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『保存スキルで始める異世界村づくり』 〜役立たずと言われた能力が、最強の村を作る〜  作者: 玖龍
第1章 召喚された『保存』の少女

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第17話 宝石店『Orphe』

「本のことも解決したし、あんたたちさえよければそろそろ兄のところへ行かないかい?」

エレナがそう言うと、未来みくは大きく頷いた。

「そうですね! 行きましょう!」

『Orphe』へ向かう途中、エレナがふと思い出したように尋ねる。

「そういえば、兄のお店では何の宝石を買うんだい?」

未来みくは笑顔で答えた。

「全部です!」

「は…?全部!?」

エレナは思わず立ち止まる。

「それは本当かい?」

すると、隣にいたマリが口を開いた。

「本当ですよ。ミク様が宝石を保存するには、まず宝石の知識を覚える必要がありました。そのため、今日は先にエレナさんのお店へ伺って、本を保存してから『Orphe』へ向かうことにしたんです。」

「そうだったのかい。」

エレナは納得したように頷いた。

「でも、兄の店にはかなりの数の宝石があるよ。本当に大丈夫なのかい?」

マリは微笑みながら未来を見る。

「先ほど、あれだけ大量の本を一瞬で保存されていましたから。きっと大丈夫です。……ね?」

突然話を振られた未来みくは苦笑した。

「た、多分!」

その一言に三人は思わず笑ってしまう。

そんな和やかな雰囲気のまま馬車は王都百貨店ロイヤルマーケットへ到着した。


三人は三階にある宝石店『Orphe』へ向かう。しかし――。

「……あれ?」

店の入口には『本日休業』の札が掛けられ、扉は閉まっていた。

「なんで?」

未来みくは慌てて辺りを見回す。

「どうしよう……。」

マリも心配そうな表情を浮かべる。

「何かあったのでしょうか……。」

すると、エレナは何事もないかのように店の横の壁を軽く三回叩いた。コン、コン、コン。ドタバタと音が聞こえ、少し経つとゆっくりと扉が開いた。ガレスが姿を現し、深々と頭を下げる。

「いらっしゃいませ。お待たせしてしまい、申し訳ございません。」

未来みくは胸をなで下ろした。

「こんにちは!お店が閉まっていたので、びっくりしました。」

ガレスは苦笑する。

「商品を全て残しておかなければと思いまして。今日は営業を止めさせてもらったんです。」

そして、エレナの姿を見つけると目を丸くした。

「……って、なんでエレナがいるんだ?」

エレナは笑いながら肩をすくめる。

「一緒に連れて行ってくれってお願いしたんだよ。それに、あんたにも大事な話があってね。」

ガレスは小さく頷いた。

「分かった。では、ミク様、マリ様、こちらへどうぞ。エレナも中へ入ってくれ。」

三人は店の奥へ案内される。


そこには昨日とは比べものにならないほど多くの木箱が積み上げられていた。ガレスは笑顔で言う。

「では、こちらが買い取っていただく宝石の全てになります。」

未来みくは目を丸くした。

「あれ?」

「昨日の倍以上ある気がするんですけど……?」


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