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Ambassador rain  作者: 輝ぽてと
第3章 神夢
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第5話


 カリス対リスクの戦いが始まった。

 どちらもまだ剣を振るっていない。じりじりと寄り、離れ…を繰り返していた。ここまできてしまうと一歩踏み出すまでにかなりの勇気がいるだろう。

 そんな事を思っていると、ピッタリと全く同じタイミングで2人は剣を上に振り上げた。


「ストップ!!」


 今にも攻撃しようとしていた2人の間に入り、ルーラ先生は双剣で2人の剣を受け止めた。

 カリスとリスクは驚いたように動きが止まっていたがそれも一瞬の事、すぐに剣を鞘に収めた。


「今日はせっかくだから、2対2のバトルやっちゃおうよ!いつもは3人だけだったから出来なかったじゃん!そうねぇ…スリク&ウィンク対カリス&リスクなんてどうかしら!?」


 僕はそれを聞いて驚いた。

 今の今まで剣使いだったことも知らなかったのだ。そんな僕が戦ったとして、ウィンクの足を引っ張るだけではないだろうか。

 更に、ウィンクの強さがどれほどかは分からないが、カリスとリスクの先程の戦いを見る分には、結構強そうだ。あれだけ長い時間睨み合い続けられる…相当気力がいるはずだ。

 ふいにリスクが笑い出した。


「先生!それ、スリクとウィンクに勝ち目ないじゃん」


 僕はそれを聞いてキッとリスクを見た。

 自分で思うのは良いが、人に言われるのは何か癪だ。


「リスクさん?それはどうでしょう?ルーラ先生、やりましょう!」


 ルーラ先生が頷く。


「えー」

「何か?」


 ダルそうに腰を曲げたリスクにルーラ先生が目を光らせてリスクを睨みつけた。


「へいへい。お前等怪我しても知らないぞ!」

「バリアはるだろ!」


 そう言って笑い合いながらカリスとリスクは短剣2本を抜いた。


「もう怒った!それはこっちのセリフですよーっだ!」

「そうですよ」


 僕とウィンクも長剣を抜く。

 戦い方は体に染み込んでいるのか、自然と剣を構えていた。


「始め」


 ルーラ先生の合図と共に僕達は一斉に動き出した。

 足元を狙ってきたカリスの剣を、跳び上がりそのままカリスの背に回って着地した。すぐさま姿勢を整える。


『ガキンッ』


 それに素早く反応したカリスは振り向きながら片方の剣で僕の剣を止め、もう片方の剣で僕のお腹辺りを切りつけようとしてきた。

 僕は押していた自身の剣を引っ込め、飛び退いて間合いを取った。


「中々やるな。流石スリクだな!」


 流石と言われても良く分からないが、僕自身かなり驚いていた。

 特別考えているわけではない。ただ、避けなければ、攻めなければと考えを入れ替えているだけだ。それを僕の奥の奥の記憶が感じ取っているのか、勝手に体が頭についてくる。

 とても不思議な感覚だった。

 そして、ここまで戦えるものなのかと少し感動してしまっていた。

 僕は前後に足を開き、後ろの足に体重をかけると地面を蹴った。後ろに体重を掛けたことで一歩が大きくなる。

 そしてその一歩に更に体重を掛け、今度は上に跳び上がった。


「ハァッ!」


 剣を下に向け、切ろうとした瞬間カリスが剣を上に向けてきた。

 僕はその勢いのまま一回転し、カリスの剣の隙間に自身の剣を切り込んだ。


『パリンッ』

「はい、カリスはリタイアねー」


 粉々に崩れたバリアを見て、ルーラ先生が笑いながらこちらに来た。

 バリアは地面に崩れ落ちた後、砂のようになり、更には光となって消えた。

 僕はリスクと戦っているウィンクの援護をしに行こうとした。その時だった。


「ハリエス・トライアングル!」

『ガキンッ!』


 僕は、ウィンクがリスクの攻撃を受け止めたかのように聞こえた。しかし、僕の目に入ってきた光景は、全く違うものだった。

 ウィンクは光り輝くガラスのような正四面体の中に入っていた。そして、耳鳴りがしそうな金属音と共に剣で受けることが出来ない程にその中で何か分からぬものに切りつけられ、ウィンクはぐったりとしていた。


「ウィン!」


 僕が駆け寄るとウィンクを入れていた正四面体が消え、ウィンクはばたりと地面に倒れ込んだ。


「大丈夫!?怪我は!?」


 心配になって声を掛けると、ウィンクは僕に微笑んだ。


「大丈夫ですよ。バリアがありましたから。少し疲れてしまっただけです」


 僕はホッとして胸を撫で下ろした。


「ウィンクもリタイアね」

「スリク、頑張って下さい!」

「OK!」


 そう言ってリスクを見た。深呼吸をし、心を落ち着かせる。

 きっとまたリスクはウィンクにやったのと同じものをやるはずだ。ただ切りつけるよりも効果的なのだから。それを防ぐためには…。

 僕はいい考えが浮かび、リスクに駆け寄った。


「スリク!?」


 ウィンクが驚きの声を上げる。それもそうだろう。むやみやたらに突っ込んでいるようにしか見えないはずなのだから。

 リスクはニヤリと笑い、剣を上に上げて振り下ろした。


「残念!こっちだよー!」


 僕はリスクの背を十字に力強く切った。


「!?」


 バリアがそこを中心に崩れ落ちた。


「リスクもリタイア!やって、スリク&ウィンクチームの勝利!」

「やったー!」


 僕はその場で飛び跳ねた。

 嬉しいに決まっている。リスクにあんな事を言われて怒りはしたが、実際に的確なところをついていると思ったのだ。僕が全くもって戦い方を知らなかった以上、難しいだろうと。

 そう思ってたからか、尚更嬉しかった。体はしっかりと、戦い方を覚えていたのだ。

 ウィンクも僕に近寄ってきて、ニコリと微笑んだ。


「やりましたね、スリク!すみません…僕、お役に立てなくて」

「いいのいいの!十分、強かったよ!」


 僕達がそんな会話をしていると、未だにそのまま動けていない様子のリスクにカリスが後ろから軽く小突いた。


「今のは…何だったんだ…?」


 我に返ったリスクがぼそりと呟く。


「さぁ…?」


 カリスは訝しそうに僕を見てきた。

 あの時僕はリスクにわざと突っ込み、リスクが僕の剣先を見て切り込もうとした瞬間に後ろに回ったのだ。

 しかしまさかこんなに速くリスクの後ろに回り込めるとは思ってもいなく、自分でも驚いていた。しかし、僕自身元々このような身のこなしの人物だったのだと思ったのだが…カリスやリスクを見ている分にどうやら違うようだ。

 そんな事を考えていると、ポンポンとルーラ先生が手を叩いた。


「はい、今回の授業はここまで!みんな、よく頑張りました!お疲れ様!」

「ありがとうございました!」


 僕達はルーラ先生に頭を下げると、終了のチャイムを聞きながらの自分達の部屋へと戻った。




読んで下さりありがとうございました!

更新遅くなってしまいすみませんでした…


何度言い続けてきたでしょうか…

どなたか私にネーミングセンスを下さい(切実

本当になんなのですかね。

「ハリエス・トライアングル」って。

勿論今の私にもネーミングセンスなんて欠片もないので変えていませんけれども←

誰か本当に下さい…


次回更新は3/20(木)に出来たらと思っています!

宜しくお願いします!

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