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コミュニケーション・オンライン~コミュ力最強!仮説~  作者: C


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目的を決めよう!(これ、一番重要)

目的とは何か?


理想的な結果である。


目標とは何か?


理想的な手段である。



『お金をたくさん所有する』

のが目的なら、

『高収入の職に就く』

のが目標と言える。


バリエーションはあるが、こんなものと思えばいいだろう。たぶん。

目的。

目標。

どちらかが一致していれば、人は協力し合える。


途中までか、最後までか、その手前までか。



ギルド『蝦夷共和国』マスター、イサミ(PC名)。

通称『近藤先生』。

まあ、通称といってもPL本名が近藤勇美だったりするのだが。

同ギルド所属サブマスター、土方。


ギルド『GG』所属、ギルド全権代理、D。

同ギルド所属、C。


南方最大都市バザールに工房を構えるソロ、マサムネ。


北方攻略組の代表格。会議のホスト。

西方攻略組の牽引役。ゲーム最強ギルド全権代理。

南方のみならず全生産系PCに人望厚い名物PL。


他の会議参加者。


ギルド『ジェントルメン・クラブ』マスター、ヨイツ。

ギルド『ネコカフェ』マスター、ニート。

同ギルド所属、フミノ。



他、ギャラリー(オブザーバー)。

『蝦夷共和国』と同格の北方御三家ギルド『ノルデン』マスター、ユーリアもオブザーバーのつもりらしい。



「まず、目的をはっきりさせましょう」


イサミ局長が口火を切る。ホストでもあり、主に中高生の会議参加者の中で20代は年長者。

リアル教師の貫禄はヴァーチャルでも有効だ。


「発案のDさん」


Dが立ち上がる。揺れる金糸の縦ロール。


「目的は運営拠点の調査」


皆、納得顔。


「解決策は無い」


いくら調べても。運営の拠点であっても。

そんなものがあればすべて解決しているから調べに行く必要もない。


「ありゃ誰も死なんですん」


ガスッ!

ヨイツの頭がテーブルにめり込む、いや、顔が潰れた。

殺ったユーリアと皆、フミノを見たが、びっくりし過ぎて固まっている。まあ、目の前で撲殺が起きればね。


一安心(?)。


ともあれ、運営の手持ち情報に解決策は無かっただろう。

よしんば、即時不可能な、時間や労力がかかるモノでも解決策があれば運営が殺されることも無かった。


「それでも情報の宝庫ね」


皆、頷いた。

異常発生時、フミノのような『ゲーム世界調査』の専門家を多数擁し、唯一組織的に調査出来た組織。

彼らは拠点に撤収するギリギリまで調査レポートを出している。

もしかしたら、運営全滅後に追加された情報があるかもしれない。

NPCによる自動チェックの蓄積は期待できるはずだ。


「どんなんがあるやろ」


ヨイツはニッコニコ。マニア心をくすぐるのはデータそのもの。

ユーリアはフミノをチラ見。気にしてはいない様子に、息をつく。


「無ければ無いで大きな成果ですね」


とニート。目新しい情報が無くてもかまわない。


「運営が確認した前提で調査を省くか再調査か」


と、D。

今のリトライ調査に大きなプラス。

皆が同意。イサミがまとめる。


「きまりね」


目的:運営拠点の調査




「では、目的の周辺状況はどうかしら」


はじまりの街。


「俺らが元から知っているのは攻略圏の常識程度だ」


と土方。


デス・ゲームから三日目。『はじまりの街』何かが起きた。


騒ぎ。

『大勢が街中を走り回っている』

騒動。

『大勢が街中で喧嘩している』

事故。

『大勢が街中で逃げ回っている』


まあ、何が起きたのか、その中心だけはフミノの証言で分かったのだが。

全体像はいまだ不明。

フミノが街を脱出した時点で暴動最中。

さて、その後どうなったのか?


まずは最初から確認。

デス・ゲーム開始から三日目をD-DAYとすれば、その前。


一部のギルドは

『運営側の動きがあるようだ』

程度の噂を聞いていたが、それだけ。


眉唾だし、本当ならいずれ話が回ってくる。

街を出るリスクを犯す価値がない。


皆、そう考えた。

ギルド『GG』の呼びかけた意見交換とリトライ計画の方がリアリティがあった。

だから攻略組主要ギルドは『GG』の拠点であるカマルに向かった。


攻略組の中枢はカマルで会議中。

が、『はじまりの街』で大騒ぎ発生の報。


「それでも信じなかったけどな」


会議をそのまま続けたくらい。

事が起き、ギルド幹部には育成圏の知り合いから話が回ってくる。

いちおう、参謀や渉外担当はつてをたどって情報を集めようとはした。

リトライ計画の片手間に。


「はぁ?ってなるわ。意味わからんし」


と、ヨイツ。

いまでこそその時起きたことを暴動呼ばわりしているが、そう呼び始めたのはついさっきから。

フミノの証言があったからだ。


そもそも、ゲームの中で暴動なぞ思いつかない。

リトライ計画でゲーム気分がぶり返した攻略組には、街全体の暴動なぞ想像も出来なかった。


「「「イベント」」」


みな、リトライの延長で考えた。

はじまりの街で大規模イベント!

オフィシャルイベントしか有り得ない!

この状況なら自動起動!

なら、確認すべき異常だ!


そういう意味では興味を惹いた。


そして考える。


はじまりの街は、どこのギルドの分担でもないな・・・ハズだ。

今の状況で、抜け駆けは、マズい・・・少し。

リトライ分担もあるから、戦力は割けない・・・あまり。

第一、今の状況で、初見のイベントに挑戦できない・・・いきなりは。


だが、様子は見ないとな?

そう、見るだけなら抜け駆けとは言えまい?

むしろ、少ない人手に困っている皆の代わりに・・・。


かくして。


多数のギルドが秘匿行動の少数精鋭で偵察作戦を始めた。

どんな状況でも自力対処可能なハイレベルPC。


大失敗である。


イベント攻略のノリで偵察・・・到着まで時間がかかる。

ゲーム世界最大の広さと人口をもつ『はじまりの街』全体を覆う大事件にこっそり(連携なし)精鋭(少人数)・・・誰も全体像がわからない。

イベント前提なら設定上ヒントや説明がつく・・・実際の事件にヒントやイベントアナウンスがあるわけない。


それでも精鋭攻略組。

偵察作戦の結論はすぐに出た。


「こりゃだめだ」


リトライ分担から始まった各街の合同指揮所で意見交換。いや、情報はないから。


リスク計算に血眼になる参謀役がすぐに投げ出した。

ギルド『GG』から支援物質は潤沢とはいえ、プライドが天より高い攻略組。

駆け引きしながらしのぎを削っている最中。

ライバルに負けることなど許されない。

貴重なリソースを大切に。

皆、損切りに走る。


自分たちより大きなギルドへ。


『なんだかわからないが大変なことが起こっている』

と大書して集めた情報に熨斗をつけ。


かくしてジョーカーは弱きから強きへ。流れ流れてどこへ行く。

リアルもヴァーチャルも決まっている事がある。


世界は有限だ。


最強ギルドは、押し付ける相手がいなかった。



「「「「「「はぁ」」」」」」



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