第14話 斬念高校②
校舎から、ぞろぞろと人影が溢れ出す。
一人、二人ではない。
次から次へと。
鉄パイプ、木刀、バット、金属チェーン。
手に持つ“武器”の質も数も、明らかに異常だった。
数も30人は超えている。
校門前の空気が、一気に重くなる。
米田「ちょっ、ちょっと多いんちゃうかぁ……」
須藤「なんや米田、びびってんのか」
須藤は口元を歪めるが、その目はすでに周囲を測っている。
長谷川「……問題は武器持ちってとこや」
仲谷「まとめて来る感じか……面倒だな」
その中で、田中は一歩も動かない。
ただ、真正面を見ている。
銀次は軽く首を傾げる。
銀次「わぁ……いっぱいだねぇ」
その声はいつも通りだが、妙に場に馴染まない。
斬念側の人間が前に出る。
その中心。
明らかにリーダー格の男。
「おい」
低い声。
「愛嬌の一年やな」
田中が答える。
田中「そうだ」
田中は静かに一歩前へ出る。
田中「おう」
リーダー格をまっすぐ見る。
田中「愛嬌の1年やったのはお前らか?」
リーダー格「そうや」
即答。
「俺ら斬念の1年がやった」
「弱いと思ったから潰した、それだけや」
その言葉で、空気が完全に変わった。
銀次の目が、少しだけ細くなる。
銀次「ふぅん……」
須藤「ほざけや」
須藤が一歩前に出る。
米田「13人病院送りにして“それだけ”はねぇやろ」
長谷川「調子乗りすぎや」
仲谷「じゃあ今度はこっちの番やな」
斬念側がニヤリと笑う。
「やれるもんならやってみろや」
ガンッ。
誰かが地面を蹴る。
それを合図に――
一気に動く。
バトル開始。
斬念兵、同時突撃。
鉄パイプが振り下ろされる。
バットが横薙ぎに走る。
チェーンが空を裂く。
「行くぞォォ!!」
その瞬間。
田中「……遅ぇな」
ドンッ。
一歩。
それだけで、先頭の一人の間合いが崩れる。
田中の拳が入る。
ドゴッ!!
一人目、吹き飛ぶ。
銀次「じゃあ、いこっかぁ♪」
ヒュンッ。
姿が消える。
次の瞬間、数人が同時に崩れ落ちる。
須藤「来いやァ!!」
バキッ!!
米田「まとめて来るなら楽や!」
長谷川「一人ずつ潰す必要ねぇな!」
仲谷「全部まとめていくぞ!」
武器の音と、肉の衝突音が交錯する。
約30人対6人。
数の不利は圧倒的。
だが。
空気の“支配権”は、すでに愛嬌側に傾き始めていた。




