第1章:1話 俺とメールとUSB
「うわァッッ!!!!!」
薄暗いの部屋の中。
あいつは俺に近づいてくる
唯一の灯りはパソコンの画面。
唐突にパソコンから出現したその黒い塊は、
じりじりと俺ににじり寄ってくる。
驚きは徐々に恐怖に代わっていく。
逃げようとするも、腰を抜かした俺の体はいうことを聞かない。
ジリジリ...
視界が黒で埋まっていく。
「ひぃッ...」
恐怖におののく俺に向かい、
あいつは口らしきものを開き、音を漏らす。
「お前も...」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
バンッ...!!
...頭に鈍痛が走る。
...終わった、俺の命。
死を確信した俺。
すると、直ぐに声がかかる。
「おい、もう授業おわったぞ?」
...?安心感のある声だ...
その声の主に気づくとともに、
体に感覚が戻ってくる。
そして、今の本当の状況を察する。
...ああ、夢だったのか...。
いやに怖い夢をみた。
昨日のあれのせいだろうか。
気が付くと優希が呆れた顔を俺に向けていた。
「理亜、お前いい加減にしとかないと単位落とすぞ?」
「...ああ、昨日はホラゲやってて寝れなかったんだわ...許せ...。」
ガクッ
再び机に突っ伏す、俺、理亜。
大学2年生。劣等生という言葉が似あうだろうか。
大学にもなんとなくで入学し、
日々こんな風に堕落した生活を送っている。
そして、こんな生活にも何の不満もないため、
無限にダラダラしている。
「おいおいお前、まだ月曜だぞ...大丈夫かよ?
それに、今日はあいつの用事、
やんなきゃなんないだろ...?」
バシッ!
教科書で2度目の攻撃を俺に加える俺の友人、優希。
大学生活を共に送る、乱暴だが面倒見のいいやつだ。
こいつのおかげで最低限大学生としての威厳をたもてている。
寝坊すれば鬼電してくるし、
提出締め切り間近の書類を出したかどうか聞いてくれる、
頼もしいやつだ。
「...あー...そうだな」
俺たちは大抵3人で行動をしていた。
授業も、遊ぶときも、いつも一緒だった。
俺と、優希と、そして...
「...でも、なかなか謎だよな、悟。
...急に不登校になって音信も不通になったかと思えば、
急にこんなよくわからないものを...」
今日の昼、急に悟から送られてきたメールには、
ーー 心配かけてすまなかったね。
僕は大丈夫。それよりも計算機室にUSBを置いてきたから、
回収して中身を見てみて、面白い内容入ってるから ーー
と書かれていた。
優希にも同じものが送られたらしく、
とりあえず今日の放課後に取りに行くことにしていた。
「まーな...。
ひょっとしたらあいつが不登校になった理由とかと関係してるんかもな。
実際、なんにも分かってないわけだし。
...あれか?この前俺らが悟の筆箱の中身、
こっそり全部筆ペンにしたこと恨んでんのか?」
本気でそんなこと思っちゃいないが。
悟も同じく同期。
俺とは違い優等生だが、付き合いはいい。
俺らの大事なツッコミ役だ。
ただ、悟には最近事件が起きた。
というのも、1か月前ぐらいから突然学校に来なくなったのだ。
連絡を取ろうとしたものの、返事が返って来ない。
あいつの状況はさっぱりだ。
留学の話があったため、海外にいったのだろうか。
まあ普通はひとことぐらい連絡するもんだが...
「つーか、学校にはきてたんだな...。
計算機室には少なくとも来てるみたいだし。」
優希が気づいたように言う。
「あ、確かに。
じゃあなんだ?授業来ないで学校に来てるってことか?
他の学部に移ったのか?あいつ。」
「もうなんか訳わかんねえな。
考えんのもめんどくせえ。
...あいつが何考えてるかなんてわかんねえけど、
取り敢えず計算機室行ってUSB回収しようぜ?
なんか分かるかもしれねえ」
めんどくさいが優希の言う通り、情報が得られると思う。
体を起こし、けだるく立ち上がり、
ぐっと大きく伸びをし、
ぼうっとした頭で先ゆく優希を追いかける。
計算機室は週末は開いていない。
セキュリティ云々でだめらしい。
おかげで疲れた平日に課題のために
計算機室に行かなければならない。
全く不便すぎる大学だ。
まあ、休日は一歩も外に出たくない俺は別に問題ないのだが。
先に優希が部屋前につき、ドアに手をかける。
しかし、どうしたのだろう。そこから全く動かない。
どんどん距離が近づく。声が聞こえる。
「...?...あれ?」
ドアはガチャガチャと音を立てるだけで開かない。
「鍵かかっているのか?」
追いついたおれは優希に声をかける。
「...っくッ!...あー、ダメだ。
どうやらそうらしいな、
ここの施錠ってこんなに早かったか?」
「おい?何やってんだあ?」
ごちゃごちゃ2人でやっていると
警備員のおっちゃんがやってきた。
ちょうどいい。
「あ、すいません、計算機室入りたいんですけど...」
俺が聞く。
「あー、だめだめ、
今日は一日メンテナンスしてっから。
明日また来な?」
「...あ、そうなんですね。分かりました...。...?」
警備員が背を向ける。
なんだろう、この違和感。ありえないことが起きている...?そんな感じ。
「あいつ、どうやってUSB置いたんだ?」
初投稿になります、バッキンガムです。
時間がある時に更新していこうと思いますので
よければ次回もよろしくお願いします。




