土魔法のおじい様
砂に少しの土の混じる、活気のない、我が領土の街についた。
隣の子爵と共有の街だと言うのに、今日も人通りは少ない。
隣の子爵領も年々砂漠化が進んでいるので、人口が減っているが、まだ2千ほどの人口を保っている。
以前は農業が盛んで隣の伯爵領の人達も馬車で野菜を買い付けに来ていたようだけど、砂漠状態じゃ農業もできない。 それでも、野菜を売る店には人参やジャガイモ、トマトなのの野菜が並べてあった。
これ、皆おじいちゃんのところの野菜だよ。 兄は嬉しそうに私に言った。
兄は肉屋さんに行って、魔鹿一頭と角兎2頭を除きすべて肉屋に無料で渡した。
持ち帰る鹿肉と兎の肉は角兎一頭を除き冷凍してもらった。 ちなみに父の魔法だと、肉は瞬間冷凍され、肉は6か月は新鮮なままだそうだ。 父の魔法は便利で素晴らしい。美味しい魔法だ。
あまり時間はないが、私が土魔法を授かったことを、父に知らせたいと、母の願いで、急遽、母のお父様の家を訪問することにした。ここから、2時間ほど馬車で行ったところだが、私も私のおじい様に会いたい、
馬車で2時間ほどすると、大きなお屋敷が見えてきた。 よく見ると、屋敷は小さいが庭が広い。
おじい様の屋敷の周りの土は所々残っていて、雑草も生えている。
庭には、緑が多く、果物の木、野菜がたくさんなっている。庭というより、畑だ。
私と兄は庭を見て回り、私はおもわず、豊かな土をにぎりしめた。 母は先におじいさまの家に入り、
おじい様の車椅子をひきながら、庭に出てきた。
おじいさまは私が土魔法を教会で授かったと言うと大変喜んだ。
それより、私が元気におじいさまの庭に立っていることに驚き、私の泥まみれの手を優しくその大きな手で包み込んでくれた。 土魔法、私に教えてください、私はおじい様にお願いした。
おじいさまは、なにもいわず、大きな手を地面に向け、なにか呪文を唱えた。
すると土が盛り上がり、新しい土が出来ていた。 すごい土魔法。
私は練習した魔法をおじい様に見せた。 指、5本からすこし茶色が濃くなった光線を見て、おじいさまは、私のことを褒めてくれた。わしはこれができるまで、6か月かかった。お前は天才だと、、、
とほほ、おじいさまは、魔法の洗礼を受けたのは、10歳、私はもうすぐ13歳。と言おうとしたが、褒めてくれたのですなおに喜んだ。 メイドさんらしき人がお茶の用意が出来たと呼びに来たので、私たちは屋敷に入った。 おじいさまはアルプスの少女に出てくる、ハイジのおじいさんに似ていて、優しそうですぐ私は大好きになった。 私が9歳で病弱で寝ていた時も、よく果物をもってお見舞いに来てくれついでに我が家の庭の世話もしてくれたようだ。 そのあと、おばあ様をなくし、すっかり元気がなくなったおじい様は、急激に足腰が悪くなり、時々母がおじい様の様子をみるだけになっしまった。
母も私も寝たりき状態になって、魔獣の動きが活発になり、なかなかおじい様に会えなかったようだ。
お茶をのみながら、砂を土に変える魔法は可能か? と聞いてみたら、もともとこの辺の土地は豊かな土だった。 それが砂に変わってしまったが、砂の中にある、土を呼び起こすことは、大変なことではあるが、不可能なことではないと、話してくれた。 砂の下にある土を呼び起こすような気持ちで、、、、今の私にはひどく難しいことだけど、くじけず挑戦していこうと思う。
話は10歳の時の私の婚約放棄のことにおよんだ。もともとおじいさんと、辺境伯の領主の父親は仲が良くて、婚約話を決めたが、辺境伯の友人が亡くなってから勝手に婚約を放棄したと、怒っていた。
辺境伯の友人は寄り子である、子爵領にも毎年多くの農作物を寄付してくれたようだが、今ではその援助もない。 私の父もその当時は辺境伯の領土で魔獣退治に参加してよい関係を保っていたらしい。
すべては私の病弱な体のせいだ、 私は呟いたが、おじい様は、それは違う。と首を振った。
私達の勝手にした婚約話が、孫を不幸にして、申し訳ないと私にあやまった。
最近は今の辺境伯はどうやら、具合が良くなく、もと婚約者だった息子が隊をひきいているが、その息子が働かず、討伐もせず、魔獣を近くの魔の森のある子爵領に追い出しているという、噂だ。
ここの子爵領にも、影響が出てる。魔獣が多く出て、人が住まなくなった場所は、腐敗が進行してくる。
儂がもうすこし元気なら、今の辺境伯爵のところに怒鳴り込むのだが、、、
おじいさまは悔しそうにそう言った。
おじいさまは私たちがもう少しゆっくりできると思って名残惜しそうにしていたが、私たちは何とか、今日中に自分たちの領地に帰りたい。
おじいさまは書斎から何冊かの本をもっきてくれて、何かの参考になるかもしれないと自分の日記と私にも魔法日記を書くようにと、日記を渡してくれた。 お兄様には、野菜をたくさん持っていくように、、、と言った。
最近は子爵領の領主が我が家に頻繁にやってきて、この領の住民に野菜を分けてやってほしい、と頼んでくるようになった。 子爵領の領主の息子も時々屋敷に来るので、良かったら今度紹介しよう、
いえいえ、おじい様、わたしは貧乏領主の息子には興味はありません。 危うく言葉がでるところだったが、やんわり断った。おじいさまに、お土産の角うさぎを渡し、かわりにおじいさまの育てた、野菜をたくさん受け取って、私たちは自分たちの領土に急いだ。




