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戦国タイムトンネル  作者: サクラ近衛将監
第二章 与えられし能力

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2ー17 蒼龍隊 その六

 流石に700人以上の隊員の収容を地上階でするには、丘陵地帯のなだらかな部分だけでは無理で、斜面にまで建設用地を拡大しなければならないが、そうすると周囲に建造物の威容が見えて目立つことになるやろう。

 また、四階建て以上の高層建築にすれば、より収容人員を稼ぐことができるが、それは、さすがにお城じゃないんだから、オーバーテクノロジーに過ぎて、やっぱり悪目立ちすることになるやろうな。


 一方で、基地の地下には先ほど紹介した特殊施設につながっている空間があって、そこには本当に機密事項がいっぱい詰まっている状況なんや。

 子供達の内でも信用のおける隊員だけが出入りできる空間であり、将来のための戦力化と食料の確保を図っているところや。


 戦闘部隊としては、現状で80名ほどの射撃部隊が編成できており、予備部隊も鋭意育成中やね。

 迷彩服と防弾防刃防具に身を固め、自動小銃を(たずさ)える近代的な兵士である。


 装備としては軽量の複合材料ヘルメット、背嚢、通信機、暗視装置、サバイバルナイフ、自動拳銃がある。

 地下の訓練場では、暗闇の中での射撃や体術の訓練をやっているんだが、さすがにこの地下基地訓練場は師匠となっている大人二人にも見せたことが無い。


 出動時には、銃弾20発入りマガジン7個を携帯しているので、80名の若き兵士は優に五千名近くの軍団にも十分匹敵するやろう。

 所持する武器のメインは自動小銃ではあるものの、彼らが行うのは数百メートルの遠距離から行う狙撃が主体である。


 自動小銃は、SCAR-LとHK416の二機種で、単純に言うと作戦により使用する銃が変わる場合があるんだが、SCAR-Lがバレルを交換することにより三通りの使い分けができるので、メインがSCAR-L、サブで耐久性に優れているHK416が使用されることになる。

 隊員には、どちらも使えるように訓練をさせているところや。


 蒼龍隊の運用では、狙撃がメインの使い方になるので、主として自動小銃では500m先の動く標的を狙撃できるように訓練している。

 対物ライフルは、マクミラン・ファイアアームズ TAC-50とバレットM82A1の二機種であり、長距離狙撃の隊員を選抜してからそれぞれに自分の使用銃を選ばせている。


 対物ライフルは遠距離狙撃となることから、訓練では千、千五百、二千メートルの距離での標的の狙撃訓練を行っているところや。

 上位10名ほどは、二千メートルの標的で無風なら百発百中の腕前を持っている。


 特殊な銃では、短機関銃でMini-UZIを輜重部隊の警備兵用として採用しているほか、護身用としてSFP9を採用している。

 こいつはいずれも隊員の全てが使えるようにしなければならないんで、13歳以上の隊員には男女差別なく、日々訓練をしているよ。


 銃器は扱いなれないと怪我をするからね。

 フレンドリーファイヤーなんてのは、以ての外(もってのほか)やね。


 擲弾発射器(グレネードランチャー)は自動小銃に付加するものと、専用のものが採用されている。

 基本的に対人用や。


 グレネードで対物破壊をさせるには、爆薬が少なすぎるからな。

 対物破壊(例えば城門や砦の破壊等)に使うには、C4爆薬等の特殊な爆発物を使うか、重砲になるやろうな。


 重砲は携行に不便なので、当座は実戦には使わない。

 使うとしたなら戦闘車両若しくは船で使うことになると考えている。


 監視用にドローンを採用しているよ。

 業務用ドローン RainMaker IIという奴や。


 こいつは滞空時間が丸々一日を超えるやつやから、使い勝手が良いんだ。

 ドローンで高空から監視していれば地上にいる奴らには気づかれへんはずや。


 俺が考えている戦術では、単純な話、戦ともなれば、敵軍の雑兵は指揮官の命令によって動くが、遠距離からその指揮官を狙撃されれば、部隊の運用ができなくなる。

 相手が万を超える大軍であろうとも、指揮官級の将兵を数百名も失えば烏合の衆になり、兵士は逃げだすことになるやろう。


 俺の取り敢えずの基本戦術はそんなことを考えているわけや。

 この時代の鉄砲の射程距離は概ね十間から二十間(20~40m)程度、確か千種(ちぐさ)街道の山中で信長を狙った狙撃手の坊主は十数間の距離で狙いを外したはずやねん。


 その十倍ほどの距離から精密射撃をされたなら、軍隊は動けない。

 実戦では、グレネード弾や高性能爆薬も使用するつもりでいるからな。


 一応銃剣を装着して近接戦闘もできるようにはしているんやが、戦闘中に手に負えないほどの数の大軍に接近される恐れが生じたら、そうなる前に速やかに撤退することを蒼龍隊の基本戦術としている。

 俺の親衛隊としては、こうした狙撃部隊を百名単位で最低三つは欲しいと考えているよ。


 部隊展開での問題は、多分部隊移動になるのかな?

 徒歩での行軍ができないわけじゃないし、相応の訓練は怠ってはいないが、戦闘前に将兵に疲れがたまるのは良くない。


 適当な移動手段も考えておく必要があるやろな。

 最悪、俺の時空間魔法による空間移動もできるんやが、当座の候補は、トレールバイクの利用かな?


 山を含めたオフロードを走るのに向いていると思うんや。

 ガソリン・エンジンは製造できないわけじゃないが、この時代に燃料の入手が問題やし、数を揃えるのは結構面倒なんや。


 錬金術と鍛冶で、仙術利用のエンジンを造ってみたいとは思うんやが、一方で、燃料の必要なガソリン・エンジンの方がむしろ実用には向いているかもしれんと思うてる。

 バイクを万が一敵勢力に奪われても、燃料が無ければ使えないやろう。


 何れにしろ、トレールバイクならば、時速20キロから30キロ以上(最高速度は80キロを超えるやろうけれど、悪路や山道を安全に走破するには低速にならざるを得ない。)で、道なき山野を走破できるから、遠距離からの高速移動も可能やろうな。

 雑草や木立の生い茂る場所を走らねばならないかもしれないので、搭乗者の身を守る特殊な構造にしなければならないし、奇襲の為にはできるだけ静粛なエンジンが必要やけどね。


 蒼龍隊隊員の訓練は、各人の能力に合わせて限度近くにまでの訓練を課しているが、無理はさせていない。

 もう一つ、蒼龍隊は銃器が主要武器ではあるんだが、格闘術にも重きを置いている。


 この時代では銃器は画期的な武器で有り、非常に便利なんやが、同時に道具であるから何時かは壊れたりするんや。

 このために使用時間に制限を設け、早めに銃器そのものを交換するようにはしているんだが、予期せぬ故障は何時でも起こり得る。


 その時に、自分の身を守れないようでは困るんや。

 俺の部下である以上、一人でも死なせたくはない。


 そのために、拳銃も持たせるし、脇差の長さに近い刃渡40センチのダガーナイフを持たせている。

 こいつは重くて硬いから日本刀と打ち合った場合、折れるのは日本刀の方だ。


 尤も、持ち手の方の膂力(りょりょく)が無いとそんなことはできないが、少なくとも戦に連れて行く連中は、片手でダガーナイフと同じ長さの10キロの鉄棒を10分間振り回せる奴じゃなければならないという内規を作っている。

 そもそも俺の仙術の中に他者の能力を引き上げる強化術が有ったので、それで隊員の基礎体力を徐々に引き上げている。


 付与仙術は、かけている間だけ一時的に体力等を引き上げるだけだが、新たに見つけた強化術は恒常的に引き上げたレベルを維持できる。

 但し、飽くまで徐々に体力を引き上げる方法で有って即効性はない。


 即効性を狙うなら付与仙術の方が良いだろう。

 また、食にもプロテインを混ぜて体力増強を図っているところや。


 プロレスラーとまでは言えないが、中にはボディビルダー顔負けのキン肉マンもいるんやぞ。

 しかも一人として鈍重な奴はいない。


 その中でも探索に特化した連中は、素早さと隠密に()けている。

 その連中には特殊な武器は与えているものの、万が一にでも囚われると面倒なことになるから、銃器は原則として携帯させていない。


 格闘術に長けた連中は、ダガーナイフ一本で、この時代の剣豪とも結構渡り合えるはずだ。

 剣術の師範になっている富田流の羽島師匠と立ち会っても、技で相打ちに持ち込めるほどの豪の者が居る。


 多分、腕力ならば間違いなく師匠よりも隊員の方が上のはずや。

 真剣で立ち会う機会は未だ無いが、普段通りにやれば簡単に相手の獲物を壊して制圧できるはずだ。


 殺し?

 殺すかどうかはその時の判断にもよるが、制圧した後に、捕縛して置く余裕があるなら生かしておくし、その余裕が無ければ敵は殺せと教えている。


 生き残る為の知恵で有り、例外は少ないはずや。

 蒼龍隊の仕上がりは、今の段階では上々と言えるやろう。


 実戦に即して攻城戦などでは火薬も使うことになると考えている。

 このため蒼龍隊の上級者に対しては、火薬を使った攻撃方法と武器の使用方法を教え始めている。


 尤も、こうした特殊な武器は、あまり人目に(さら)せないことから、俺の亜空間の中に広大な演習場を作り、そこで種々環境を変えながら戦闘訓練を行い始めているところや。

 もう一つ、増え続ける蒼龍隊の隊員の居場所を確保するために、田村山東方約3.5キロにある天神山の地下に大規模な宿舎を造り、田村山の基地の地下とつなげたよ。


 ここに、宿舎を造り、700名を超える人員は、当面この天神山地下基地に住まわせることにした。

 普段の訓練や生活は田村山で行い、寝るときは天神山の地下宿舎に帰るという具合だ。


 但し、隊員数が二千名を超えると、1万坪の用地でも混み合うことになるかもしれないから、その場合は、別途の基地をどこかに造る必要があるかもしれないと考えているよ。

 混み合うという状況は、ストレスを抱えやすくなるからな、適度な空間が必要なんやと思うよ。


 できれば俺の蒼龍隊隊員にはゆとりのある生活をしてもらいたいと考えている。

 特に、将来的に危険に晒す可能性の高い戦士達や、それらの者を陰で支える隊員たちには、絶対に必要なことやと思っている。



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