お母様のお父様、アーサー
その頃、アーサーは庭の前に何度もメイドを見に行かせて、孫のジェラルドを待っていた。
あれほど、心配してた孫娘が、元気になり、儂の土魔法を継いでくれたことがひどく嬉しく、孫娘が初めて出したという魔石を握りしめ、車いすから何度も立つ練習をしていた。
自分ももう一度、元気になって、何とか、彼女を助けてあげたい。可愛い孫の顔が見たい。
その一心であった。
思えば、孫の病気がひどくなり、婚約を解消され、一年もしないうち、愛妻が死んでしまった。
辺境伯の息子との婚約など、いくら友人との話の流れといえ、もっと慎重にすればよかった。
孫娘の病気に悪化、友人の死、孫の婚約解消、妻の死、立て続けにおきた、アーサーはすっかり生きる気持ちを失った。
ただ、今住んでいる子爵領はやはり年々野菜の出来高が減り、子爵様から頭をさげられ、
子爵領の農家への、野菜の苗の出荷、街の野菜を扱う店への野菜の配給を一手に引き受けている。
ここは、両子爵家の共同ということで、娘の領土の村の人も、時々街に買いに来る野菜、まだまだ倒れ、寝込むことはできない。
昨日も今日も子爵領のぼっちゃんが、使用人を連れてきて、儂の畑を手伝ってくれている。
あそこの家は全員魔道具に優れた一家だが、次男はどうやら、植物に興味があり、薬草の研究をしている。
ジェラルドとは顔見知りなのだろうが、今は魔の森は部外者が入るのは、無理だということで、最近は儂の畑を、魔道具研究の合間、ちょこちょこ顔をだす。
多分、子爵様から、手伝うよう言われているのじゃろう。 真面目で気の良い若者だ。
庭に出て、レイナに送る野菜の苗を、キュウリ、トマト、キャベツ、青物野菜。イチゴなど、あれこれ選び、最後に娘のマリアーヌの好きな花をいろいろ見ている。 百合、ディジー、アスター,スイトピー、スズラン、ガーベラ、カトレア、フリージア、そうそう、あの子はバラの花が好きだったな。
特に王宮隊員のアーノルドのプロポーズの時に持ってきた赤いバラが、、、飽きずに眺めていたよ。
妻も私の隣で、笑顔を見せてた。
アーサーはその時のことを懐かしく思い出していた。




