第21話 白星高校③
1年校舎。
廊下へ、白星一年たち30人が突っ込んでくる。
「一年潰せ!!」
「愛嬌のガキ探せ!!」
その前へ。
須藤。
米田。
長谷川。
仲谷。
愛嬌一年代表たちが並んで立つ。
須藤「よう」
拳を鳴らす。
米田「校舎で暴れんなや」
仲谷「掃除めんどいやろが」
長谷川「さぁ、やりましょか」
白星側が止まる。
空気が、一気に張り詰めた。
―――――
2年校舎。
白星二年たち30人が階段を駆け上がる。
だが。
その廊下には、すでに大量の人影が並んでいた。
愛嬌高校二年代表――蟻塚。
そして、その兵隊たち。
総勢80人以上。
統率された空気。
完全な“集団戦仕様”。
蟻塚は静かに笑う。
蟻塚「おぉ〜、いらっしゃい」
兵隊たちが、一斉に前へ出る。
白星側が足を止めた。
「……多っ」
蟻塚「数で来るなら、こっちの得意分野やで?」
空気が重く沈む。
―――――
3年校舎。
白星三年たち30人。
廊下を進んだ先。
そこには、10人だけ立っていた。
番長直属兵。
全員無言。
そして、一歩も動かない。
白星三年の一人が眉をひそめる。
「……10人だけ?」
その瞬間。
直属兵の一人が、静かに口を開いた。
「引き返せ」
短い。
それだけ。
だが。
空気が、異様に重い。
―――――
そして。
一年から三年、全校舎へ繋がる中央中庭。
そこだけは、妙に平和だった。
ベンチ。
木陰。
そして――
愛嬌二年、柳。
フードを被り、ベンチで普通に昼寝している。
スースー寝息まで聞こえる。
そこへ。
白星三年たち30人が流れ込んできた。
「なんやここ」
「中庭か?」
「……ん?」
一人が、ベンチの柳に気づく。
「おい」
返事なし。
「おいコラ」
柳「……んぅ?」
寝起き。
その顔を見て空気が固まる。
「お前、柳か?」
柳「……たぶん」
(((大物や)))
緊張が走る白星三年たち。
「たぶんってなんやねん」
空気の読めない一人が、ベンチを蹴った。
ガンッ!!
「起きろや」
柳「……あぁ」
少しだけ。
柳の目が開いた。




