不審者
乾燥機を確認していくと稼動していないようで中身を確認すると乾いていた。
綾瀬に乾いた服を渡し綾瀬は脱衣所に行き着替えると、着ていた僕を僕に返してくれた。
「じゃあ、またね。」
「あのさ、やっぱり帰らないでご飯食べていく?」
自分で帰るように言っておきながら昼食の誘いを僕はしていた。
綾瀬は笑顔で顔を横に振った。
僕等は玄関に向かうと綾瀬は手を振った。
「ここまでで、いいから。送らなくて大丈夫だから。あと、無理矢理笑顔を作らなくてもいいよ。さっきの少し変顔だった。」
綾瀬は僕の笑顔を指摘した後玄関のドアを開けて閉めるときバイバイっと手を振った。
ドアが完全に閉まると僕はそそくさと洗面所に向かい冴えない顔を見た。
自分なりに笑ってみる。
完全に不審者のような顔に見える。
本当に残念な笑顔。
笑わなければよかった、と後悔した。
ため息をつくと、昼食の準備を始めるために台所に向かう。
簡単にペペロンチーノを1人前作るとリビングに行く。
子犬は昼食の美味しそうな匂いを嗅ぎ付けてきたのか
足元で跳ね回りパスタをテーブルに置くとテーブルに前足を出す。
落ちそうになり、少し置くのほうにパスタを置いてテレビのリモコンで番組を変える。
ドラマの番組にすると温かいうちにパスタを食べ始める。
子犬は諦めてササミのところに行ってササミをかじり始めた。
結構上手くできていて、また作ろうと思い片付けをしてリビングの床に大の字になった。
天井を見上げる。
子犬がお腹の上にのっかると丸まった。
たくさん話したせいか少し疲れた。
でも、それにしても人と話す度に面倒だと思っていたのに
綾瀬のときは面倒だとは思わず、逆にもう少し話をしてみたいと思ったのだろうか。
真っ白な天井を長く見つめてボーッと考えてるうちに
なんとなしに携帯を取り出した。
僕はメールの画面を開くと相手を母親を選択して文章を書き始めた。




