嗅覚
「待てよ。」
僕は、慌てながら家のドアの鍵をあける。
子犬は当たり前のように家に入っていく。
どういうことだ。わからない。
子犬が遠慮なしに入っていく様子を眺めながら考える。
「ってちょっと待てよ。」
子犬の姿が見えなくなり僕は急いで家に入っていく。
リビングを見渡すが子犬の姿はない。
そのとき、違う部屋から何かを引っ掻く音が聞こえてきた。
その音がする方へ向かうと台所があり棚を引っ掻いていた。
「ダメだろ。」
子犬を抱き上げようとすると子犬は暴れて言うことを聞いてくれない。
そんなに僕のことが嫌いなのかっとため息がでそうになった。
試しに子犬が引っ掻いていた棚の扉を開くと、そこにはドックフードと受け皿がおいてあった。
子犬は尻尾をふって受け皿をくわえて僕をみた。
「お腹が空いたっていいたいわけ?」
片手で額をおさえる。
「わん」
「子犬だからって何してもいいと思ったら・・・はぁ」
子犬に非難の言葉を言いかけて飲み込む。
犬に分かるはずないのだから。
僕はドックフードを取り出すと賞味期限を確認した。
賞味期限は当分大丈夫そうだ。
ドックフードには可愛らしい犬型のクリップがついていた。
一度開封し留めていたのだろう。
クリップを外すと1粒手に取り湿気にやられていないか硬さを確認する。
お腹を壊れては困るのは僕のほうだ。
「わんわん」
子犬は焦れたかったのか僕の周りをウロウロしながら鳴いた。
「ごめん。ごめん。」
僕は受け皿を持つと適当にドックフードを入れて床に置いた。
「おすわ・・・」
おすわりをさせようとした瞬間余程お腹を空かせていたのか
元々そうい躾をされていないのか子犬は受け皿に飛びついて
ドックフードを食べ始めた。
「それにしても、よくドックフードがしまってる場所分かったよな。嗅覚がいいっていうやつなのか?」
僕は髪を軽く掻き毟ると子犬を撫でた。




