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『保存スキルで始める異世界村づくり』 〜役立たずと言われた能力が、最強の村を作る〜  作者: 玖龍
第1章 召喚された『保存』の少女

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第16話 旦那の形見

「あっという間になくなっちまったね。あんたのスキルは何なんだい?」

店主エレナはそう言った。

「私のスキルは【保存アーカイブ】です。鑑定してもらった時に役立たずのスキルと言われました。店主さんはどんなスキルをお持ちなんですか?」

未来みくはエレナに尋ねた。

「そういえば、まだ自己紹介してなかったね。あたしはエレナ。あたしのスキルは【鑑定アプレイズ】だ。」

鑑定アプレイズ…?」

「本や鉱石、道具なんかの価値や品質を見極めることができるんだ。」

「便利なスキルですね。」


未来みくが感心すると、エレナは少し懐かしそうな表情を浮かべた。

「この本屋『Luna』は私じゃなくて、旦那が始めた店なんだ。旦那は大の本好きでね。珍しい本を見つけては、嬉しそうに店へ並べていたよ。」

「素敵ですね。」

「私は兄の店の手伝いをしていたんだよ。兄は、あたしの鑑定を頼りに宝石店『Orphe』を営んでいたんだ。」

「兄妹で協力してお店をやっていたんですね。」

「そうさ。」

エレナは優しく笑った。

「でも、二年前に旦那が事故で亡くなっちまってね。店を閉めるわけにもいかなくて、今度は私が『Luna』を引き継いだんだよ。」

未来とマリは静かに話を聞いていた。そして、未来みくは頭を下げる。


「エレナさん。今日は、本当にありがとうございました。やっぱり何かお礼をさせて下さい。」

するとエレナは首を横に振った。

「お礼を言うのは、私の方だよ。」

「えっ?こんなに本を引き取ってもらえて、本当にありがとう。」

エレナは店いっぱいに並んでいた本を思い浮かべるように目を細めた。

「この本のほとんどは、旦那が長い年月をかけて集めた大切な本なんだ。捨てることになるかもしれないと思うと、ずっと胸が痛くてね。でも、あんたが『全部欲しい』って言ってくれた。旦那もきっと、喜んでいると思うよ。だから大事に使ってくれればそれでいいんだ。」

未来みくは胸が温かくなるのを感じた。

「必ず大切にします!」

その言葉を聞いたエレナは、安心したように微笑んだ。


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