第32話 餓鬼工業
同時刻。
餓鬼工業高校。
放課後の校庭。
そこへ。
鬼塚と初音が、堂々と門から入ってきた。
「……なんだ?」
「他校か?」
「誰かの友達かな?」
ざわつく生徒たち。
初音は楽しそうに笑った。
初音「いっぱい居るわねぇ〜」
鬼塚は首を鳴らす。
ゴキッ。
鬼塚「軽く暴れるかぁ」
次の瞬間。
ドンッ!!!
鬼塚が突っ込む。
バギィッ!!
真正面の生徒が吹き飛ぶ。
そのまま後ろを巻き込む。
さらに横へ。
ドゴッ!!
蹴り。
拳。
肘。
鬼塚が通った場所だけ、人が消えていく。
「ぐぁっ!!」
「いきなりなんだこいつ!!」
「俺らが何をしたってんだ!!」
だが止まらない。
まるで災害。
暴風。
鬼塚一人で、校庭が崩壊していく。
その横では――
初音が軽やかに駆けていた。
初音「はい、おやすみ〜」
トンッ。
首元へ軽く手刀。
それだけ。
「……え?」
ガクッ。
また一人。
さらに一人。
誰も初音を捉えられない。
速すぎる。
その時だった。
校舎側から、あの三人組が出てくる。
今朝。
「覚えてろよ!!」と言って逃げた連中だ。
だが今は、顔面蒼白だった。
「て……」
「てめぇら……!!」
足が震えている。
「何しに来たァ!!?」
鬼塚は、倒れた生徒を跨ぎながら首を傾げた。
鬼塚「ん〜?」
そして。
少し笑う。
鬼塚「覚えてたから来ただけだぁ」
三人組の顔が引きつる。
その後ろで。
初音がニコニコ手を振った。
初音「彼ね、約束守るタイプなのよ〜」




