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《書籍化決定》転生王女は王国の愛され救世主  作者: 渡鳥紫苑
定番になりつつある異世界転生
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18話 解剖学しちゃいました。

さぁ、波乱の授業開始です。


この必須授業は能力別ではなく全員一緒に受けます。


お兄様もラインハルト様もジャンもサルーン様もサル君もキャロルもアンナもアーサーもテトもみんな居ます。


ラインハルト様はあの後から徐々に感情を取り戻して、少しだけ笑ったりする様になりました。


ジャンは強制施設から出てきてから別人の様にしっかりしてます。


なんと、お兄様も見所があると仰って、お兄様特別特訓を受けてたんです。


お兄様に見所があると言われた人はみんな何かしら才能があるみたいですし…


でも、ラインハルト様の方が見ていて凄いお兄ちゃんみたいにしっかりしています。


ジャンは呼び捨てにしてとうるさかったので呼び捨てになりました。


そして、キャロルとアンナは呼び捨てにする位、仲良くなっちゃいました。


2人共、本当性格が良い。一緒にいて癒されます。


食べ物の好みも一緒だし、キャロルとアンナはお菓子を作ってくれてよく私にくれます。


それが美味しいのなんの…

手作りお菓子を食べながらお喋りしてると時間を忘れてしまいます。


サルーン様とサル君もお昼ご飯を一緒にする位仲良くなりました。


サルーン様が何かと声かけしてくれるので仲良くなれた感じです。


アーサーとテトも2人とは何かと話をして仲良くしています。


仲良し4人って感じで、たまに離れにも遊びに来る様になってて私がビックリしました。


離れに私以外が居た事なかったのに。


テトも変わっていく人っと言うのを理解してる様で今のサルーン様と新しい関係を作っているみたいです。


でもブラッシングっていう至福の時間はまだサルーン様にもサル君にも奪われていないので…


いつかその時間すら奪われたら、2人に嫉妬してしまいそうです。


そして、あまり一緒になる事がない人も今日は一緒の授業になります。


私が苦手なヴァネッサ・クレイン嬢達です。


人間どーしても苦手な人って居るじゃないですか…


ヴァネッサ嬢がまさにそれです。


何度も仲良くなろーと頑張りましたが、どーにも考え方が根本的に合わないと分かりました。


今日はそんな方々ともみんな一緒です。


先生が今日は3人です。


そして、補助要員で殆どの学園の他の教師も参加して転倒や具合の悪くなる人の為にと、所狭しと控えています。


教室の真ん中に遺体が置かれていてそれを円で囲む様にして生徒が立っています。


その後ろにはふわふわのマットとバケツが人数分用意されています。


そしてその後ろに補助の先生が所狭しといます。


先生方には実は何度か実際に解剖学を学んでもらい、耐性をつけてもらいました。


補助の先生達も最初は転倒したり、嘔吐したりしていました。


こちらの世界では人の臓器を見る事なんて初めてで衝撃は計り知れません。


前世の日本での解剖学では本当は吐いたり、倒れたりする人は滅多にいないそうです。


医学生として献体に対しての敬意で必死に勉強するそうです。


しかし、こちらは〝医学を学ぶ〟という行為自体ない世界です。


〝医術は伝える〟という認識の方が近い気がします。


その伝えられている行為が合っているかどうかの検証もなく…もう根本が違い過ぎます。


今日の授業までには、本ーーーー当に長い道のりがありました。


全ての臓器のホルマリン漬けや先生達が書いた詳細な教科書で良いのではないか?わざわざ遺体を直接見る必要があるのか?


人は変化を嫌う物だとまた実感しました。


特にヴァネッサ嬢の父である宰相が全員ではなく選択の授業にするべきだ。っと言っていました。


選択授業にした場合半数以上が受ける事はないでしょう…それではせっかくの機会を失う事になってしまいます。


何年後かは選択で良いと思いますが、今の未知の場合、誰も選択などしないので…全員ならしょうがないっと思ってみんなで受ける事が最初は肝心だと思いました。


必須授業の全体にしてもらう事などを私は説得する事になってもう大変な思いをしましたよ。


いつもは出ない朝議で何度もプレゼンしました。


そして、生徒の親にも事前に連絡、承諾を取る為に手回し…この辺はお兄様が手伝ってくれたのでなんかよく分からないうちに上手くいきましたが…


そして念願叶っての本日の授業です。


いやー、色んな事があったのがこの場に立ったら走馬灯の様に思い出してしまって。


やっと。やっっと。


「では、これから解剖学の授業を始めます。まず献体に感謝の祈りを捧げます。」


献体の説明と祈りが捧げられます。

国によって宗教なども違うのでそれぞれ祈りの仕方は違いますがみんな一切に感謝の祈りを捧げました。


教室の中は異様な緊張感で誰も話しません。


授業が始まると真っ先にヴァネッサ嬢が倒れました。


3.4人倒れるだけなら授業は続行する事にしています。


何人も倒れたり、嘔吐する中で全く倒れないし動揺も見せず真剣に学んでる人が何人も居ます。


お兄様、ラインハルト様、ジャン、サルーン様、サル君、キャロル、アンナ、アーサー、テトは先生の動きを1つも見逃さない様に微動だにせず見ています。


周りの喧騒など1ミリも聞こえていない様です。


他にも帝国の双子兄弟や女性陣は血にも慣れているからか衝撃は受けている様ですが真剣に学んでいます。


男性陣の方が倒れていたり嘔吐してる人が多いと感じます。


倒れて先生が受け止めて、少しして起きてまた倒れてなど周りは凄い事になっています。


喧騒を物ともせず、先生は取り出された臓器の説明をしながら丁寧にホルマリン漬けにしていきます。


筋肉や神経などはなるべくそのままに骨の位置や臓器の位置、人間の身体がどんな作りになっているのかが主に話されます。


あっという間に授業が終わりました。


最後も献体に感謝の祈りを捧げて授業の幕は閉じられました。


これは三限全部を使った授業なので次はお昼ご飯なのですが…今日は全然食堂に人は居ません。


みんな庭園や木の木陰でぐったりしています。


貸切状態で私、お兄様、ラインハルト様、ジャン、サルーン様、サル君、キャロル、アンナ、アーサー、テトのメンバーでお昼ご飯を食べる事になりましたが…………。


それだけで終わったら波乱の授業とは言いませんよね……。






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