種まき機
時計の針は朝8時を指していた。
真奈は千鶴が用意してくれた種まき機に手をかける。
左の容器には種が入っており右の容器には土が入っていた。
「昔は手動だったけど今は電動になったんだよね」
手前に種まき機のスイッチがある。
これを押せば始まるというわけだ。
「ちゃっちゃと終わらせちゃうよー」
腕まくりをし種まき機の先端に苗箱を置いた。
そして、スイッチを押す。
グイングインと機械が唸りだし、ローラーで動き始めた。
「うおっ、早い。でも、これならお母さんが帰ってくる頃までには全部終わりそう」
「ただいまー」
「って、はやっ!」
千鶴は帰ってきた。
「真奈のために会議聞かずに早退してきた」
「ちゃんと聞けよ」
「真奈が1人で種まきしてると考えると心配になっちゃって」
「心配性だな、私は力持ち、1人で出来るよ」
「そういう所がダメなのよ、さっ、早く隣の家にいって菊さん呼んできて。これはお母さんが入っても終わりそうにないから」
千鶴は種まき機の付近でそう言った。
真奈は面倒そうに声を上げる。
「えー、菊さん、クールな人だし何を考えてるか分からない人だから気楽に呼べないよ」
「真奈の友達でしょ、それにご近所さんなんだからそんな悪口言わないこと」
「しょうがないな、何かあったらお母さんのせいにするからね」
最後にそう言い残すと真奈は隣にある菊さんの家に向かった。




