第28話 信頼
同時刻。
愛嬌高校。
朝の校門前。
田中と銀次が並んで歩く。
銀次「結局、昨日は僕らの出番なかったねぇ♪」
田中「まぁ、上が全部片付けたからな」
銀次「ちょっと戦いたかったかもぉ♪」
そこには、いつものように長口が立っていた。
腕を組み、無言で門を守っている。
銀次はにこっと笑って手を振る。
銀次「長口さ〜ん♪」
長口「……」
銀次「昨日はお疲れさまぁ♪」
長口は少しだけ視線を向ける。
長口「大したことはしてない」
銀次「白星の番長さん、面白い人だったねぇ♪」
長口「……昔からああだ」
田中「知り合いなのか?」
長口「あぁ」
長口は静かに続ける。
長口「昔から、鬼塚によく喧嘩売りに来てた」
銀次「わぁ〜♪ 命知らずぅ♪」
田中「そういや昨日、番長は出てこなかったな」
田中「白夜とタイマンってのも、ちょっと面白そうだったが」
その言葉に。
長口の目が少し細くなる。
長口「……鬼塚は今いない。兵庫に遠征中だ」
田中「?」
長口「成田と初音も、後から追いかけていった」
銀次「えぇ〜♪」
銀次が笑う。
銀次「じゃあ今、攻め込まれたらヤバいねぇ♪」
だが。
長口は静かに言った。
長口「それだけ――」
校門前の風が吹く。
長口「愛嬌を信頼してるってことだ」
沈黙。
田中はゆっくり校舎を見上げた。
一年。
二年。
三年。
銀次は楽しそうに笑う。
銀次「なんか、愛嬌っていいとこだねぇ♪」
朝日が、校門を照らしていた。




