表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
統べる者  作者: 八坂カロン
40/67

第一章ー39

「ぬいぐるみは全て回収されましたか」

『ああ、すまないな。想像より早く気付かれてしまったようだ』


クロウが軽く謝罪してくる。

別に爆弾魔ボマーは最初からぬいぐるみに期待などしていなかった。

急遽思い付いてやってみただけだ。

とは言っても三十体程用意していたのが今日で全て見つかるのは少々予想外だ。


(本当なら明日までぬいぐるみに世界警察あいつらの目を向けておきたかったんが……。さて、どうするか……)

『あれはどんな術式装置だったんだ?』


爆弾魔ボマーが今後の行動を考えていると不意にクロウが質問してくる。

爆弾魔ボマーは思考を一時中断し、質問に答えることにする。


「私の設定した時刻になると爆発して半径三十メートル位に被害を与えてくれるものです」

『ようは時限爆弾か』

「まあそんなもんです」


軽く説明してやるとクロウが電話越しに『ふむ』と納得したような声を漏らす。

もちろん話したのは要点だけだ。

設定した時刻を後で変更する事は出来ない事、自分がその術式装置から一定距離離れてしまうと発動しなくなる事は言う必要が無いと判断した。

そこまで教えてやる義理など無い。


(どうせ今頃無効化されているだろうしな……)


爆弾魔ボマーは心の中でそう付け加える。

無効化する手段なんて幾らでもある。

しかし今はそんな事を考える必要はない。


「今後の事なんですが……」

『何だ?』

「もう今日中に全てを終わらせたいと思います」

『そうか』

「焦らないということはもうそちら(・・・)の作業は全て終了したということですね」

『何のことやらさっぱり分からんな』


爆弾魔ボマーの皮肉に白々しくとぼけるクロウ

クロウが自分を囮にして裏で色々している事など知っている。

それでも別に構わないのだが。


「まあ、それはいいです。ただ一つ問題が……」

魔導機兵マシンウォリアーは既に用意してあるぞ』


そんな爆弾魔ボマーの懸念をクロウがすぐに取り払ってくれた。

こういう所は好ましいのだが、そう爆弾魔ボマーは思わずにはいられない。

魔導機兵マシンウォリアーとはその名の通り、ディーヴァを動力源とした機械兵器である。

人型、虫型、動物型など様々な型があり、一つの命令を動力源のディーヴァが尽きるまで果たそうとし続けるのだ。

人間よりも丈夫で多少の損傷など関係なく作動するため戦争では重宝されている。

それを爆弾魔ボマークロウに用意させていた。


『人型が五体、動物型が十体、虫型が二十体、そして特別な奴一体の計二十六体で合っているだろう?』


クロウの言葉に満足する爆弾魔ボマー


「ええ、ありがとうございます。調達するのはさぞ困難だったでしょう?」

『まあな』


再度爆弾魔(ボマー)クロウを皮肉るがクロウの反応は薄い。


(つくづく癇に障る……)


爆弾魔ボマーは毒づきたくなるが堪える。

やはりクロウとは気が合いそうに無い。


「それで最後の要求ですが、その魔導機兵マシンウォリアーを全て起動させてもらえませんか?一人でやると些か時間がかかります」

『構わない』


爆弾魔ボマーの最後の要求をクロウが承諾する。

自身の目的を果たし終えたらしいクロウはもう自分の事は用済みになったため断るのかと思っていたのだがそれなりに律儀な奴らしい。


「ありがとうございます。それでは三十分後に一斉に起動させてください」

『了解した』

「あと闘技場の地下には魔導機兵マシンウォリアーを配置する必要はありません。アレ《・・》が攻撃されてしまいますからね」


そう言いながら爆弾魔ボマーは目の前にある一本の柱のような幾何学模様が描かれたオブジェクトに触れる。

今、爆弾魔ボマーは闘技場の地下の最奥部にいる。

本来はなにか行おうと思っていたのか地下はとても広かった。

そんな地下の最奥部にあたるだだっ広いだけの何も無い空間で真ん中にポツリとそのオブジェクトが鎮座している。

五月祭が始まる数日前に爆弾魔ボマーが入念に下見をしてこの地下にこのオブジェクトを置くことを決定したのだった。

人が入ってこず、出来るだけ被害が多く出る場所という条件を満たしたのがここである。

そしてそのオブジェクトを人目を盗んで何とかここまで運んできた。

クロウ達にやらせても良かったのだが、これは自分がしようと最初から決めていたのだ。


『了解した。それで魔導機兵マシンウォリアーへの指令コマンドはどうするか決まってるのか?』

「もちろん決まってますよ。指令コマンドはーー」


クロウへの回答は既に決まっている。

爆弾魔ボマーは口角を上げて告げた。


「『ウィザードを殲滅せよアニヒレイトウィザード』、で」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ