サンドウィッチ
「疲れた・・・。」
僕は2階に上がると新しいベッドに横になり天井を見上げた。
そういえば、子犬はどこにいったんだろうか。
うとうとし始めた頭で思い出した。
気だるそうに身体をおこすと1階に降りたがリビングにも台所にも居ないようで
まさかっと思いトイレやお風呂場まで確認したが居ない。
少し焦り始めたとき甲高い音が聞こえた。
「きゃんきゃん」
甲高い音は鳴り止まない。
僕はすぐに甲高い音の元へ走っていく。
2階にあがったところにドアに挟まった子犬がいた。
ベッドが置いてある部屋だ。
すぐにドアを開ける。
子犬は驚いたように部屋の中に入って、興奮しているようで周りを見渡している。
敵がいるとでも思ったのだろうか。
「あせった。馬鹿。」
僕は子犬に近づいて床に座り込んで子犬においでっと手をふる。
子犬は僕のところへきて、痛かったんだよっと言わんばかりに鳴く。
「はぁ・・・。お腹減った。」
子犬を撫でながらお腹の虫が鳴いた。
そういえば家に着いてから何も食べていない。
叔父に会う前に駅前で購入したサンドウィッチを思い出した。
僕は立ち上がると1階に降りた。
リビングに置いた自分のバックからサンドウィッチを取り出す。
「わん!」
後ろを振り向くと子犬がいた。
どうやら付いてきたようだ。
ソファーに座ると子犬は大人しく一定の距離をもって座った。
ソファーの目の前にはガラスのテーブルとテレビがある。
そういえば、飲み物を買い忘れていた。
明日は買出しにいかなくてはっと思いつつテーブルにサンドウィッチを置き
自分のバックから飲み切ったペットボトルを取り出す。
台所に向かい前の住人が置いていったコップを使う気にもならないので
仕方がなしにペットボトルの中身を水道の水で洗うと半分ほど水を入れてリビングに戻る。
そこに子犬の姿がない。
「わん」
後ろから子犬の鳴き声がした。
振り向くとやはりいた。
さっきから、ずっと後ろをついてまわっているようだ。
まさか先ほどの2階でベッドに横になったときも居たのかもしれない。
そして探しに降りた際に子犬を挟んでしまった。
これが事実だとしたら僕のせいだ。
「ごめん。」
子犬を撫でると嬉しそうに尻尾をふった。
ふっと僕もこんな性格だったら世界が違って見えたのかもしれないと思ったが
苦笑いしてしまった。
無理だ。こんな自分では。一生。
ソファーに座ると夕暮れから日が落ちてきたので電気をつけてテレビの電源をつけた。
一ヶ月前から支払いを行っていたためきちんと電気も通っているようだ。
サンドウィッチをかじるとニュースにチャンネルを変える。
どれも似たような興味もない番組ばかり。
サンドウィッチを水で流し込むと風呂場に行き、子犬と一緒にシャワーを浴びた。
子犬は汚れていた毛並みが綺麗な茶になり、そういえば2階にあった犬の置物にそっくりに見えた。
僕はサクッとシャワーを浴びるとドライヤーで自分の髪と子犬を乾かすと、新しいベッドにはいる。
子犬は前の住人のベッドの上にのっかり
すぅすぅっと寝息が聞こえた。
寝始めたのだろう。
僕は2階に上がる際にもってきた携帯を充電器にさしこみ母親に無事着いたことの報告メールを送り
床についた。




