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不遇王子は脳筋になりたい  作者: 田中恵人
第一章 学園生活リスタート
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第19話 第2階層

 第2層は草原に加え、木や池が追加されている。第1層より魔物の種類も増えることだし気を付けよう。そして、後ろを振り返ってみると、降りていたはずの階段がなくなっていた。

 

 「守衛が言ってた注意ってこれか」

 ダンジョンは入るたびに地形が変化し、帰るためには専用のアイテムが必要不可欠だと聞いている。今回はそのアイテムを一人ひとつ所持しているから、なくさないよう気を付けなければ。

 

 「ロイド、階段はどこかわかるか?」

 「ちょっとまって……ん?なんかいくつもあるんスけど」

 その場を右往左往していて、方向が定まっていない。彼曰く、探し物の対象が複数あると精度がグンと落ちるらしい。

 

 「うう…申し訳ないっス」

 「まあまあ、多分私達が最速だろうし、地道に探そうぜ」

 落ち込むロイドをヤタガラスが励ます。彼女の言う通り早めに進めたのは彼のおかげ。演習の目標は第3層の目的地への到達。僕たちが使える時間は2日以上もあり、まだ1時間も経ってない。魔物がどの程度の強さかわからないが、正直余裕だろう。

 探索を始めて1時間、水分補給のために水辺に近づいたのだが、ボコボコと不自然に泡立っているのがわかった。落ちてた石を投げ込むと、水面から何かが飛び出してきた。

 水生の動物かと思ったが、現れたのは不定形の粘液の魔物――スライムだった。

 

 「エル、仕事だ」

 「承知しました。〈ストーンバレット〉!」

 エルシオンの手から土の弾丸が放たれる。それはスライムに直撃したのだが、粘液のせいで核まで届かなかった。

 土の弾丸と核まではあとわずか。一番前にいた僕は剣を抜き、追撃する。放った突きは土塊のおかげで粘液をくぐり抜け、核を貫いた。核を失ったスライムはただの粘液となり、溶けるように消滅した。

 ドロップアイテムは小石ほどの魔石だけだった。回収してポーチに入れていると、エルシオンが声をかけてきた。

 

 「サウザー殿下、助かりました」

 「どうも。……君ちょっと口調変わった?」

 出会った時はタメ口だったのが丁寧になった気がする。あの時は無能王子に敬意を払う必要はなかったって思ってたのかも。……王子相手にタメ口はマナー的にどうなの?

 非難を込めた視線を送ると、彼は申し訳なさそうに頭を下げた。ま、これでチャラにしてあげよう。

 スライムの他に、1階層で合った角ウサギや、歩くキノコに獰猛なニワトリなどに遭遇した。僕とロイドで削り、エルシオンがとどめを刺す。複数で出現することもあったが、魔物が弱いからか安定して狩ることができた。

 ちなみに、ここまでヤタガラスは一切戦闘に参加していない。Bランク冒険者の彼女が出る幕のないって考えればまあ許せるか。

 

 第2層に入ってから3時間。ちょうどいい木陰があったので、休憩することにした。

 ニワトリからドロップした肉を焼き、塩コショウで味付けする。付け合わせにパンと緑茶といったシンプルだが温かい食事を堪能し、探索を再開。

 草むらから薬草を採取したり、魚がいないか水面を覗いたロイドが池に落ちたりしたが、無事第3層への階段を発見した。

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