ベッド
子犬は、受け皿に入っているドックフードを平らげると欠伸をして僕の足元で寝てしまった。
仕方がなく、僕はリビングの日当たりの良い場所に子犬を移動させ隣で僕も寝転んだ。
温かい空気。
まるで、そこだけ違う場所のように感じる。
僕は瞼を閉じると深い眠りについた。
「ピンポーン」
玄関のインターホンの音で僕は目が覚めた。
腕時計を見ると4時間ほど寝てしまっていた。
日も暮れ始めており、窓から夕暮れが見えた。
「ちょっと待ってください。」
僕は欠伸をすると、玄関に向かった。
「先ほどベッドを購入していただいた藤井 瓜生様のご自宅であっておりますでしょうか?」
作業服を着た男の人が表札を探しながら言う。
そういえば表札がないことを思い出す。
「あ、すみません。そうです。」
僕は申し訳なさそうに頷くと男の胸元についているバッチを確認する。
先ほどバッドを買いに行った家具屋の名前が書いてある。
「お届けにあがったのですが。確認のため何度か携帯に電話をさせていただのですが。出られなかったので、速めがいいとの話を伺っておりましたので。」
男は少し慌てて説明をし始めた。
「あ、えぇ。いいですよ。設置までしてもらえる感じですか?」
「はい!」
男はチラリッと後ろを向いた。
トラックに大きい荷物が積んでおり自動車の助手席に、もう一人男が座っているのが見えた。
「じゃあ、2階に置いてください。速くて助かりました。」
お礼を述べると人懐っこい顔で男が笑顔を僕に見せるとトラックの助手席の男のもとへ走っていく。
僕と同じくらいの年齢だろうか。
ふっとそんなことを思いながらベッドを設置してもらった。
「また、家具類などの購入のさいは、当店をご利用ください。」
助手席に座っていた男が無愛想に名刺を僕に差し出してきた。
もう一人の男はぺこっと頭を下げてニコッと笑顔で僕を見た。
「わかりました。」
僕は名刺を受け取ると男たちを玄関で見送った。




