表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミュニケーション・オンライン~コミュ力最強!仮説~  作者: C


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/95

追跡者、観察者、傍観者



『『NI――――――――――TO――――――――――!!!!!!!!!!』』



キレてるキレてる。



中継で響き渡る怒声。

血走った眼と浮かぶ青筋は、ヴァーチャル・ゲーム『スフィア』の無駄クオリティ。


アベンジャーズの前衛二人。魔法使いが剣士をブーストし、剣士が魔法使いを導く。剣士と魔法使いの絶妙なコラボレーション。

長モノと弓がネコをけん制し、足を鈍らせ誘導し、盗賊が奇襲。

食らいついたら離れない。


ネコは青筋を浮かべはじめ、ニートは笑いを深める。


再び剣士が斬りつけ、るのに紛れ、魔法使いがゼロ距離爆炎。槍と鎌、弓と女魔法使いが続く。

ネコがかわし、ネコが避け、降り立った場所で2人の盗賊が左右から特攻。


ナイフを弾いたネコは、お手玉しながら路地裏に。


中継映像を見ているギャラリーから歓声が上がる。はじまりの街中からだ。

そして、大広場。


「右に逃げ出した!」

「回り込め!いや、もう一つ先!路地左!」


指示が飛び交う『はじまりの街』大広場。ネコとお手玉を追う中継映像。それを見ながら指示を飛ばす僧侶二人。


アベンジャーズの指揮担当だ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――呆れ顔のセイ&トモ。


「なんで怒ってんだ?」

セイが肩をすくめた。


「ロハで代わりをつれてきてやる、なんて、おっさんにしたら破格だろ。後で元をとるだろうけどさ」

「ダダですーって言ったんですよ?ニートさんは別に儲けるんでしょーけど」


セイ&トモ。

呆れかえって、やれやれなセイ。

心底不思議そうに腕をくんでクビを傾げるトモ。

正気かおい。


「アーソリャフシギッスネェ」


棒読みC。

常識ある人殺しであるCには、ハードルが高い会話である。

高すぎないのが、ミソ。



まあ、アベンジャーズが怒る理由は、他人の葬式で位牌に抹香を投げつけるとわかる、んじゃないかな。




Cが奉じる主、ユエ。ユエが溺愛するセイ。

セイが預けられた・・・・

・・・・・本人に自覚はないが・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先がニート。


「単なるアホの子だったっすけどね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


今もアホの子ではあるのだが、付加価値がついてしまっている。

預け先、間違ってね?

主に代わって心配する常識人のC。


生き残るなら、ニートの傍が一番だろう。ニートが殺さないから、誰にも殺されない。

セイ&トモ。


オモチャか作品か・・・・・・・・・・ニートの造形趣味が、体ではなく心に向かっているのが良いのか悪いのか。

人体造形趣味はサイコパス、フィクションあるある。


ソレは免れたセイ&トモ。

単に乱暴者の学習不適応生徒(中学生)とその友達の落ちこぼれが、サイコパスの模倣品に!

親友とセットだから、後戻りも自覚も不可能だ。


ニートが単純にコピーを創りたがるタイプには見えない、だからこそ、作りかけなのだろう。だからこそ先が見えない。


ニートはこの二人をどんな形にするつもりだろうか。

だがまあ世間には関係がないわけで。







『さーさー意外なダークホース!かわされながらも喰らいつくパーティー二組、アベンジャーズ』


『中継映像を索敵に使うだけならともかく、戦闘指揮に使うとは』


『新機軸ですね?たいていの鬼はネコさんにまかれてしまい、一日中、仕切り直しを繰り返していますが』


『彼らより多人数の追跡グループはいくらもいますが』


アーネとか。


『皆、街中からネコを見つけ出す事に人数を費やしていました。鬼ごっこの勝者は一人。ライバルを蹴落とすためです』


解説のエルコレ。頷くルーシー。


『だから、肝心のネコを囲む段階で人数不足連携不足。人数の利は戦術レベルで消費していたわけです』


例えば、鬼ごっこ中にネコに踏まれ続け、ネコふんじゃった女王の名を受けたアーネとか。


『アベンジャーズは索敵を中継に任せ、戦力をネコに直接ぶつけています』


中継が大広場で指揮をとるアベンジャーズの僧侶に向く。


『彼女たち以外は全部ネコの周りです。安全圏の鬼ごっこだけに、回復役の僧侶がいりませんから指揮に回したんでしょう』


『なるほど』


『有効ですが、他の追跡者は簡単には真似出来ませんよ。ああして街の全景を幻術で表示、中継映像と照らし合わせてネコを把握して味方を誘導しています。一朝一夕にできる事じゃありません』


『という事は?』


『鬼ごっこは、初日から中継されていましたが、それを利用する手段を磨いていたんじゃないかな?』


『鬼ごっこ初日、二日目を捨てて?』


『この戦法を思いつき、気心知れたパーティーで、圧倒的レベル差を埋める練習を繰り返したんでしょう』


『おお!みなさん!三日目にして未だ混沌!鬼ごっこは続きます!』







鬼ごっこ、三日目。

デス・ゲーム開始から十日目である。時系列を整理すると、Cが路地裏問答で脱力し、ネコに蹴り飛ばされたのが二日目。

昨日だ。



え?時間が飛んだ?スタ○ド攻撃?いやいやいやいや。



鬼ごっこ、二日目は無事完了。

誰もマネ出来ない廃スキルで皆の度肝を抜いたネコと抜かせたニート。

その後は趣向を変えて、ネコが隠蔽スキル全開。


かくれんぼ!

スタート!


鬼ごっこ中継の報道ギルド『スフィア・タイムズ』こと『球スポ』。


「スフィア・タイムズが正式名称ですから!!!!!!!!!!」


さよけ。

により、ネコの潜伏場所は常にリアルタイム中継。ただし、俯瞰ではなく、ネコと同じ目線。しかも、ワザとネコは移動力をセーブ。

逃走より隠ぺいに全力を挙げた。


鬼ごっこ参加者は、中継を見ながら、あーでもない、こーでもない、とネコの隠れ場所を推測しながら街中をうろつきまわる事に。


『はじまりの街』はヴァーチャル・ゲーム『スフィア』最大の街


中継アイテムを付けた身長130cmほどのネコ。

かくれんぼ提案者のニート。


たった二人が隠れる場所はいくらでも。

完全に隠れるなら、鬼ごっこが盛り上がらない。だが、巧みに痕跡を残してアピール。


今までの人数やレベルに任せた力ずくから、プレイヤーの思慮や判断力が生きる頭脳戦に。最初から全力全開で参加していたアーネのようなガチ勢に加え、棚ぼた狙いのギャラリーから、さらに積極的参加者を増やしたのである。


賭けも中継も盛り上がる盛り上がる。


「まあ、結局、ステータス勝負っす」


頭脳戦、駆け引き、知恵比べ、に見える・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だけ。


ソコ!重要!


と言うのがニートである事は言うまでもない。

見える、は、在る。


魔術師奇術師「詐欺師っす」なニート。


イリュージュンは一瞬の芸術。


刹那に全てをかけてこそ皆を魅了「その場しのぎっす」なわけである。



もちろん実際はそうじゃない。



隠蔽スキルは安全圏でも有効。ハイエンドプレイヤーのネコが本気で隠れたら、見つかるのはニヤニヤ笑うニートだけ。


見つけられたニートが、笑笑集まった追跡プレイヤーに司会者よろしくクイズを出したり、ミニゲームを仕掛けたり。

クイズに答えて、賞品を貰い、我に返るとはるか彼方でネコが跳ねている。

ニートも跳ねあげられている。


マジでムカつく今すぐに。


見せかけでごまかしているだけで、結局スキル/レベル勝負。跳び、走り、躱し、止まる・・・・・パワーと違って、レベル差が解りにくい隠ぺいスキル。


完全に気配、音も匂いも振動も、ゲームスキルで隠せるのだ。

透明化でも迷彩でも幻術でもない。


ないが、しかし、人間の認識能力を、視覚だけではなく、五感まで完全に再現しているヴァーチャル・ゲームだからこそ、隠蔽スキルが効果的。


目で見えるのになぜ捕まえられない?

それどころか跳び回っていた時より見つかりにくいのはなぜか??

・・・・・・・・・・・・・・・・・・当たり前である。


もともと人間は目だけで相手を認識していないのだから、リアルそのものなヴァーチャルゲームで、リアルではありえない五感遮断をされたら、見えていても見えない。



それでもそうは思えない。

参加者は、スキルやレベルではなく、人の意識や錯覚のせいだと思ってしまうのだ。



しかも、ニートが、ムカつくやらイラつくやら、ネコ捜索に役に立ちそうで、たたない感じで参加者を翻弄。

最初から棚ぼた狙いの初心者は、ニートのミニゲームを楽しみ始める始末。


当然、かなり真剣にネコを追う中堅プレイヤーと温度差拡大。喧嘩にこそならないが、両者は距離を置く。初心者はニートを、中堅はネコを。


追跡者も中継も分散しまくり、隠れネコを探す目が普段の半分以下になる。


かくして、大いに盛り上がった『鬼ごっこ』は、まるで何一つ、進展なし。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――以上、二日目ダイジェストでした。







そして三日目。


ニートは常に同じ手を違う相手に使う。手札は尽きず、獲物も尽きない。それが人生ゲームのコツ。次は・・・・・・・・とニートが演出する前に、プレイヤーがゲームを変えてきた。


アベンジャーズ。


アベンジャーズの追跡は続く。ネコがかくれんぼをやめたから。珍しく、ネコが追い詰められている。


『鬼ごっこ』の焦点は、ネコカフェVSアベンジャーズ。


衆目が一致。

今日は、これだ、と。


アーネもだ。

それを見ていた。

期待と、不安と、疑念の眼で。




アベンジャーズを。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ