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コミュニケーション・オンライン~コミュ力最強!仮説~  作者: C


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フェスティバル




『じょーきょーしらせ!!!!!!!!!!』



はじまりの街、大広場。響く怒声は歓声をかき消した。それぐらいの怒声だった。Dの。


「あー、何でもないんで!スンマセン!!スンマセン!!」


と、周りをなだめるC。

手のひらを立てて周りに謝る様は日本人そのもの。

リアル・ボディとヴァーチャル・アバターが一致している、というのが本当なら、Cはどう見ても人種的には日本人ではないんだが。法律的には日本人かもしれないが。


まあ、何が起ころうと気に留めない人というのはいる。

特に、大広場だけではなく、各所の視聴者を相手にしている人たちにとっては、放送事故を許すことはできないのである。

・・・・・放送事故??

・・・・・・え、どこの視聴者かって???理論的にはゲーム世界『スフィア』全体で視聴可能。



「はやいはやい!!あの動きは何なのか!!!すべての鬼がリーチの中に入るのに!!!!なのにまるで手が触れません!!!!!解説のエルコレさん?」


「ゲームならではの重力も慣性も無視したトリッキーな動きです。ゲームシステム上可能な動きでも、普通はプレイヤーの感覚がついていきません。さすがはネコ。ああいうところは天災じゃなく、天才ですよ」


「天才と天災を兼ねているネコさんですが、もうひとつ気になるところが背中、から咥え直されたニートさん、まだ意識がありますか?」


「あいつもよくやりますね。気絶してんのか?気絶したフリか?わかりません」


「トリックキャラクターのネコ選手、トリックプレイヤーのニート選手、追いかけるのは、おや、2000プレイヤーを超えました!」


「追えるのは中堅プレイヤー以上ですが、網を張れば初心者にも勝ち目があります。勝利条件はネコに触るだけですから」


「と言うことは?参加している鬼は?待ち伏せプレイヤーをまじえれば三千を越えたかも???」


「見物がてら、機会を待つのもアリですから、棚ボタ込みで、むしろ全員参加ですね」


「お聴きのみなさん!まだまだ先は長そうです!ふるってご参加&ご見物を!」



大広場に陣取り、実況する報道?

ギルド『球スポ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スフィア・タイムズ』

レポーターのルーシー。


久々の登場である。解説のエルコレは、中継開始と同時にゲッツされた。



「ゲッツ――――――――――って、わりに楽しそうだな」

「たこ焼き♪♪綿あめ♪♪♪リンゴ飴♪♪♪♪♪」

セイ&トモ。


街中を飛び回るネコ、着ぐるみネコに咥えられていたと思ったら抱えなおされたニートが、幻術魔法で大広場中央に映る。

中継しているのはギルド『スフィア・タイムズ』の魔法使いチーム。

それを見守るギャラリー。

見物人は全体状況がわかるここか、臨場感がある鬼ごっこ現場に二分されていた。


なお、魔法使いチーム。彼らの中継映像は、鬼ごっこの勝利条件となる「着ぐるみに触れること」の証拠になることから、なし崩しに審判役のようになっている。






そして遙か離れた、まあ、ぶっちゃけ育成圏との境目、五つ目の街、教都。

ギルド『GG』戦闘指揮所。


Dは報告を再チェック。データなし。


『うちら攻略モンが見るわけないっしょ』

ケタケタ笑うCの声。はじまりの街からダイレクト通話。


まあ、そうだ。

前衛ではなく、後衛魔法使い。刹那の見切りでは同じギルドメンバーに譲るDにすら判る。


ネコは手を抜ききって、ダラダラしてるだけだ。


こんな様子なら誰も(攻略プレイヤーは)興味を持たない。チラリと見た攻略プレイヤーがいても、すぐに興味を失う。


トップアスリートが芸能人のお遊びに興味を持たない、そのようなものだ。

ネコの本気なら、すぐに攻略組合同調査団が派遣されるだろう。


『それがこっちじゃイリュージョンっす』


ハイプレイヤーの動きがレベル桁違いの初心者には奇跡に見える。かろうじて追える中堅も、ネコの、ハイプレイヤーの駆け引きに翻弄されている。

スペックダウンの舐めプですら、勝負にならない。


「イリュージョンはどうでもいいわ!問題はミスディレクションよ!!!」






はじまりの街に戻る。


『何が起きてるの!』

「っすね?謎告知からっ鬼ごっこ、球スポ便乗、オッズはそこそこっすね」


ネコに食い下がる中堅プレイヤーのトップ10を馬に見たて、順位予想でブックメーカーが出来ていた。


「張った張った!時は今!!決着一瞬締め切り不明!!!!エントリーメッセージ受信即参加!!!!ネコが逃げるか追いつくか!!!!!はたまたキレて暴れるか!!!!!!!」


大広場中央中継幻影の下にさりげなく、いや、厚かましく派手に店開きするブックメーカー受付。


「あれら、賭けを仕切ってるのは、こちら、育成圏の事情通」

『情報屋ね』


「屋台に出店を運営してるのはおなじみさん」

『・・・・・・・何やってるかと思えば』


飲食アイテムを売り歩くのは、トモだけじゃない。いや、自作アイテムを販売レベルで作れるのは中堅の上から、上級者。

他の街、いや、攻略圏から出て来てる?


「あ、あのこらは、山ほど在庫を拠点に残した上での出稼ぎっす」


だから攻略圏のリトライ作戦に支障はない。

育成圏封鎖作戦は秘匿していたから、攻略組末端プレイヤーが観光や出稼ぎでのこのことやってきていた。

まあ、封鎖作戦が始まっても、自力生還可能。

攻略組は生産職でもその位の力がある。


その必要があるとは思えないが。


「まあ、のどかな一週間目っすねぇ~~~~」






教都にて。

めずらしく、唖然としたD。つまり、タイム・リミットに合わせるように、皆を巻き込んでイベントが始まった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・危惧していた事は起きない、当面は。

それは構わない。

構わない、が。


Dは、Cを見た。


本来、偵察役に派遣された、お祭りを楽しんでいる、ギルド『GG』の、同じギルド仲間であるCを、その目を見た。


はじまりの街、育成圏の偵察役?いやいや、なぜDが、わざわざ同行させたのか。一番近くに。それなのに・・・・・・・・・・・・。


あえて、Cの、胸元から両手いっぱいの軽食や駄菓子から目をそらし・・・・そらすスペースはないから、見なかったことにして。


「タコ焼きに焼きそばにリンゴ飴に綿菓子にチョコバナナに・・・・聞いてくれてもいいじゃないっす?」

さびしいのか、おまえは。ツッコミ待ちか!おまえは!!


Dは無言。

そして、ゆっくり、穏やかに、問いかける。


「ねぇ」

『うぃv』

Vサインうざい。ひどっ!!


「情報屋と親しい人、知ってる?」

『マッチポンプで毎回、確実に、街中に噂をばらまくことができるくらい複数の情報屋をいつも儲けさせてるお人っすか?』

わーお!八百長への親和性パネェ!!しかもその情報屋が今回は賭けの胴元ブックメーカーだよ!!!しってるよ!!!!胴元が一番儲かるんだって!!!!!!


「大勢の人に、すぐに追い回される人、知ってる?」

『呼吸と同じくらいに恨みを買ってるお人っすか?』

あーついでに、はじまりの街で最大人数を動員できるギルドの幹部にすごく恨まれてる人、知ってる!!


「何百人に追われても逃げ切れる機動力を持ってるプレイヤー」

『知らないっすねー?攻略組何千人に追われても逃げ切った着ぐるみ人形は知ってますけど』

その着ぐるみ人形と仲がいいのか悪いのか、絶対にペアで行動してしょっちゅう抱えられて移動している人が咥えられてるところが中継されてますけどーー!


「今日がデッドラインって教えた?」

『あたしゃ、別に』

ネコカフェはどんな場所からでも生還できるから、Dも教えていない。ただし、誰にも口止めしていないから、どこかで聞きつけてもおかしくはない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、口止めしてても、機密事項でも、どこかから聞き出してくる奴だった。


『どーしましたかーー??』

「そこで貴女は、なにを、してるのか、教えて、くれる?」

怒らないから。


『嘘だー!大人はみんなそう言って怒るんだ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪』

「黙って答えろクリス!!!!!!!!!!」


本名を呼ぶのはマナー違反ですよ?



ニヤニヤ笑うC。

肩をすくめて、あたしに教えて動く人じゃないっしょ?

と無罪アピール。

笑いは、どっちにしろ都合よかったから出し抜かれてもいいじゃないっすか?

という意味か。

まとめれば、どーせ言っても言わなくても、狙ったんでも、偶然でも、どっちでもいいじゃないっすか~~~~~~~~~~~~『出し抜かれて怒るなんて人間ちいさーーい』言ってる言ってる。

あわててみせるC。

まあ結局は、


『せんせっすよ♪』



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