1/5
始まり
「真奈ーっ、起きなさーい。朝よー」
「うおっ、平気で娘の部屋入ってくんなー」
20XX年、とある埼玉の田舎町。
母親である千鶴とその娘である真奈が住んでる一軒家があった。
ごく普通の一軒家だが少し違う。
トラクターがあり田植え機があり軽トラがある。
そう、農家なのだ。
2人は代々続く農家として農作物を生業にしていた。
「今日も農協の集会?」
「そう、役員が変わったとかでその説明らしいわ」
「大変だね、ん? じゃあ、今日の稲の種まき私一人でしないといけないの?!」
「そういうことになるわね」
千鶴は片手でごめんなさいのポーズを取った。
「まぁいいけど、早めに帰ってきてね。あれ一人じゃできない仕事なんだから」
「分かってるわよ、大好きな娘のため、秒で帰ってくるわ」
「そこ、愛が重い」
冷静に真奈は突っ込んだ。
「まぁ、どう考えても1人じゃ難しそうだし、隣の家の人を誘って進めておいてね」
「はいはい、私はお母さんと2人きりでしたかったんだけどな」
「何か言った?」
「別に」
いつも通り漫才してると会議の時刻となった。
「ほら、集会始まるよ。いったいった」
「はいよ」
千鶴は外に出ると軽トラに乗り込んだ。
「じゃあ、行ってくるわね」
「早く行けー」
聞く間もなく、千鶴はビューンと車を発進させた。




