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統べる者  作者: 八坂カロン
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第一章ー32

貴人達がフィールドの入り口まで行くと、既に清嗣の姿があった。


「どうも、清嗣先輩」

「ん?」


貴人の声が届いたのか清嗣が振り向いた。


「来たか千凪。お前と戦えるのを楽しみにしていたぞ」


高校生には見えない顔つきの清嗣が高校生らしく微笑む。


「この人達が対戦相手なんですかー?」


その清嗣の後ろから一人の人物が顔を出した。

海の深緑色の髪とは対照的に薄緑色の癖のある髪で、キツネのような目つきをしていて口元は常に笑みを浮かべている、どこかつかみどころの無い雰囲気の青年だ。


「あぁそうだ」

「へ〜、僕は雲海高校一年の風城葉月かざしろはづきで〜す。まあよろしくです」


葉月は貴人達に向かって大げさに頭を下げながら名乗る。

それを見た清嗣が「すまんな、こういう奴なんだ」と申し訳無さそうに貴人達に告げる。


「こういう奴ってどう言うことですか〜先輩? ところで貴人先輩の隣の美人さんは誰っすか?」


葉月は視線を悠奈に向けた。


「夢ノ丘高校二年、氷上悠奈です」


悠奈は躊躇ためらうこと無く名乗る。

すると葉月が微妙に表情を変えた。


「こうして会うのは初めてだな。よろしくな」

「よろしくお願いします」


既に対戦表を見て悠奈の事を知っていたらしい清嗣は友好的に悠奈を受け入れた。


(清嗣先輩はいいとして……)


そう思いながら貴人は葉月を見る。

その葉月は


「えー! 六王家の人だったんですか〜! よろしくっす!」


と意外にも好意的な態度を示した。


「よ、よろしく」


悠奈にとっても意外な反応だったのだろう少し返答が遅れる。

そこに清嗣が


「こいつは風城家の人間だがそういうのは気にしない奴だ」


と貴人達に告げる。


「ああいうの本当に嫌いなんですよねー僕。みっともなくてこっちが恥ずかしくなっちゃいますよ〜」


葉月はヘラヘラ笑いながら言っているが、貴人は本心からの言葉だと根拠は無いが確信する。

その言葉を聞き貴人達が安心していると


「でもまぁ」


と葉月が前置きながら


「強くなければ僕も軽蔑しちゃうかもしれませんが」


と僅かに黒色の瞳を覗かせて言う。

並のウィザードがこの場に居たら葉月の威圧感に息を呑んでいただろう。

そこに清嗣が葉月に「そこまでだ」と言いながら頭にチョップを入れた。

葉月は「いてっ」と言いながら大げさに頭を抱える。


「すまんな氷上。気にしないでくれ」

「気にしてませんよ」

「そうか、それなら良かった。何度も言うがこいつはこんな奴なんだ」


葉月の代わりに謝罪する清嗣。

良い関係なのだろうと貴人は思った。


「まあお互い全力を尽くしましょう」


貴人がそう言うと入場のアナウンスがなった。


ーーーー


観客席には多くの人物が次の試合をの開始を待っていた。

その中には夢ノ丘の香を除いた生徒会メンバーと、寧々、未来、津々良もいた。

香はみんなには「用事があるから」とだけ言って見回りに行っている。


「昨日より人が多いな」

「タッグ戦ですからねー」


寧々は自分達の辺りを見渡しながら津々良に話し掛けた。

昨日は空席もちらほら目立っていたのだが今日はほとんど見当たらない。

これはチーム戦よりタッグ戦の方が人気があるためだ。

ちなみに一番人気なのは個人戦である。


「それに次の試合には六王家が三人いますからね」


愛斗が付け足す。

六王家の存在はとても大きい事を寧々は再認識させられた。

周りにはちらほらスカウト目的の大企業の重役らしき人物も見える。

ウィザードはどのような分野でも活躍できるため、できる限り優秀なウィザードを早めに見つけ好条件を提示して、自分の企業へ誘い入れたいという狙いがあるそうだ。

全て海から聞いた事なのだが。


「つ、津々良ちゃん、次の試合がそんなに楽しみ……?」


津々良の様子を見て未来が問う。

寧々の目から見ても津々良が上機嫌なのは明白だった。

すると津々良が声を弾ませながら答えた。


「楽しみだよ! だって私のマギは風城家の人達のマギをマネしてるんだもん! 新しい発見があるかもしれないでしょ?」

「向上心の塊ね……」


阿澄が津々良の言葉に反応して呟く。

さらに津々良は


「それに師匠達がどうやってその風城家を倒すのか興味があります」


と既に貴人達が勝つことを疑っていないかのように告げた。

まあ確かに貴人達が負ける姿を想像出来ないが。

そんな事を寧々が考えているとアナウンスがなり、貴人達がフィールドに姿を現した。


ーーーー


貴人達が入場すると辺りは「うおおおおおおお!!」と歓声をあげだす。

中でも悠奈が入って来た時は絶世の美女の出現に、今までで一番の盛り上がりをみせた。

貴人との関係を知らない歓声達は「結婚してくれー!」などと言いながら悠奈を苦笑させていた。

そうして二組が向かい合う。

アームズは四人とも所持していない。

清嗣が


「手加減はしないぞ」


と言うと同時、熾烈な闘いが幕を開けた。


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