の攻撃力を上げる。それから...

...

...

......ああっ駄目だ集中できねえッ!


が、まあ取り敢えず家にはつくまでの

時間は暇にならなかったと思おう...。

俺の家はボロアパートで、

大学の近くに住むために

一人で引っ越して生活している。

おかげで好き放題できている。

まあ自炊とかの家事はめんどくさいが。


鍵を開け、家に入る。

しかし、俺はすぐにUSBの中身を確認しようとはしなかった。

無論気持ち悪いからである。

あの後悟にメールを送り、その内容を聞いたが、返答がなかった。

取り敢えず飯を作って食い、風呂に入った。



夜11時。

無視してチェックしないこともできるが、

不気味であるとともに、

やはり友人の悩みが書かれているかもしれないとも思うと

見ずにはいられなかった。


悟が「面白い内容」といっているのは、

直接言いにくいからであって、

照れ隠しのためにこういって釣ろうとしているとも考えられる。

普通に考えて不登校の友人が

わざわざUSBにして面白い内容を勧めてくるはずがない。


...


俺はパソコンを開き、USBに手をかけた。


ここまで読んでくださってありがとうございます。

大変長編になります。更新早くします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ