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Ambassador rain  作者: 輝ぽてと
第2章 冬の悪魔
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第8話

 かれこれ2時間は歩いたが、もちろん何処に行けばいいのかなんて分かるはずもないわけで、僕達は更に人のいない方へと歩いていた。


「もうやだー!疲れたー。足が痛いー!」


 僕がそう言って倒れ込むと、カリスは深く溜め息をついた。


「そんな事言われたってなぁ…。早く帰らないと」

「でもこう当てもなく歩くのも…」


 そう言って立ち上がろうとした僕の胸に、また激痛が走る。

 洋服をくしゃくしゃに握り締め痛みに耐えるが、心が崩壊してしまいそうだった。


「大丈夫か!?今度はどうした!?」


 僕は胸の痛みなど気にしていられず、カリスの肩を掴んだ。


「リスクが…リスクが…いやぁー!」

「どうした!?リスクがどうした!?」


 カリスが僕の顔を覗き込んでくる。

 不安に息が荒くなる。


「どうしよう…どうしよう…そんなの…嫌だー!」

「スリク、落ち着け!何だ?話してみろ」


 僕は今にも止まりそうなほど吸いすぎている息を無理矢理深く吐き、変な呼吸になりながらも伝えずにはいられなかった。


「リスクがまた刺されて…心拍数がどんどん落ちてきてる…。もう僕の体には、伝わってこないんだ…」

「何だって!?そ、そんな…リスクが…」


 大粒の涙が零れ落ちる。

 冬の悪魔とは一体どんな人なのか。いや、人ではないかもしれない。ロボット…人造人間…分からない。

 いつの間にか、僕達を囲むように地面が白く光っていた。

 あまりに唐突な出来事に驚き身動きが取れないでいると、閃光弾かと錯覚するほどのまばゆい光が僕達を包み込み、それも一瞬の事、気が付けばそこは戦場だった。

 周りにはカリスとウィンクと少年がちゃんといた。そして、


「ラル!ミカリ!」


 数時間前に分かれてしまったラルとミカリがそこにはいた。

 僕は姿を認識すると同時に駆け出していた。


「どうしてここに…?」


 ラルとミカリの目には涙が溜まっていた。服はボロボロで肌は傷だらけだった。

 その隣には、横たわっているリスクがいた。胸を抑え、血だらけで仰向けに倒れている。

 僕はリスクを抱きしめた。

 鼓動が聞こえない。息もしていなかった。しかしその体はまだ暖かく、苦しそうな表情だが寝ているようにしか見えなかった。


「リスク…?嫌だよ…死んじゃやだ…。僕達はずっと一緒じゃなきゃダメなんだ!なのに…リスク…」


 それ以上言葉は出てこなかった。涙がどんどん出てくる。

 そっと、僕の肩に手が置かれた。カリスだ。


「お前の能力…ハールスはどうなったか分かるって言ったよな。死んだかどうかも分かるんだろ?でもそれは伝わらなかった。なら、まだリスクを助けられるかもしれない…だろ?」


 僕はその言葉に涙を拭い、リスクを横たわらせると立ち上がった。

 そして、ラルとミカリに向き直る。


「僕達、違う世界に飛ばされて、戻ろうと彷徨ってたら気が付いたらここに。ラル達はどうしてこんな事に?」

「分からないわ。いつものようにあなた達を探していたら、気が付いたらここに。それにしても、あなた達だって4ヶ月も何処に行ってたのよ!」

「4ヶ月!?」


 僕とカリスは同時にそう叫ぶと顔を見合わせた。

 ラルが深く頷く。


「そうよ、4ヶ月。それにあの方々は誰?」


 ラルがウィンクと少年の方に目を向けた。


「えっと…ウィンクと、この少年は…」


 僕が言葉に詰まっていると、今まで黙っていた少年が口を開いた。


「ヤクだよ。よろしく」


 ヤクと名乗った少年は、そう言って僕に手を差し出した。

 僕がその手を取ろうとしたその時、急に地面が揺れ出した。


「地震か!?」


 すると地面が割れ、僕とカリスとウィンクとヤクは同じところにいたのだが、ラルとミカリとリスクと離れてしまった。


「ラル!ミカリ!」


 僕がなんとかして向こう側に渡ろうとすると、その割れ目から黒衣を身にまとった人のようなものが出てきた。

 人のようなものと言ったのは、それがあまりにも大きく、更に中に浮いていたからだった。


「何…あれ…」

「あ…あれは…」



読んで下さりありがとうございました!

遅くなってしまいすみませんでした…


実はここのシーンですが、かなり悩まされました。

でも少しだけネタバレになってしまうので、ちょっと黙っておきます!

来るべき時が来たらっ…!←


次回更新は2/18(火)に出来たらと思っています。

宜しくお願いします!


皆さん、お体には十分お気を付け下さい!

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