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Ambassador rain  作者: 輝ぽてと
第3章 神夢
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第1話


 声が聞こえる。誰だろうか…。いや、気のせいか。

 声が聞こえるわけないもん。僕は、ずっと暗い世界で過ごすんだから…。


「全く…お主は。もう少し考え方があったであろう?」


 今度ははっきりと、すぐ近くで聞こえた。

 しかしどこにも誰の姿はない。


「誰?」

「そうだな…。神…とでも言っておこう。お主は、仲間を守るために自分を殺した。仲間を残して。あの頃、お主は自分で『おいてくな』と言っていたな。お主はどうなんだ?お主には、まだやらなくてはならないものがある。それが終わるまで、天と地に命を送ってはならぬ」

「やらなくてはならないものって?」

「それは自分で見つけろ。なぁに、時期に分かるであろう」


 僕は首を傾げて考えたが、もちろん今の僕にそんな事分かるはずもない。

 それに、神と言っていたが、一体ここは何処なのだろうか。僕は死の世界にいるのではなかっただろうか。

 辺りはまだ真っ暗で神の声しか聞こえなく、僕は孤独を感じて座り込みそうになった。

 しかし、ここが死の世界であるかもしれないという事を考え、ある人物が浮かんだ。


「ねぇ、リスクは!?リスクはどうなったの!?」


 何処にいるかも分からない神に向けて問いかける。

 ここが死の世界であるならば、考えたくもないがもしもリスクがあの後間に合わなかった場合、ここにいるはずだ。

 天と地に命を送ってはならぬという事は、僕はまた元の世界に戻れるという事なのだろう。それなら、リスクも一緒に戻りたい。


「その子なら平気だ。あの後すぐに治療を受け、今は元気だ」

「良かった…」


 僕は胸を撫で下ろした。

 しかし安心していたのも束の間、何かが僕の頭に触れた。振り払おうとするも、体が動かない。


「では、お主を元の世界に戻します」


 ほわほわと光の玉のようなものが頭から出てくる。そこには小さい男の子が泣いていたり、笑っていたりといった映像が流れていた。

 それを見ていると、凄く懐かしい気持ちになった。それと同時に、段々と遠ざかって行くような気がして、胸が締め付けられる思いだった。


「最初からやり直せ。そして、新しい自分を作り出せ」


 どんどん光の玉が抜けていく。頭の中に留めておこうとしても、反発して出て行ってしまう。

 もう、自分が誰なのかも分からない。ここが何処なのかも分からない。

 僕は知らないうちに涙を流していた。

 でもその涙の理由を知ることはなかった。


「やらなくてはならぬものをやってこい」


 目の前が白い雪のようなものに包まれた。その雪が去った後に、どこか見覚えがあるような建物が目に入ってきた。


「どこだろう…ここ…」


 周りが草原に囲まれており、奥の方には庭園もある。その中心には教会のような建物もあった。しかし僕が先程から目を奪われているのは、何階建てか分からないほど高いお城のような建物だった。

 僕はここが何処なのか教えてもらうため、その建物の中に入ることにした。

 建物の中はかなり広く、廊下に敷かれたカーペットもふかふかしていた。


「悪心を持つ者がいなくなり、世界も平和になった。しかし、スリクの行方が分からなくなっている。知っていることがあれば教えてくれ」


 低く重い声に肩がビクリと動く。

 声のする方へ向かうと、ドアが少し開いていた。その隙間から静かに中を覗いてみる。

 部屋の中には、赤髪の青年と金髪の少年、薄ピンクの少女に薄黄緑の少女、そして銀髪の少年が2人いた。更に、奥の机の所には白髪が少し混じった茶髪の男の人が立っていた。

 赤髪の少年が口を開く。


「スリクの胸から光の玉が出てきて、天と地に吸い込まれたかと思ったら姿が消えていました…。だからオレ…まだスリクがどっかで生きてるんじゃないかって…思っ…ちゃって…」

「カリス…」


 カリスと呼ばれた青年の肩が震えている。手は強く握り締められていた。

 その肩に、隣に立つ金髪の少年が手を置いた。


「リスクはどうだ?」

「僕は…」


 金髪の少年はリスクというのか。しかし、それ以上何も聞こえてこなかった。

 もう少し入っちゃえ!

 僕が部屋に足を踏み入れたその時、足を滑らせて部屋の中に転がり込んでしまった。


『バタンッ』

「誰だ!?」


 扉が閉まる音で僕の存在を気付かれ、皆が一斉に振り返った。


「僕…は…?」

「スリク!良かった!」

「誰?」

「スリク?何言ってんの?」


 カリスという青年とリスクという少年の話が全然理解出来ない。

 僕は後ろに誰か人がいるのだと思って後ろを向く。しかし、誰もいない。


「誰に言ってるの?」

「お前にだ!」

「スリクって誰?」

「お前だろ!」

「そうなの?」


 僕は首を傾げた。この人達は何を言っているのだろうか。

 スリクなんて知らない。分からない。


「お前…ふざけるのもいい加減にしろ!」

「ふざけてないよ…」


 僕は怖くなって俯いた。足の震えが止まらない。

 そんな事言われたって僕には分からないものは分からない。それに、あの人達は誰?そもそも、僕は…何?

 僕がそんな事を考えていると、銀髪の少年1人がカリスという青年に話しかけている。それを聞いた青年は驚いた顔をした。


「ウィンク。それ…本当か?」


 ウィンクと呼ばれた少年が深く頷いた。


「えぇ、本当です。スリクの心を読んだら、そう考えていました」

「何?面白い事?」

「ヤク、面白いわけないじゃないですか。バカですか」


 ヤクと呼ばれた、ウィンクという少年と同じ銀髪の少年がしょぼんと肩を竦める。




読んでいただきありがとうございました!

投稿時間遅くなってすみませんでした!


前回、完璧に終わりみたいな雰囲気だったのですが…まだまだこれからなんですね…

むしろまだ1/10くらいですかね(汗

果たして、そこまでついてきてくださる方がどれだけいらっしゃるか…

グダグダですが、読んでいただけると嬉しいです!


次回更新は3/5(水)に出来たらと思っています!

宜しくお願いします!

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