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土魔法の令嬢  作者: 雪風花


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お兄さまからの苦言

その日のディナーで、私は、庭のアルバイトの人達に庭仕事に変わる、なにか良いアルバイトをこれから探したいと、話した。  父様も母様も、おおむね賛成してくれたが、兄様は顔を曇らせた。


兄様は私に、レイナ、お前の理想とはなんだ?  この子爵領をどうしたいんだ。

確かに我が家には莫大な資産が有る。  村の人達に還元したい気持ちはわかるけど、お前はあれもこれも、抱えすぎてしまって、最近心配になってくる。

それに、、、と兄は続けた。    この間、お前がアンナさんに家でお茶を飲んでいる時、村長さんのところに新しい村の打ち合わせにいったが、村長さんから、子爵邸のアルバイトの話が出て、最近では女性、子供からも手伝いに参加したいと希望があるという、それはアンナさんの手伝いの後に出る、お土産のこともあるが、お前が出した法外なアルバイト料にある。  

法外なアルバイト料?   私は兄に聞き返した。

確かに私は以前、高いか安いかわからないけど、半日5千ギガと言って、皆に早く渡したくて日払いにしたけど、アルバイト料が法外だったんですか?、、、 私は兄に聞き返した。


兄は、私も今まで、魔獣退治におわれ、賃金のことは、良く知らなかったが、隣の子爵様に聞いたら、子爵領の賃金は、熟練職人の手数料は月に20万ギガ、普通の職人はそれの半分より下だそうだ。

ところが、お前の渡している、アルバイト料は一日に換算すると、一万ギガ、一か月になると、30万ギガになる。  庭の手伝いに、半日5000ギガは高すぎる。  レイナが生み出したお金だから、レイナの好きなようにすればよいと思ったが、今回の服のことも、そうだが、村長の話によると村の住民の金銭感覚がおかしくなってしまってるようだ。  金銭感覚がおかしくなった?

確かに今まで、めぼしい産業も何もない土地で頑張ってくれている、領民に力のある男たち10人に給料らしきものを、月10万円払ってきた。 それは命懸けで、魔獣退治に行く男たちに私達が魔獣退治の報奨にもらった中から、出したものだが、領民も納得していた。 彼等も村に住む、人達と協力して、村で出来た豆や菜花を高く買ってあげたり自分たちが狩った魔獣の肉を提供して、助けあっていた。 

 最近は少し事情が違ってきて、危険な魔獣が多く、彼等には、村の付近に時々出る魔獣だけ退治をお願いするのみだ。

父上と母上に相談して、村の住民たちに無料で魔獣の肉の提供と、4か月に一度、野菜の無料提供をしていたが、それは、なんとかこの村を維持したいという思いだからだ。

そんな時、魔獣退治に参加している屈強な男達に、アルバイトを、というレイナの考えに賛成したが、

村では、どうやら違和感がでているようだ。 魔獣退治ではない、危険でもない仕事にお金がでることで、力のない女、子供までこのアルバイトを希望する人が出てると言う。

ここまで、話続けた兄が少しお茶をのんだ。  父も母も黙って兄の話を聞いていた。

村に格差が生まれてしまった、と、、、   お金を手にした夫人の一人は、あの店で大量のポシェットを買ったそうだが、あのポシェットを村で3倍の値で、売ったという、それと、さすがに兄は私に言いにくそうにしていたが、続けた。  お前の無料で村に提供した、服も今、街の人たちの話題になり、なぜ自分たちには売らないんだと、苦情がでているようだ。  やはり、両子爵家、共同の街でそれをしたのは、間違えだったようだ。  あの刺繍が話題になって、この間来店して、服を買った令嬢が友人たちのために多量に服を予約したと、聞いた。 ポシェットの追加も頼まれたようだか、店は、顧客と言うことで、むげに断ることも出来ずに大変困っているようだ。 

オーダーメイドで作る、服と平民に提供する服を分けていなかった。

ミシンのない今の時代、オートクチュールで平民用の安価な服を作るのは難しいものがある。

 

ああ、と私は肩を落とした。  自分の浅はかな考えに、今更、恥ずかしくなった。

確かに私は村の人たちに、何か記念になるものをと、金糸と銀糸の刺繍を施した服を提供してしまった。


そのことも、最近村でのいさかいになっているそうだ。  最初、ブラウスかスカウト、どちらか一つにと、言うことだったが、途中で、女性というのは、お洒落に目がないとの理由で両方の刺繍を許可してしまったので、1品しか刺繍しなかった女性との間で、ちょっとした、争いになっているそうだ。 さらに服を無料提供された夫人の中には他の領で服を大金で売った人まで現れた。   

兄の話は私のまったく知らないことであった。   

私は自分のブランドとして、金糸、銀糸を刺繍を出したが、ブランド品と無料の品を分けることを、しなかった。  確かに店のブランドにするなら、無料で配って良いわけがない。

兄の言葉は、静かに続いた、お前がこの領の村をどうしたいのか?  生活水準を押し上げて、物価の低い両子爵領の人たちの物価をあげたいのか?    すでにお前が無料で村を再建すると言ったら、村長さんのところに、親戚、兄弟を呼び寄せたいなどの、相談も来るようになったらしい。

モット村を広げ、発展させたいのか?  それは、レイナの初期の希望とはちがうだろう?

私はアルバイト料の話から、服、そして無料の家と土地、とつぎつぎ、兄に指摘されて、

ついに泣き出してしまった。  母は私を慰めるように抱きしめ、兄と父はおろおろしていた。

レイナが悪いわけではない。 父はポツリと言ってくれたが、慰めにはならなかった。


つい最近の話らしいが、カリナさんも店長も何も言ってなかったが、きっと店は混乱しているんだろうな。

無料で作ってたロゴに入った服を他の領で高値で売るなんて、、、考えてもみなかった。

村の人に良かれて思ってやったことが、住民たちのもめごとになっていたり、我が領民ファーストで、街、および隣の子爵領の人たちにも軋轢を生んでいるなんて、、、

このことは、一度店長、シェリーさんに相談しないとね。

石づくりの家の提供の話もお兄様と村長さんとよく相談しながら、勧めて行かないと、将来、大変なことになるかもしれない。   街づくりのことも隣の領主様と相談が必要だった。

これから、私がやることによって、この領の未来が、自分の理想とかけ離れたものになる予感に、私はすこし怯えた。   幸い給料の話はレイナ家族にだけは、値上げを決定してしまったが、アニーさん、マチスさんには、まだ一か月もたっていないので、正式には給料は掲示していない。

物価がひどく安い子爵領には子爵領の適正価格があると思うので、そのことも、もう一度、考慮しないとね。


明日はお父様が王都に出かける日。 メリーも心配しているし、これ以上泣き顔はいけないわ。

私は自分の部屋で涙を拭った。







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