カリス家の人々、魔道具屋で、、、
小型馬車じゃなくて、少し大きめの馬車、6台、となりのファーブル子爵家から、注文が入り久しぶりに我が魔道具やにも俄かに活気がもどった。 もともと、両住民からの注文は少なかったがそれなりに、隣の領の伯爵家からの援助、注文があり何とか、自転車操業ではあったが、この魔道具屋を商っていた。
辺境伯家の援助がなくなり、今度は伯爵家に頼りすぎたのか? もう一つギルドがある、伯爵家があるが、そちらには一切、売り込みもせず、この度、縁がきれた、伯爵家ばかりに頼っていた。
カリス家の長男、アルフレッドは、我ながら商才のなさにため息をついたが、今は忙しく反省してる場合ではなかった。
最近めっきり元気がなかったお父上も元気になり、街に残るガラス職人、家具職人の家を回って人集めをしている。 もっとも、職人といっても、若い子供達は皆この街を出て、残っているのは親世代の年配者ばかりだが、久々の大仕事に皆喜んでくれた。
ファーブル家のお嬢様レイナ様は、まだ12歳であるが、頭脳明晰で娘のカリナも最近午前中、ドレス及び服の打ち合わせで、毎日のようにレイナお嬢様ののところに出かけていき、お嬢様のアイディアに感心し、日に日に明るく楽しそうになっている。
そういえば、金の粉と銀の粉を持って来て、これで刺繍糸を作ってくれと言われた。
金糸、銀糸は一般の服に使われるものでは到底ない、絶対ない、特にミスリルの粉は我々魔道具屋でも、喉から手が出そうになる代物だった。
手付金もいただき、お嬢様は、馬車の材料となる、鉄鉱石を寄付してくださるという、おまけにミスリル、5個の小石をつけて、、、 砂庭を土に変える時、ファーブル家の庭に鉱山でも見つけたのでだろうか?
あれだけ魔獣を倒しているので、魔石を金やミスリルに変えて持っているのかもしれない。
居間の飾り棚には金の女神像、大、小の金のコップも並べてあった。
昔から、伯爵家の子飼いの子爵家同士と言うことで付き合いはあったが、かなり領土に余裕がないように見えた。 こんなことなら、 もっと早くに我が家の窮状を相談すればよかった、と思った。
お嬢様のリクエストだと、馬車の座る部分に鉄をコイル状にしてスプリングをほどこし、座り心地をよくするように、、、との注文だ。 コイル状、スプリング、これは、ベットにも応用できるな。
一家総出で、馬車を作るカリス家の魔道具屋は久しぶりに活気のある、忙しい朝を迎えていた。
そんな時、おりしもマチス一家の朝にも爽やかな風が吹いていた。
昨夜のマチスの話に、子爵領から、石屋に仕事が入ったことが信じられなかった。
マチスは持ってきた、300万ギガを出してきた。 長男ミゲルは自分たちが3人で5年間働いてたまらなかった金を見て、マチスの話が本当のことだと、信じた。 父親が自分たちを迎えに来てくれた。
末のビリーはうれし涙を流した。
ハロルドは朝食のパンと机の上に出した、お金の袋を交互にみて、嬉しそうだった。
ミゲル、代表して公爵領の仕事をやめてこい。 我々は今日の午後この街を出て子爵領に戻ろう。
父親の言葉に、ミゲルは頷いた。 朝食後、ミゲルが外に出ると、いつも見ている公爵領の空は、霧が晴れたような美しい空だった。 ミゲルは風魔法で風に乗り、颯爽と職場に向かうのであった。
職場の同僚はミゲルを一瞥すると、それぞれ現場に去っていった。
主任はいぶかし気に彼を見て、給料の値上げは出来ないと言った。
いや、値上げは結構です。 仕事はやめます。 と言ったミゲルに驚いた主任は、風魔法の仕事人に急にやめられたら困る。 前借は許可しようと言ったが、ミゲルはきっぱり言った。 言い切った。
今日我らが子爵領に戻ります。前借はけっこうです。
あっけにとられる主任を後にして、ミゲルは晴れ晴れとした気持ちで公爵領の石屋を出るのであった。
ミゲルが戻ってきて、ミゲルは一足先にテーブル、椅子などの、荷物を持ち子爵領に行き、挨拶に行きたいと言ったが、マチスは、お前たちはこの公爵領で苦労した、特にミゲルは、、、
テーブルと椅子はこの部屋に残して、毛布だけ各自持って帰ろう。
帰りはゆっくり、馬車で帰ろう。 お前たちの苦労を洗い流すようにこの金で今日から子爵領に行くまで贅沢な旅をさせてあげよう。 その中で真ん中のハロルドは目を輝かせたが、しっかり者のミゲルは、親父お金は大切です。と私に言った。 大丈夫、まだ金はたんまりある。 マチスは息子達に微笑んだ。
乗合馬車にのり、初日4人は公爵領のはずれにある、高級と言われる宿に泊まった
宿の人たちは、いかにも職人という4人を見て怪しんだが、先にお金を払ったら、急に態度を変え、丁寧に迎えてくれた。 ここの風呂で公爵家であった苦労をすべて流して、新たな気持ちで子爵領にもどろう。 とマチスはいった。 その夜出た、食事の豪華さといったら、公爵領であった、辛いみじめなことを忘れ、4人は明るい子爵領の未来をかたり、思う存分、食事を楽しむのだった。




