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第21話 誰!?

挿絵(By みてみん)


ネブリナ国で無事マリーナを仲間にした俺達は

出発の朝を迎えていた。


「そ、そそそれじゃ、おばあちゃん、いってきます」

「気を付けてね。いつでも帰って来ていいんだからねぇ?」

「うん!」

「いやぁ、大変でしたけど、無事マリーナちゃんをお迎えできて良かったです☆」

「……あんたは日向ぼっこしてただけだと思うけどねぇ」

「マリーナのことはお任せ下さい。何があっても僕達がお守りします」


エピステーメーは一歩前に出て言う。


「お、おおおおおおお王子様!!」

「うんうん、あんた達が一緒なら安心さ」


「え、えーと……」


ソウジが何か言おうとする。


「……あんたはマリーナが慣れるまでなるべく近寄らないであげておくれ」

「あ、はい……」


こうして一行はネブリナ国を出発した。


マリーナを囲む皆から少し離れて歩くソウジ。

アリシアはそんなソウジを優しく慰めながら寄り添って歩いてくれる。


また魔物や野獣を倒しながら山道を下り、麓の村に到着。

麓の村で休んだ後、マロ漁港へ向かう途中でマリーナが声をかけてくる。


「あ、あああああの!ちょっと寄って頂きたい所があるんですが……」

※蚊の鳴くような声


「ん?構いませんが、どちらへ?」

エピステーメーはメガネをクイッと上げる。


「え、えと……ユーダイモニアで母がバーを経営しておりまして。せっかくなので会っておこうかと……」

「なるほど。お母上も喜ばれると思います。一応ソウジにも言っておきましょう」


リリムは振り返る。


「おーい!ソウジさーん☆ユーダイモニアでマリーナちゃんのお母さんに会っていきますよぉ~!!」

※50メートルのソーシャルディスタンス


ソウジは遠くからOKのサインを出す。


「……俺いつになったらあの輪に入れるんだ?」

「ははは!その内誤解も解けるさ。それまでは私がこうやって傍にいるから安心してくれ」

「アリシアぁ~(泣)」


「しかしソウジの言っていた例のエルフと占い師の情報はえられなかったな」

「うーん、まあそのうちまた会えるかな…何か心配なんだけど」




そして俺達はユーダイモニアに到着した。

俺達はユーダイモニア繁華街の中心にある店へ向かう。


着いた店の看板には

“メシコン”


と書かれていた。

マリーナは店の扉を恐る恐る開ける。


「ちょっとぉ~?まだ営業前なんですけどぉ~?」

「あ、かかかかか母さん!」

※蚊の鳴くような声


「え?……って、ウソ!?マリーナじゃーん!!」


奥から現れた女性は俺達を見渡す。


「ちょっとちょっと超久しぶりなんだけどぉ!!」


マリーナの母、イヴは目を輝かせた。


「てかさぁ、後ろの人たち何!?

え、ちょ、イケメンいるんですけどぉ!?

……あれ?子供?

マリーナもしかして結婚して子供産まれたとか?

つかデキ婚とか?えー!!マジヤバくない!?」


挿絵(By みてみん)


「あ、あぅぅぅぅ……」


マリーナは困惑している。


「な、何というか……マリーナとは真逆の人だ……」


アリシアが呟く。


「楽しそうなお母さんですね☆」



俺達はカウンターに案内され、マリーナの母イヴと話す。


「へぇー、アンタまた海に出るんだ?まあいいんじゃね?」


「か、軽い……」

「う、うん。皆さんが一緒なら、その……」


イヴはニヤリと笑う。


「んん~?アンタさぁ、みんなというかそのイケメンに……」

「あばばばばば!!!!!!」


「?」


エピステーメーは首を傾げる。



「しかし、マリーナの母さん、マリーナと全然違うな」


俺はぽつりと呟く。


「あれ?みんなまだマリーナと船乗ってない感じ?」


イヴは腕を組んで笑う。


「そんならこれから分かるよー☆」


ニヤッと笑いながら言った。


「この子は間違いなくアタシの子だよ!!」

「そ、そうなのか……?」


挿絵(By みてみん)



そして俺達はマロ漁港へ向かうべく、店を後にする。


「そ、そそそそそれじゃ……また来るね、母さん」

※蚊の鳴くような声


「うんうん!いつでもおいでー!!屋敷に帰った時はまた寄ってねー☆」


イヴはエピステーメーに擦り寄り話す。


「マリーナのこと、好きにガンガンいっちゃってOKだかんね~☆あ、最初は優しくしてあげてぇ…」

「か、かかかかか母さん!!!!!!!」


「…?心得ておきます」

エピステーメーはメガネをクイッと上げる。


「いや、お前も真面目か!」


こうして俺達はユーダイモニアを後にする。


しばらく歩くとマロ漁港に到着。

港に向かって歩いていると、色々な町の人に声をかけられる。


「マリーナちゃん!久しぶりだねぇ!」

「あ、おばさん…お久しぶりです…」

※蚊の鳴くような声


「おう!マリーナ!!戻ってきたのか!!」

「あ、はい…ご心配おかけしました……」

※蚊の鳴くような声


「マリーナ大丈夫か?」

「マリーナちゃん、頭から煙が出てますね☆」

「出てますね☆じゃねーよ…」

「とりあえず、例の魔装船へ急ぎましょう」


エピステーメーがそう言うと、俺達は足早に魔装船のある港に向かう。


「あ、ソウジさん!魔装船の整備は終わりましたよ!!」

「ありがとうございます!あ、それと、しっかり連れて来たぜ!!」


「あ、あの…お久しぶりです…」

※50メートル後ろで蚊の鳴くような声


「あ、あれ?マリーナちゃんか!って、何であんな後ろの方に?」

「あ、はは…まあちょっと色々と…」


マリーナは魔装船に近付き、そして魔装船に触れる。

「…ただいま。父さん、私また海に出るよ」


挿絵(By みてみん)


それを見た俺達は優しく微笑む。


「ほら、マリーナ!」

俺はマリーナに船に乗るよう促す。


「え……わ、私から?」


エピステーメーはマリーナに優しく語りかける。


「この船は貴方の帰りをずっと待っていたと思います。まずは何より先に貴方に乗っていただくことが、この船に対する礼儀かと思います」


「……はい!」


マリーナは船に乗り込むと、駆け足で操舵台へ。

俺達も続いてマリーナの後を追いかけた。


「うおぉ!すっげぇ!めちゃめちゃ広いな!!」

「はい!デザインも素敵な船です☆」

「素晴らしい船だな!これは安心して船旅ができそうだ」

「カッコイイオフネ!」


「……」


俺達はマリーナの後ろ姿を見る。


「ん?マリーナ、どうしたんだ?」

「久しぶりにここに戻ってきたのです。やはり特別な感情が湧いてくるのでsy…」



「マジ神号久々すぎてマジテンション上がるんだけど~☆やっぱ船の上とかチョーアガるし!これから海出るとかヤバすぎでしょ~!!」


「ーーーーーーーーーーッ!?(声にならない衝撃×5)」


挿絵(By みてみん)


「でさでさ、ソージどこ行きたい系~?ウチマジどこでも付き合うしぃ~☆」

「いや、誰だよ!?」

「え、ウチ?マリーナっしょ!記憶喪失とかウケるんですけど~☆」


『…どうやら船に乗ると人格が変わるようだな』

「変わりすぎだろ…」

「え?え?剣が喋ってる!?やばっ!!マジ神じゃん!!!」


「イヴ殿の言葉の意味がよくわかったよ…」

「あの親にしてこの子ありですねぇ☆」

「アゲー!アゲー!」

「服装が変わっているような?これもファンタジーですか…」


「とりまさ~、行き先ウチが決めちゃってよくない?絶対アガるとこ連れてくし☆」


『……全然いんじゃね~?』

「何で伝染してんだよ…」


マリーナはエピステーメーの肩を組む。


「エピ先輩!マジで一生モンの思い出作ってあげるから♡」

「ーー!?わ、わかりました」


挿絵(By みてみん)


「よっしゃ~!んじゃ出発いっちゃお☆」



こうして、俺達は新しい大陸へと向かって旅立っていくのであった。






ーーーーーーーーーーーーーーー


ーーおまけ小話ーー


【魔装船の思い出】


挿絵(By みてみん)


「ヤバっ!!波超荒れてね?マリーナ、これイケる感じぃ?」

「大丈夫っしょ☆波とかノリで読んじゃうしぃ~!」

「ノリで波を読むな!!!」


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