アーノルドの怒り、聖剣にかけて、、、
次の日、ポーションで病から回復した、ミッシェルの元気な声で目をさました。
カルロス大尉もローリーも早朝から目覚めていて賑やかな声が部屋中に響いていた。
カルロス大尉は慣れた手つきで朝食をだしてくれた。
そういえば、私は普段、魔獣退治して肉はさばくが、結婚してから一度も料理を作ったことはないな、と思った。 ローリーは恐縮しながら、ミッシェルに食事を口元まで運ばれていたが、ミッシェルは彼なりにローリーの介護をしているつもりなのだろう。 その微笑ましい様子に私は心が和んだ。
しかし私は王都に行き、これから、やらないくてはいけないことがある。
私は朝食後、3人に別れをつげ、再び私の子爵領での再会を2人に約束した。
子爵領の当主、アーノルドは、娘レイナの約束を果たせ、早くも、自分の領土の家族に心が向かっていた。
しかし、私にはまだ王都でやらなくてはならないことがある。
いかに公爵家の息子といえど、王宮軍には軍としての掟がある。
王家にかかわりがある公爵家といえど、王家が軍に関わることは問題がある。
私はもう国王軍を退役したが、わたしには、国王から与えられた聖剣士の称号がある。
カルロス大尉の子爵領の取り上げ、さらにローリー男爵家への不当なあつかい。
ローリーは、両親、兄弟は自分のことは、理解してくれて、わかっている。
ただ、今いる子爵領への領主への配慮により自分を廃嫡したと言っていたが、やはり公爵家より男爵家になにかしらの圧力がかかったようである。
軍をやめた公爵家の息子は今どうしているのだろう、まさか、公爵領でのうのうと暮らしているのでは、なかろうか? そうだとしたら、こんな不公平なことはない。 カルロス大尉もローリーも、2人には何も落ち度がない。 公正であるべき軍で起きたことに対して、いくら王族と関係の深い公爵家であっても、この聖剣にかけて、不正があれば、正さなければならない。
いつも魔石を収めている王家の直属の店の主に、抗議の声明をだせば、王家につたわるだろうか?
私は王家から、以前のままの、採れた魔石に半分を税金として納めることの王家からの証書を懐にいれ、
いつも魔石を収めている王家専用の店に出向いた。
私が店にはいると、いつものように店員が私を応接室に招いた。
いつもより、早い私の訪問に店員は驚いていたようだが、私は店主に話があるので、ここに呼んでほしいと、頼んだ。
いったい何の話なのか? 怪訝な顔をした店主に、私はいきなり証書を机の上に置き話をきりだした。
これからの話の成り行き次第で、私は王都に供給する魔石をすべてストップすると店主に告げた。
店主は酷く驚き、おろおろと額に冷や汗を浮かばせ、魔石の設定料金が安すぎたことでしょうか?
と、アーノルドに尋ねた。 今まで魔石、500個の料金は1億6千万ギガから、2億円に引き上げると、
思ってもいない店主の言葉に動揺した。
前回の納品で、大変珍しい貴重な魔石が多く入っていたので、この次の取引で金額を引き上げるとの話だった。 店主の言葉に私は何を言っているのか? まるで理解できなかった。
私に渡される魔石500個の代金はいつも、800万ギガだけであった。
それは、、、と店主は言った。 いつも魔石をもって王都に来る前に、子爵様の代理の辺境伯様のご子息が、子爵様は魔獣退治で忙しいので子爵様のお嬢様の婚約者の辺境伯の子息が代理で代金を先払いでお支払いしています。と言った。 ??? それはいったいどうゆうことだ。
辺境伯の息子との婚約は2年半前に解消して、それ以来辺境伯領とは、付き合いがない。と言うと、店主は、それはおかしな話ですね。 私どもはその代金で子爵領への辺境伯の軍隊派遣と、食料の配給をして、差し引いたお金は子爵様に渡っていると、聞いていました。
やはり以前の辺境伯との契約をそのままにしていた私の責任だ。
確かに以前の辺境伯様との契約はそうであった。 辺境伯様が私たちの領の税金を払ってくれており、
兵士の提供も、領民にたいしての、食料配給もしてもらっていた。
私達共同でとった魔石は辺境伯様が管理され、私たちは、その取れた個数によって、私の領にもお金が支給された。
今のように、魔の森や魔の森付近には魔獣は多くいた辺境伯の騎士たちと共同で、討伐していたが、子爵領を荒らす魔獣は今ほど多くはなく、一日の討伐も1,2頭のこともあったので、800万ギガにもあまり違和感をかんじなかった。 だいたい、魔石1000個の契約はいつからなんだろう。
これは辺境伯と共同の数ではないだろうか? やはり以前の契約がそのままになっていて、私が、反対に辺境伯の税金、魔石納入を肩代わりをしていた、ということなのか?
そしてレイナの婚約者の辺境伯代理の息子が前借? 話の内容が、理解できず、頭が混乱した。
重大なことをそのままにしておいた私が悪いが、辺境伯様の死後、新しい領主に何度も面会を申し込んだが、病状がすぐれずとの理由であってはもらえず、魔獣退治の忙しさに、そのままになってしまった。
店主はすぐにでも王宮に知れせ、このことを問いただしましょう。と言ったが、私は今まで前辺境伯様には、恩があるので、これ以降、私の代理と辺境伯の息子がきても、とりあわず、代金は私に払うようしてくれ、と店主にいった。 それを不服に辺境伯の軍隊がでたら、返り討ちにすることは、了解しといてくれ、と言った。 思わぬ展開に私は眩暈を感じたが、今回、話したいことは、そちらの話ではない。
私は以前に軍部であったこと、それに対しての処分はあまりにも、不条理で見過ごすことができない。
これに対して王国に、国唯一の聖剣士として、抗議を申し入れる。
もし納得のいかない回答を貰えば、我が領として納める税金、魔石500個の半分250個以外は国に納めることをストップすると、店主に言った。 店主はかなり青い顔になり、慌てて店員に何かことづけていたが、
私は言いたいことだけを言って、店を後にした。
私は懐かしい家族が待っている子爵邸に帰ろう。 ことのいきさつを、ジェラルドに相談しよう。
私は最近めっきり逞しくなって、息子の顔を思い出し、馬にのり、王都を後にした。
それにしても、辺境伯の息子とやらは、腹立たしい。 今の私には、一億、2億の金はさほど、魅力のある金ではないが、2年半も魔獣退治におわれ、搾取されていたなんて、私は自分の愚かさに苦笑した。




