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Ambassador rain  作者: 輝ぽてと
第2章 冬の悪魔
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第7話


「ん…カリス…」


 うっすらと目を開けると、目の前には涙で顔がぐちゃぐちゃになった、僕の大切な大切な仲間がいた。


「良かった…目が覚めて…。本当に良かった…」


 僕はカリスの目に溜まっている涙を指で払って微笑んだ。

 カリスも微笑む。


「っ!」


 その時、急に胸が痛みだした。突き刺すような痛みに胸を抑える。


「どうした!?どこか痛むのか!?」


 急な僕の行動にカリスが慌てた様子で僕の手を握った。


「また…か」

「何?言ってみろ」


 僕は震える唇を無理矢理動かして言った。


「リスクとラルとミカリに…冬の悪魔が…」

「冬の悪魔!?」


 僕は頷いた。

 すると、また胸が痛みだした。

 いや、またではない。さっきのとは違う。

 僕は恐怖に震えながらカリスの肩を掴んだ。


「リスクが…冬の悪魔に胸を刺された…」


 カリスが目を見開いて驚く。

 どんどん激しくなる痛み。


「どうしよう!このままじゃ皆死んじゃうよ!」

「落ち着け!何とかここから出る方法を考えれば…」

「落ち着けるわけないじゃん!」


 僕はそう言って目をつぶった。


(リスク、大丈夫?お願い、死なないで)


 目を開けると、驚いた顔のカリス。


「お前…今の何だ?」


 僕はしまった、と目を逸らした。

 僕には2つの能力がある。

 1つは、フォーラというテレパシー能力。今のように、遠くにいる人にも口で喋らずに内緒話のように頭に直接話しかける事が出来る能力。因みに実際に口で喋りながら、それとは違う話をフォーラでする事が出来る。何人でも同じ言葉なら同時に伝えられる。

 そして2つ目はハールスという、人の痛みが分かる能力。誰が誰に何をされたかが分かるのだ。痛みを与えられた人の痛みが自分に起こっているかのように伝わるという、大嫌いな能力だ。

 僕はフォーラを使ってリスクにだけ伝えたつもりだったのだが、先程までので混乱してしまったのか、ここにいるカリスやウィンク、さらに少年にも使ってしまったようだ。

 僕は俯いた。


「今のは…フォーラ。簡単に言うとテレパシーみたいなもの。後は、さっきの胸の痛み…仲間がどうなってしまったか分かる力、ハールスが僕の力。秘密にしてごめん」


 カリスがナイト学園に来てから8年近く経つが、今まで見せたことも言ったこともなかった。

 ずっと隠してきたのだ。

 僕が顔を上げられないでいると、カリスに手を握られた。


「オレも、お前に秘密にしている事があるんだ」

「えっ?」


 急な事だったので、自然と顔を上げ、驚いてカリスの顔を見た。


「オレは楽器を使って人を回復させることが出来る、パラルを使える」


 僕はそれを聞いて少し納得した。

 カリスに刺されたはずのお腹が痛くないし、僕の寝ていたベッドのすぐ近くにはピアノがあり、フタが開いている。

 カリスが僕を回復してくれたのだ。

 僕は嬉しくてカリスに向かって微笑んだが、カリスはまだ何か言いたそうに、しかし何かを迷っているかのような複雑な顔をしていた。


「どうしたの?」


 少し心配になりカリスの顔を覗き込むと、カリスは僕の目をしっかりと見てきた。

 深く息を吐き、何かを決心したように頷いた。


「お前の兄だ」

「えっ?」


 僕は一瞬の事で頭がついていけなかった。


「オレは、お前の兄だ」


 もう1度、今度は優しくゆっくりとそう言った。

 カリスが…僕のお兄ちゃん…?

 僕の目からは自然と涙が溢れていた。

 カリスが泣いている僕の頭をそっと優しく撫でてくれた。


「ごめんな、秘密にしてて。もう、お前を傷付けたりしないから」


 そして、優しく…しかししっかりと、僕を抱きしめてくれた。


「ここから出て、リスク達を助けに行こう」

「うん!」

(待っててね。必ず、助けに行くから)


 僕はベッドから飛び降りると、しっかりと地面を踏み締め歩き出した。



読んでいただきありがとうございました!

感想や御指摘ありましたらお願いします!


本当にどなたか私にネーミングセンス下さい(切実

なんなんですかね、あの能力名。

でも小6の私を否定するわけには…とかいう言い訳をしてみる←

因みに、カリスがお兄ちゃんというのは成り行きで決まった事でした。

小6の私恐るべし…

ですが、この設定はかなり気に入っています!


次回更新は2/13(木)に出来ればと思っています!

宜しくお願いします!

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