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第15話 斬念高校③

残念高校の校門前


倒れた斬念の一年たちが地面に転がり、鉄パイプやバットが無造作に散らばっている。


息だけが、やけにうるさい。


荒い呼吸音。


その中で、田中と銀次はほとんど疲れた様子もなく立っていた。


銀次は軽く制服の袖を払う。


銀次「ふぅ〜……ちょっと多かったねぇ♪」


田中「まぁこんなもんだろ」


その後ろで、須藤・米田・長谷川・仲谷の四人は肩で息をしていた。


須藤「……はぁ……はぁ……クソ……」


米田「数も武器もエグかったな……」


長谷川「なんとか勝ったな、ほんまに……」


仲谷「ギリギリやったわ……」


斬念リーダー格が、地面に座りこんでいる


田中「どうだ…」


田中は静かに見下ろす。


田中「愛嬌の1年は弱いか?」


リーダー格は苦笑して首を振る。


「いや……強すぎや」


「俺らがナメてたわ」


「完全に格が違う」


その言葉に、周囲の空気が少しだけ落ち着く。


だが、リーダー格はふと思い出したように続けた。


「それとな」


田中「……?」


リーダー格「“兼持”ってやつ」


その名前で、数人の空気が変わる。


リーダー格「うちの実行部隊、10人まとめてやられたらしい」


須藤「は?」


米田「誰やそれ」


長谷川「聞いたことないぞ」


リーダー格は舌打ちする。


「1年や。愛嬌のな」


「俺の精鋭やぞ、それを一人で潰しよった」


「化け物や」


銀次「へぇ〜……」


銀次が興味なさそうに、しかし少しだけ目を細める。


田中「兼持?」


田中も初耳だった。


田中「そんな奴、いたか?」


その場の全員が首を横に振る。


知らない。


誰も知らない。


その時、後ろから声がした。


「……あ!」


全員が振り向く。


そこにいたのは、D組代表・長谷川。


長谷川は少し眉をひそめながら、記憶を探るように言う。


長谷川「あぁ……確かD組にそんな名前おったかもな」


須藤「マジか」


長谷川「窓際の隅っこでずっと本読んどるようなやつや」


米田「それ絶対弱いやつやん」


長谷川「めっちゃ気弱そうやったで」


仲谷「……いやいや」


仲谷が苦笑する。


仲谷「さっきの話と一致せんやろそれ」


田中は黙っていた。


だが銀次だけが、少しだけ笑っていた。


銀次「気弱なのに強いって、ちょっと面白いねぇ♪」


田中「……どうだかな」


田中は校舎の奥を見る。


まだ終わっていない気がした。


田中「とりあえず、その“兼持”は後だ」


田中「今は斬念だ」

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