↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミュニケーション・オンライン~コミュ力最強!仮説~  作者: C


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/95

タイムアウト


辛い時、苦しい時。


期限を区切ってしまう事が無いだろうか?

夕方には。夜には。朝には。明日には。


先の見えない作業に追われた時には強く感じる。

感じない?




デス・ゲーム開始から一週間が過ぎた。

世は全て事もなし。


なし、なし、なし、なし、なし、なし、なし、なし、なしなしなしなしなしなし!!!!!!!!!!


特に根拠もないが、皆が期待していた。


「一週間もすれば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


何が?何が?何が?

もう言わないであげて!!!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――なにも変わらない。


いやいやいやいや。

まだだ。

まだ、一週間は、過ぎてない。



なぜ一週間?

なぜ一ヶ月じゃない?

なぜ一年じゃない?

なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?


そこツッコまない!!イジメかっこわるい!



朝はそう思っていた。

イジメをカッコ良く思いだした訳じゃない。

「まだ、一週間は、過ぎてない」のほう。


昼には

「まだ零時じゃないから一週間過ぎてない」

と思い直した。


「ゲームとリアルは昼夜が逆だ」


というもっともな指摘をスルー。

そして、やがて、気がつく。

なにひとつかわってない―――――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――救われてない、と。




同じ時期の攻略組プレイヤーなら、こういうだろう。


それがどうしたの?



何一つ新たな問題は生じていない。


『救われてない』は『救われない』ではない。

『変化なし』は『悪化した』ではない。


だが、しばしば両者は混同される。


人の意識は正体不明をもっとも恐れる。

訳が分からない『希望』より、明確な『絶望』に飛びつく。

飛びついたくせに、それに人は耐えられない。


明確な指針も、よりどころとなる組織も、支えとなる活動も――――――――――――――――――――――――何もない育成圏プレイヤーには、耐えられない。




「最優先課題は、私たちを育成圏から隔離すること」

とはギルド『GG』のD。


予測する。

問題の発生を。



見通しも計画も指導もない状況で、プレイヤーが耐える無為な時間。

無為とは拷問に等しい。

リミットは近い。


誰かが限界を越えて口火を切る。

誰かがつられる。

評議会の連中が抑える。

抑圧は弾圧に変わる。

暴力は連鎖する。


舞台は安全圏『はじまりの街』。


死なないからこそ、加速する。

勢いがついて街から噴き出す。

一気に大量死。


かろうじて在り続けた規範が崩れ、ギルドが分裂し、個々のプレイヤーが取り残される。

それは育成圏全域に伝播する。

情報として、難民として。



育成圏で生き残るのは教都あたりか。

あそこを主導するのはギルド『聖球寺』のギルドマスター、というより教祖の聖。

自他の生死に頓着しない仏教原理主義者の彼女が主導し、集まっているギルドが世界中の伝統宗教系。


どれもこれも、リアルの宗教法人を基盤にしており、ゲーム内の精神的混乱に影響を受けにくい。


だからこそ、ギルド『GG』の非攻略組新参者訓練拠点を教都にしたのだ。

あそこなら、『はじまりの街』はおろか育成圏全体で再び暴動が始まっても、支えられる。




ギルド『GG』は、Dを含めた全メンバーは、他人に感心がない。

他人がどんな最期を遂げようと。

他人が生きる為にどんな条件があろうと。

自分たちに一時的せよ他人を助けることができようと。


繰り返すが、興味がない。


ニートの悪巧みが無ければ、周囲との関係を最小化して、ギルドホームに閉じこもる予定だったくらいだ。


だから、育成圏が崩壊すれば、それをプレイヤーごと閉じ込める。

ためらいはない。

戦力をさくのは惜しいが、長くはかかるまい。


育成圏のプレイヤーは2万程。

半月もあれば支障がない数になる。

だから、最善をつくす。



転移ゲートは攻略圏/育成圏それぞれ圏内のゲート間でしか移動できない。

攻略圏内のゲートからは同じ攻略圏内のゲートへ。

育成圏もまた同じ。


ゲームが正常に運営されていれば、攻略の進展に伴って変更されていたのかもしれない。

それは今後の課題、今はいい。


仮に越圏ゲートと呼ぼう。

それがある街を抑えれば攻略圏/育成圏を隔離出来る。



育成圏と攻略圏を跨げるゲートは三カ所。

みな『はじまりの街』から五つ目の街にあるゲート。


南北はそれぞれ方面の攻略組精鋭が、西方はギルド『GG』が制圧封鎖する。


作戦はもう出来ている。

安全圏ですら通用する戦闘マニュアルをもつ攻略組。

初心者崩れには阻止できない。



だが、事前占領はコストが高い。


かえって育成圏混乱のトリガーになり、矛先が向きかねない。

始末に余計なリソースをさきたくない。



作戦開始は暴動発生に合わせなくては。


ただ、一週間のリミットから数日はずれる可能性があり、予測だけで作戦を開始するわけにはいかない。

だからこそのC。

この時期に『はじまりの街』にいる最強級プレイヤー。


運営拠点調査に貴重な戦力を、最強クラスのハイレベルプレイヤーをさいた理由。

運営情報の確実な確保と同時に、隔離作戦開始のタイミングを測るのもCの役割。



――――――――――――――――――――――――――――電子音―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。



その相手から呼び出し。

Dは作戦開始のメッセージを立ち上げ、送信にそなえ、予定戦力の待機状態を確認し、フリーズした。


『ちっす』

とC。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにしてんの」


映像つきメッセージ。


常と変わらぬ茶髪セミロングにビジュアルオンリーな忍者装束ってか、ニンジャ?NINJA?なCの笑い顔。

めずらしく、マジ笑い。

いや、普段も笑ってますけどアレは??????????



Cの両手は焼きそば、綿あめ、たこ焼き、載りきらない?


『だーいじょうぶっす!』

腕にオッ○イ!こんな使い方が!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まるでお祭りを冷やかしているようだ。


『お祭りっす』

「なにしてんのよ!!!!!!!!!!」


ようだじゃなくて、ガチだった件。


『いやー、育成圏の皆さん、爆発したっすよ?ある意味』

「じょうきょーしらせー!!!!!!!!!!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。