家に辿りつくまでに
「では、よろしくお願いします。」
女性は、ぎゅっと子犬を抱きしめると少し寂しげに子犬を僕に渡した。
「そんなに悲しいなら一緒に居たらいいんじゃ?」
「そ、それは・・・できません。」
僕に苦しそうに笑顔を見せると、ぺこりっと頭を下げて背を向け茂みの方へ走って行った。
僕は去ってた方角を向け、ただただ呆然と眺めていたが我に返る。
子犬を優しく抱きしめると自転車のほうへ戻る。
かごの中に子犬を入れると自転車に乗らず押して帰ることにした。
「わんわん」
子犬は元気よく鳴き、かごの中をうろうろする。
自動車が通れば、そちら側に身体を乗り出し鳴く。
ときより落ちそうになり片手で、それを止める。
「はぁ・・・」
深いため息をつく。
勢いで二つ返事してしまったが、この子犬をどうしようかっと今更ながら悩んでしまう。
子犬は僕の考えていることなんかお構い無しに色々なものに対して興味をもつ。
ただ、僕の家に近づくにつれ、かごをのふちを噛み始めた。
身体をのりだしては、僕は止めるが大人しくなる様子はない。
むしろ、近づけば近づくほどに興奮しているように見える。
「やめろって」
僕はかごから子犬を片手で抱きしめたが、子犬は何が気に入らないのかバタバタと暴れだす。
僕から離れようと必死だ。
仕方がなく、子犬を地面に下ろすと子犬は走り出した。
僕は子犬のスピードに合わせて自転車にまたがり走りだす。
どこにむかってるんだろうか。
僕は子犬からちらりと前方を確認する。
知ってる道を走ってるような気がする。
分岐点さえ悩まずに走っていく子犬。
この道は先ほど家具屋に行くために走ってきた道のりだ。
僕は子犬と道のりを何度か確認しているうちに
子犬は立ち止まりヘトヘトになりながら座った。
僕は子犬の方向に目線を向けると僕の家が目の前にあった。
「わん!!」
子犬は鳴くと僕をみる。
「・・・なんで、知って?」
僕は敷地内に自転車をしまうと子犬は玄関前に座りなおした。
「わん」
僕を見ると早く開けてくれっと言わんばかりに玄関をみた。




